第29話 やっと終わった会議。
今回は区切りが悪く、2話分の更新になりました。
2月24日、誤字の修正とセリフなどを変更しました。
「ナナっ!いい加減にしないかっ!陛下をこれ以上侮辱するのは我慢できなぞ!」
元はどこにでもいる普通の高校生だったから、国王とは国の代表で一番偉い人と思っているから、いくら女神だからってバカにして遊ぶのは…………しかも俺達は今7才の子供なんだから。
「あ、いや、ヒカル君。私は別に何とも思ってはいなから気にするな。」
心が広く優しい国王で良かった。
もし他の貴族や大臣達が聞いていたら「不敬だっ!」って言われて何があるかわかったもんじゃない。……………ったく、ナナの奴め。
「いえ、言わせて頂きます。ナナは陛下で遊んで・・・・あ、陛下大変失礼しました。」
「そうそうヒカル、私達はまだ子供だから大丈夫よ。」
まだ言うのかよ!
「いや、気にするな。」
本当に優しい王様だ。
「ヒカル、あなた何が言いたいの?」
何がって色々だよっ!
「結婚の話はいいとして、なんんで肝心の魔王の話をちゃんとしないんだ。」
「あら、最後にちゃんとお話はしましたけど。」
「ヒカル君、ちょっと待ってくれ。」
「はい、何でしょうか陛下。」
「ヒカル君。魔王が復活するって言う話は本当の事なかっ!」
「はい、そうです。陛下の仰る通りです。」
「それはいつ頃復活すかわかるのか。」
「それは……………僕達が20歳になる前後だと思います。だからあと13年後ぐらいになると思います。」
「そうか。ナナ君。魔王が復活する場所や、もし魔王が復活した場合の被害とかもわかるか?」
「場所は大体分かっています。それから魔王が復活した事により起きる被害は、最悪この世界の滅亡しか………………しかしそれはヒカルの活躍しだいになります。」
「「はっ?」」
もう、国王とハモり隊結成してメジャーデビューしようかな。
グスン。
「ナナ君、ヒカル君しだいとは一体どう言う事なんだ。詳しく教えてもらえないか?」
「…………クスッ。さて、どうしましょうか。」
このクソ女神様め!後でくすぐりの刑の他に…………お尻ペンペンの刑だな。……………ぐふふふふ。
「ヒカル、そんなイヤらしい事考えてないであなたも話に参加しなさい。」
な、なぜバレた!クッソッ!
「へ、陛下ほんの少しだけお見苦しい所をお見せする事をお許し下さい。」
「あ、あぁ。」
「ナナっ!お前さっきから黙って聞いていれば、肝心要の事を簡単には済ませて。そればかりか、何がパレードだよ!僕は伯爵家を継ぐからそれに見合った結婚式をすればいいだろう?陛下もただの中級貴族の仲人なんて嫌に決まってるだろ。」
ひたすらナナの頭をポカポカ叩いた。
「ちょ、止めて。話を聞いてよ。……………ヒカル、あなたは間違っていますわ。」
「何が違うんだ!」
「ヒカル、あなたは私の侯爵家に婿入りするのです。これは両家で決めた事なのです。」
「?…………僕はそんな話、聞いてないよ。」
「それから、私の侯爵家の領地とヒカルの伯爵家の領地は隣同士なので、この二つの領地は一つになります。そうでよね、陛下。」
「そうだな。ちゃんと二人が結婚した場合、そうなる。そして領地が広くなったら、侯爵、伯爵ではなく、ヒカル君には公爵になってもらう予定だ。」
「…………………僕の知らない所で話が勝手に進んでるのですね。しかし、陛下、公爵は王族のみの爵位なはずです。」
「そうだな。確かにヒカル君の言う通りだが、ナナ君や聖女様が女神様だとわかったからには、そんな低い地位に置いておく訳にはいかない。ただ、これらの事実を隠しながら皆を納得させるのは大変なの事は確かだ。なんにせよ、この国には二人も女神様が居てくださるのに、その存在を隠しながらの説得だからな。」
「陛下、大丈夫でございます。ヒカルが必ずこの世界を救う為に力を発揮しますので。…………多分?」
な、なんで疑問形?
