第12話 いよいよ能力テスト 1
さっさと学力テストを終わらせようと、急いで解答欄を埋め、答案用紙を出す為に席を立った。
しかし、ほぼ同時に、いや確実に狙っていたかのように席を立った人物は……………Oh~No~女神様~!あなたは何を考えてるいるのですかっ!あなたは神様を信じますか?って、女神様だぁ~!
1人でボケて1人で突っ込みを入れる程、ビックリした。
そんな同時に答案用紙を出す為に立ち上がったら、いかにもカンニングしあったみたいに思われますよ!………多分。
あ、でも席はみんな二人分離れてるから大丈夫かな。…………これで疑われて納得してもらえなかったら文句を言わず、再試験でも、1人で先生達に監視されながらで もまたテストを受ければいい事だ。うん、それでいいか。
……………問答無用で不合格になったりしないよね。………ちょっと不安になった。
周りの新入生達が一瞬ざわついた。
「ざわ、ざわ、ざわ。」
えっ?これってカ○ジ?
スタ、スタ、スタ。と先に歩き出すナナ。
あ~っ!色々考え事をしてたら、ナナに先を越された。
しかし、ここは普段鍛えた体術で、シュッ!
縮地で。
あっ!と言う間にナナの前に。
「ふっ、買ったぜ。」
バシッ!
後ろからナナにおもっきり頭を叩かれた。
「い、いってぇ~!ナナ一体何を…………」
頭を抱えてしゃがんでいる時にナナが「ニヤッ」とし、先に答案用紙を出された。
や、やられた。
俺は立ち上がり、渋々、ナナの後に答案用紙を出した。
そして、二人で一緒に外に出ようとした瞬間、教師?らしき人物二人に声をかけらた。
「そこの、二人。少し待ちなさい。もうテストは終わったの?」
「はい、そうですが?」
「…………………」
ナナ、なんか言えよ。
「二人同時に、しかもこんな短時間にテストを終わらせたって事は、二人して何かしたのかな?それともあきらめたのかな?」
「いえ、何もしてませんし諦めた訳でも…………」
「………………………」
ナナ、なんか言え。
「そんな事、絶対にあり得ないのだよ。問題は30問。1問につき1分で終わらせた事になる。そんな事出来た新入生は今までいなかったのだか。」
「はぁ、そうですか。」
「………………………」
ナナの卑怯者め。俺1人に対応させて。
先生?が激昂する。
「考えられるのは、テストが嫌で諦めたか、解答欄に適当に答えを書いたか、カンニングしたか………まぁ、カンニング行為は出来ないはずだからいいとしても、こんな難しい問題をたった30分で終わらせられる程、簡単に解けるテストではないのだが。それに2人同時に。って言うのが一番おかしい。」
あ、新入生には絶対に解くことが出来ない問題を作った訳だ。
何の為に?
それに、同時に終わったのは俺もビックリしたのだが。
「そう言われましても。答えはちゃんと書きましたし、同時に終わったのは、僕もビックリしています。」
「………………………」
ちくしょ~!ナナぁ~!
「君、彼らの答案用紙を持ってきてくれないか?」
「はい。すぐに。」
何か変な展開になってきたぞ。
「はぁ、はぁ。はい、この2枚です。」
1人の先生?が急いで俺達が提出した答案用紙を、ちょっと偉そうな先生?に渡した。
そして持ってきた2枚の答案用紙をじっくりと見る2人の教師?
少しの間のあと……………
「し、信じられん。」
「私もビックリです。」
「2人とも申し訳なかった。」
と言って二人は頭を下げて謝罪した。
この体育館のような建物は、体育の授業、それに格闘技の授業や魔法の授業で使う以外、学年別に合同テストを行う場所でもあるらしので、カンニングやその他の不正行為は、強力な結界と魔法、魔道具等の監視によりほぼ不正行為が出来ないようになっている、(格闘技や魔法のテストにも対応している。)実は立派な建物だった。
仮に戦争や災害が起きた時の避難場所でもあった。(内側から強力な結界を張ってあるため。)
「じゃあ、もう行っていいですか?」
「あぁ、二人共。本当にすまなかった。」
やはり不正は出来ない場所だから、先生にちゃんと謝罪された。
「もういいですよ。本当にごめんなさい。」
2人の先生?が改めて謝罪した後、ナナと一緒にテスト会場を後にした。
「…………本当にくだらないですわ。」
お前は悪役令嬢でも目指しているのかっ!
