第8話 実質三年ぶりの二人の会話
2019年2月5日に修正しました。
『ヒカル、ヒカル、聞こえる?』
……………………
(もう3才になったのだから、前世の記憶を思い出していてもいいはずなのに。)
『ヒカル、ヒカル!』
(まだダメだわ。)
『ナナ、ナナ!聞こえる?』
『ヒカル!』
前世、地球の日本に住む普通の高校生だった剛田光。
そして、前世魔法神女神様だったナナ。
剛田光が最後のお願いに一目惚れした女神様に告白し、奇跡的に上手くいき、二人は次の人生で一緒になる約束をし生まれ変わった。
ありえねぇ~!展開だが、二人が成長し、力を蓄えたらある事を必ずしなければならない。
あ、結婚とかじゃないですよ。
この世界にいる魔王を………討伐じゃなく、魔王と友達にならなくてはいけない。必ず。
しかもその魔王は今引きこもり絶賛中。(なぜかはわからない。)
魔王城の自室に閉じ籠り、一切外には出ようとしない、困ったちゃんな魔王なのです。
実は、魔王から放たれる瘴気や魔力が魔物を生み、この世界に魔物や魔獣を供給していましたが、今魔王は引きこもり中。
実は、この世界では、魔物の肉が、この世界には肉と言えば魔物の肉しかないのです。
(魚貝類はあります。)
地球のように、ブダや牛、羊や鶏などの生き物を養殖すると言う事が無いこの世界。(ちなみに、牛や豚、羊や鶏に似た魔物はいるが、養殖が出来ない。それは相手が魔物だから。)
よって、肉と言えば、魔物の肉。となります。
だが、魔王の瘴気と魔力少なくなり、魔物の数が減る一方。このままでは人類が滅亡してしまう。だから、異世界から勇者?じゃないけどいかにも魔王と友達になれそうな人物を召喚して、この世界を助けてもらう!と考えていた少し抜けてる女神様が違う人物を召喚してしまった。そんな女神様の失敗で今にいたる訳です。
『なに、上のながったらしい説明は?しかも、少し抜けてるって、何処が抜けてるのよ!』
『まぁ、まぁ、ナナ。落ち着いて。それより何か用事があったんじゃないの?』
『あ、忘れてたわ。ヒカル、あなた、もう前世の記憶は思い出したの?』
『うん、えーと、ナナがこの前帰ったあとだから………3日前だね。』
『だったら、さっさと教えなさいよ!』
『ごめん、ごめん。色々と今の自分と前世の自分を整理していて。』
『なに、その整理って。』
『あ、あのね。前世の記憶を思い出した時に、今の自分の考えや記憶と前世の自分の記憶が混ざって少し混乱してたんだ。でも今はもう大丈夫だよ。』
『じゃあ、さっきなんで私が念話した時に返事がなかったの?』
『ごめんね。ほら、今日の侯爵様の話で家族で話し合ってたから。』
『そうなんだ。で、何の話をしてたのかしら。』
『…………実はね、僕がナナと結婚するのは……そのう、世間体がとか、この話は普通長男に最初にとか、なぜお前じゃなきゃダメなんだとか………色々ね。』
『なにそれ!ちょっとヒカル!それを黙って聞いてただけなの?何か言ってくれたの?』
『ナナ、ムリ言うなよ。家の兄妹をしっているだろ。』
『そんなの関係ないわ!あれだけおじさまの前でヒカルと結婚するって言ったのにバカにしているわ!』
『ナナ、ありがとう。』
『ヒカル、なんでそこで「ありがとう」なんて言葉がでるのよ。』
『だって、僕の代わりにナナが怒ってくれているから。』
『ヒカル…………でも、やっぱり許せないわ。』
『ナナ、落ち着いて。最後はちゃんと話がまとまったから。』
『どんな風にまとまったのかしら。』
『だから、僕とナナが将来結婚する事だよ。』
『ヒカル、あともう1つやらなければならない事があるわ。』
『あ、魔王と友達になる。だよね。』
『そう、私達が成人したら、魔王に会いに行くわよ。』
『ねぇ、ナナ。魔王って…………魔王城って何処にあるか知ってるの?』
『…………知らないわ。』
まだ、3才の二人。の会話とは思えないな。
成人するまであと12年。
頑張って下さい。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
前回も誤字が酷くてすみませんでした。
誤字の修正と、セリフを少しだけ変更しました。