「なるほど。それがさっき話に出た魔王に繋がるのだな。」
「はい、そのとおりでございます。この世界は、人間、亜人、獣人、魔族、エルフ、ドワーフ、竜人など沢山の種族がいるのに争いと言えば、ただのケンカ程度で戦争も無く、種族差別もないすばらしい世界だと思います。それを魔王が復活してしまうと…………」
「今までみたいに、みんなが仲良く暮らす事が出来ないと言う訳だな。」
「はい。そこで勇者…………じゃなく伯爵家の長男が魔王を…………」
ナナ、今勇者って言わなかった?
「ヒカル君が、上手く魔王を討伐したら誰も文句が言えず勇者…………公爵に出来ると言う訳だな。」
はい、確かに聞こえました。勇者って。
「はい、その通りです。もし上手く魔王の完全復活を止めた場合は、ヒカルは勇者………ヒカルは公爵として、陛下に強力な戦力が揃います。…………そうなれば他国から…………ふっふふふふ。」
俺にはナナが魔王に見えてきた。
「では、これからはこの四人による毎月一回会議を行うとしよう。」
「はい、わかりました。」
「私はナナ様に着いていきます。」
変態聖女は、国王の言葉なんてどうでもいいらしい。
「わ、わかりました。では、毎月決まった日にしませんか。……………例えば第一月曜日とか。」
「ヒカル、なぜ月曜日なのかしら。私は金曜日の方がいいと思います。」
「うーん、どうしたものか。……………………よし、木曜日にしよう。」
「陛下、なぜですか?」
「うん、まず金曜日だが、土曜日と日曜日は基本公務の者や学園などが休日になる。すると社交シーズンや祝い事、他国からの使者や大物貴族や王族の来賓などが、ほぼ金曜日の夕方から来るのが習慣化しているんだ。こちらでは歓待しなくてはならないので、金曜日、土曜日、日曜日は、食事会やパーティー。お茶会などで、一年の内約す半分が休みが消えてしまうのだ。そして疲れた状態での月曜日は却下と言う事だ。だから木曜日にしようと思う。しかも事前になにかあれば、その食事会やパーティーの時に情報も入るだろうからな。」
「わかりました。陛下の木曜日に私もです賛成します。」
「あ、私もでナナ様と一緒で木曜日がいいと思います。」
くそっ!ナナの奴。そんなにイケメンがいいか?
国王は若返ったせいで、凄い体格とめちゃめちゃイケメンになってるし。
だいたい、木曜日は一応俺も考えたが、それだと情報交換するには遅い。
お茶会や食事会やパーティーなどで得た情報はすぐに共用して、その情報が確かなのかを直ぐに確かめる事ができそる。
それから、そんな来賓が多いのなら、俺が鑑定のスキルを使って怪しい人物や犯罪者など事前に捕まえる事もできるのに。
それが例え他国の王様であってもだ。
しかし………今国王に逆らうのは得策ではない。
「ヒカル君は木曜日だとダメな理由でもあるのかな。」
「いえ、陛下のおっしゃる通りで大丈夫です。木曜日にしましょう。でもいつの木曜日にしますか?」
「それは考えている。毎月第一木曜日の午後1時から始める。」
なにか引っかかる…………
「では、私からの話は以上だ。誰か他にとかは質問はないか?」
「あ、私から少しだけ。陛下に対して私からヒカル程ではありませんが、加護をつけました。あとルルからもです。」
「ほ、本当に?」
「はい。…………ほかの人には絶対に知られないようにして下さい。おそらく陛下の若い頃よりはるかにステータスが上がっていると思いますので。」
「承知した。私のステータスの確認は次の会議の時まで控えよう。」
うーん、国王のステータス、興味あるな。見てみるか?
