第15話 いよいよ能力テスト4
2019年2月5日に修正しました。
ナナに睨まれながら、暑くもないのに、額から一筋の汗が流れた。
「で、あなた方2人は何者なのですか。」
「え、何者ってなんですか。」
「惚けないで。この能力評価はとても7歳の子供が出る数字ではありません。それこそ神様か女神様でもないかぎり。」
はい、すみません。半分正解です。
「学園長、それは私達に神様や女神様じゃないかとおしゃりたいのかしら。」
「えぇ、その通り。神様や女神様ではなければ何者かと思いまして、こうして話を聞いている訳です。」
「学園長、私達は神様でも女神様でもありませんわ(嘘)。普通の貴族の子供(これは本当)ですわ。それはお調べになればおわかりになる事ですわ。」
学園長が後ろに立っているバーコードどコソコソと話をしてしている。しかし、俺とナナには丸聞こえだった。
(学園長、あの2人は確かに侯爵家と伯爵家のご子息とご息女です。)
(それは確かなの?)
(はい。間違いありません。2人共養子ではなく、実子なのは確認が取れています。)
(そう、わかったわ。)
いつの間にそんな事確認したんだよ。
「では、2人には悪いのだけど、もう一度ここで能力測定をしてもらえるかしら。」
「それはかまいませんが。」
「ちょっと、その前に私達を疑った事に対しての謝罪はないのかしら。」
あ、ナナがキレそう。
「そうね、あなた達を悪魔や魔族と疑ってごめなさいね。」
「なっ!」
「私達が悪魔ですって!どういう事なのかしら?」
ヤバいナナがキレた…………どうする俺?
「では、正直に話ましょう。…………実は過去に人間として入学しようとした魔族や悪魔がいました。」
そんな話は聞いていない。本当なのだろうか?
「それで私達が魔族や悪魔だと?心外ですわ。」
ナナの言う通りだ。俺は憤慨だ。
「能力テストの時には、必ず始めに能力測定をやる事になっています。そこでその時出した数値が当時の魔族や悪魔達に似ていたのです。ただ、2人の数値の方が考えられない程高いのですがね。」
あぁ、魔族や、悪魔の時より高い数値を出したらそれは警戒心も高くなるな。
でも、なぜ魔族や悪魔が人間の振りをして入学をしようとしたのかが謎だな。
「それで、その魔族や悪魔はその後どうなったのかしら。」
あ、確かに。そんな能力の高い奴が、いたら太刀打ちできないじゃないか。
「それは言う事はできません。」
「それは、もしかしたら僕達が魔族や悪魔かも………ですか。」
「えぇ、その通りよ。」
「な、なによっ!私は正真正銘のめ………」
「ナナっ!」
ナナの奴、何を言い出すんだよ。ったく、本当に短気なんだから。そんな事言い出したらもっと大変になるのに。キレたナナは本当にポンコツ女神になるな。称号に短気女神とな無いのかな。
「正真正銘のなんですか?」
「はい、僕達は正真正銘の貴族の子供です。ほらナナ落ち着いて。」
「だって、ヒカルはこんな酷い事言われて悔しくないの?」
「ナナ、わかってるから。だから落ち着こう。」
キレたナナを落ち着かせるのは大変なんだから、学園長もいい加減挑発するのは止めて…………あぁ、そうか。これも魔族か悪魔かを確かめる為にテストをしているんだな。
「学園長、そろそろ。」
石板が俺達の前に用意された。がなぜか布が被されている。
「ではもう一度、能力測定してもらいます。いいですね。」
「はい。」
「……………」
「ナナ。そんなに怒らないで。世界中でナナの事を一番知ってるのは僕1人だけなんだら。それでも不満かい?」
うわっ!自分で言ってて鳥肌が立った。
「うん、そうね。わかったわ。」
ふぅ。これ、7歳児の会話かな?
「では、準備はいいですか?先ほど同じように両手を石板の上に置いて、一瞬だけ魔力を全力で流して下さい。いいですか、一瞬ですからね。」
念を押された。この石板を壊されたくないんだな。
「はい。」
「…………はい。」
「では、まずヒカル君からお願いします。」
学園長が目の前にある石板に被さっていた布を取った。
そこにある石板は、さっき見た石板と明らかに違っていた。
石板なのに光輝いて色は真っ白だ。
恐る恐る石板に両手を置いて、一瞬だけ魔力を流した。
今度は石板が割れる事はなかった。……………ふぅ。
すると今度は石板にさっき出た数値が浮かび上がった。
すると学園長がすかさず石板の上に紙を置いた。
すると石板の上に置いた紙に数字が浮かび上がってきた。
(まるでコピー機だな。)
学園長は石板の上にある紙を取り、まじまじと見ていた。
はぁ、今度は何を言われるのかな?
わかしました。あなた方は魔王ですね。とか言われたり。
学園長は何も言わなかった。
「では、次はナナさん。お願いします。」
ナナは若干むうっ!とした顔をしながら、石板に両手を置いて魔力を一瞬だけ流して両手を石板から離した。
学園長はまた石板の上に紙を置いた。
少ししてから石板の上の紙を取り出し、やはりまじまじと見ていた。
恐らく内容は同じだと思う。なぜならナナが何も言わないし、何もしないからだ。
さぁ、学園長から半ケツ………じゃなく判決を言い渡される時間かな。
「では、…………………」
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