第2話 ちゃんと起きて下さい。
気がつくと、横になって寝ていた。
「あ~、今から手術でもするのかぁ。てか、いつの間に病院に?」
周りは白一色。
「眠い。麻酔でもされたのか。」
段々と意識が遠退いていく。
………ん
…………………さん
「ん、まだ麻酔がきいてないのか?」
……………光さん
「は、はい?」
(麻酔が効いているか、医者かもしくは看護師にでも確認の為に声をかけられたのか。)
……………剛田光さん
「な、なんでしょう?」
(な、なんか違う。てか、声が裏返ってるし。)
起きて下さい。剛田光さん。
「いや、けが人にそれは…………」
(意味がわからん。俺多分重症なんだよ。)
剛田光さん。起きて下さい。
(何、この機械じみたやりとりは。一体誰だ。)
剛田光さん、起きて下さい。
「はい、起きてますよ。」
若干イラついた感じで返事をしてみた。
剛田光さん、ちゃんと起きて下さい。
「は?何いってるんですか?俺は大ケガをしてるんですよ。起きれる訳ないじゃないですか!」
さすがに怒りが頂点に達しそうだ。
剛田光さん、大丈夫ですからちゃんと起きて下さい。
「…………………てか、あんたは誰なんだよ!」
ヤバい。久々にケンカになりそうな感じになってきた。
剛田光さん、体はもう大丈夫ですから、ちゃんと起きて下さい。
「…………………いやだ!何で起きなくちゃいけないんだ?俺は今眠いの。だから寝かせてくれ。」
剛田光さん、お話があります。だからちゃんと起きて下さい。
「お前はそれしか言えないのかよ!」
ちゃんと起きて下さい。ばっか。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
前回の話の誤字は修正しました。
一部セリフも追加しました。
また誤字などありましたら華麗にスルーしてお読み下さい。