「それから、私の城の部屋をナナ君の家のこの部屋のように………いや、もっと凄く、そう、例え魔王が攻めこんで来ても大丈夫な部屋を作るとする。だから次回の会議から城で行う。ヒカル君とナナ君にはあとでどの部屋にでも入れる許可書を渡す。」
おっと、ナイスな情報だ。
「陛下、それは宮殿秘蔵の書庫にも入れますか?」
「ヒカル君は頭がいいのに、まだ何かを知りたいのか。はっははははは。かまわないよ。厨房でも息子や娘の部屋でも大丈夫だ。」
「ヒカル、良かったね。」
は、はい。よ、良かったです。
王様、娘の話は余計です。ナナが怖い顔をしてます。
「陛下、書庫にどれだけ古い本があるのかが楽しみです。そ、れで、会議が無い日でも書庫に入って大丈夫でしょうか。」
「ヒカル君とナナ君ならいつでも歓迎するぞ。………それから、聖女様はこれから宮殿の地下に新しく部屋を作りますので、それまではナナ君の所で…………」
「はい、お任せ下さい。ルルは私が必ず守ります。」
「そうか、そうか。良かった。これで、後は魔王の事だけだな。では、今日はもう遅くなってしまったから話はここまでにするか。」
やっと、やっと終わる。今何時だ?
ステータスオープン。ってまだ見られないか。
ブゥーン。
「え?」
目の前にステータスが、ゲームのようにステータスが見えた。
あ、もう23時か…………いやいや、違うだろう。ステータスは成人の儀式が終わらないと自分で見る事ができないはず!
そ、それより…………
「では陛下、今日はありがとうございました。」
「では、次回は2週間後だな。それまでには聖女様の部屋と私の隣の部屋の改装を終わらせよう。では、これで失礼する。」
俺達3人は片膝ををついてあたまを下げ、国王が部屋から出るまでそのままだった……
「ちょっと待て。お前は誰だ。なぜこの部屋から出てきた。ここは陛下と他に…………」
パタンッ。
扉が締まり、部屋の外で警護していた騎士に若返った国王が尋問を受けていたが………部屋の扉が閉まった瞬間話声が聞こえなくなった。
この部屋、カラオケボックスの部屋の何倍も凄い!
そのあと国王がどうなったかを知ったのは、以外とはやかった。
「なぁ、ナナを。結婚式やパレードとかはいいとして…………」
「ヒカル!結婚式やパレードをバカにしてませんか?」
いや、俺的には式はいいとして、パレードなんかまっぴらごめんだけどね。
「いや、そう言う事じゃなくて………」
「結婚は女の子にとって憧れなのです。」
男はよく結婚は墓場とか言うけど。
「それに、一生に一度の大イベント!」
いや、何回も離婚して、何回も結婚する人も世の中にはいると思うけどね。
「私にとっては5万年目にしてやっとつかむ幸せ!」
え?ナナって5万歳なの?
女神様ってある意味詐欺だぁ~!
「それをヒカルは、なんですか、そのやる気の無い態度は?」
いや、今俺達7才だから。
結婚なんて現実味が無いって言うか、なんて言うか…………
「ねぇ、ナナ。僕達はまだ7才なんたよ?こんなに若くに結婚が決まったからからって、そんなにまで盛り上がる7才児はいないと思うよ。…………うん。いないと思うよ。」
ったく。それより速く魔王と友達になる方法を考えたいよ。
あと、魔法も色々覚えて、体作りもして……俺はナナやルルと違って人間だから、死なないように鍛えないと。
「あら、ヒカルには言わなかったかしら。ヒカルは病気や老衰で死ぬ事はありませんわ。」
「ヘェー、死なないんだ。………………えぇぇぇぇぇぇぇぇ?」
「剣や槍などで心臓を刺されても、首を跳ねれてもちゃんと生き返るから大丈夫よ。」
うわぁぁぁぁぁぁ!いつの間にかそんな人外に?
どうやら、地球では簡単に?(あまり覚えていない。事故にあった瞬間だけ覚えてる。)死んだくせに、こちらの世界では絶対に死なないらしい。
「ぼ、僕は人だ。ただの人間だ………」
女神ナナのとんでも発表により、今日は精神的に酷く疲れた。
ビール。じゃなく、ヒール。
ダメだ。精神的に疲れたのにヒールが効かないとは。
「さぁ、ヒカル、ルル私の部屋に行くわよ。」
「は、はい!」
変態め!
「え?ちょっと待って。な、なんで僕までが。僕は家に帰るよ。」
「こんな夜中に?」
そうか。もう、夜中か。
はぁ。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
今回は2話分書いたので誤字があると思います。
誤字報告があれば凄く助かります。
よろしくお願いします。