「ナナ、行こう。」
「はい、ヒカル。」
その後、校舎と校舎の真ん中に中庭があって、いくつかあるベンチに2人は座った。
この後の能力テストの事についてナナと話をするところだった。
「ねぇ、ナナ。能力テストの事なんだけど、どう対処したらいいかな?」
「それはヒカルに任せますわ。」
「じゃあ、ナナはどうすの?」
「私ですか?……………面白そうだから全力で……………」
ヒカルがナナの言葉を被せる。
「ナナが全力出したら、この世界が無くなっちゃうよ!」
「ヒカル。それは言い過ぎですわ。第一そんな事は絶対にしませんわ。………それでも私は全力でやりますわ。後々、クラスの人達になめられないように、ガツンと、………ね。」
「ナナ、この世界を壊さないと約束してね。絶対に!」
「ヒカル、私を誰だと思ってるのかしら。」
「え、ナナは俺のお嫁さん、」
「ヒカル……………わかっていればいいのだけれど、でもこれからクラスメイトになる人達やその他の女の人達には、ちゃんと私と言う婚約者がいる事を話してね。」
「え、そんなの当たり前だろう。まぁ、でもいちいち言いふらす程でもないけど、ちゃんと話すよ。」
「ヒカル、あなた自分の事を全くわかっていませんわ。」
「自分の事? なにがどうわかっていないの?」
「まぁ、今は7才ですから…………でも、あと4~5年後には、ヒカル、あなたの周囲にいる女の子達が、必死になってヒカルを奪いあう程モテまくりの人生が待っていますわ。これは私、女神の加護の影響もありますが。」
「ガーン。な、なんだ。女神様の加護でモテるんだ。僕自身や中身じゃなく加護のせいなんだ。……………わかったよ。これからは気を付けるね。」
「そうして下さい。私は第2夫人とか第3夫人とかは嫌ですから。あ、でも、側室なら何人でも構いませんわ。」
「第2夫人とかがダメで、側室なら何人でもいいとか、意味が分からないよ。」
「ヒカルの奥さまは私1人だけ。結婚するのも私1人だけ。私はヒカルに永遠の愛を誓うわ。」
「ナナ、僕もだよ。ただ、側室の話はまだ早いよ。」
「……………そのうちにわかりますわ。」
「あ、そうだ。能力テスト。僕はどうしよう…………ナナが本気を出すなら、僕も本気だしてみるよ。」
「みなさん、ヒカルの本気にビックリするわ。」
「いやいや、ナナの方がビックリされるよ。」
2人は、ベンチに座りながらウトウト仲良く手を繋いで、寄り添って、幸せそうに寝ていた。
えー、公園で恋人同士が語らいをただ聞いていただけのような。畜生目、リア充は爆発して下さい。
しかし、コイツらいつもいちゃラブしてこっちが恥ずかしくなってくる。
そしていつの間にか学力テスト終了のベルが鳴っていた。
「う。うん。ベルの音だ。………ナナ、学力テスト終わったみたいだよ。次のテスト場所に行こうか。」
ヒカルはナナを優しく起こす。(これには理由がある。それはたまの機会に。)
「うーん、私まだ眠いですわ。
」
「ほれ、もう十分寝ただろう。まったくしょうがない奴だな。 」
ヒカルがナナの頭に手をかざして………
「ヒール」
「あら、私はったらこんな場所で眠ってしまって…………あ、ヒカル。あなたがいてくれたのね。」
「うん、それより学力テストが終わったみたいだから、早く次の場所に行こう。」
「そうね。」
二人は次のテスト会場、闘技場に向かった。
これは2人の恋愛物語では決してありません。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
能力テストの話は1話で終わらせる予定でしたが、学力テストを30分で終わらせた二人をただ待たせるのがもったいなく思い、話を追加したら、今回で収まりませんでした。
この作品の感想を是非お聞かせください。
期待しないで待っています。笑