はじめに
それは6万年前のまだ人類が密かに暮らしてきて居た頃。ヴィリアム・レム・シリアル率いる魔王軍150万とライト・ラム・アーサー率いる勇者軍30万の最終決戦の最中、150万居た魔王軍の軍は僅か10人に減らされ対する勇者軍は未だ1万人はいると言う。
「魔王ヴィリアム、もうお前は終わりだ!」
そんな声が闇を取り巻く魔王城の敷地の中で只々響いている。
そしてその闇が取り巻く世界には二つの影が見える。
勿論それは魔王と勇者である。
魔王軍の残り9人の親衛隊は勇者軍の親衛隊とその他剣士や魔術師などの者と相手をしている。
勇者の決め台詞と言う名の決め台詞が響き渡った後両者は沈黙する。そして数秒後笑い声が聞こえる。
「もう、もう終わりだと、ははははは。笑わしてくれる。じゃやってみろよはっはっはっはっはー。」
笑い声はずっと続く。
そして勇者はため息を一つ付き手を前に出す。
「伝説級勇者系武技魔力:我が元に皆の力を託せ」
この言葉と共に今までいなかった勇者軍の親衛隊5人が転移される。
これには魔王も驚きを隠せない。
そして5人から湯気のようなものが出てきその湯気のようなものが勇者に集まっていく。
勇者に集まった湯気は光を放ちはじめその光は勇者が前に出した手に魔法陣を描くように移動していった。
これはほんの1秒ちょっとの間の出来事。
魔法陣の円はどのくらいだろうか。
それほどまで大きい魔法陣だ。
この大きさからしてもこの魔法にはかなりの魔力が使われていることがわかる。
勇者の掛け声と同時に劔のようなものが
七色に光って魔王に向かってくる。
魔王はそれを受け止めるが威力が強すぎる。
「な、何というパワーそして高魔法なのだ…。」
これは決戦の中の決戦。
最終局面なのだ。これで魔王が耐えれば魔王軍の勝利、魔王が耐えれなければ勇者軍の勝利となるのだ。
「伝説級世界系超魔法:支配者の憂鬱」
闇の結界がが消え世界が少し明るくなったような気がした。しかし闇は消えたが魔王は徐々に勇者の放った劔を推していく。
そして___世界は終わった。
《全能力の見直しを開始します。》
《また魔法陣の能力により………》
③
ゴロゴロ、ガンッ、、ゴォォゴォ、、、パシンッ
ヒィブゥルブル、フンッー。
心地の良い風があたる。
目を開けなくとも周りの状況がわかる。
探知能力のおかげだ。
(人族が3人か、、。)
そんなことを思いながら目を開く。
想定していた通り馬車の中にいる。
「おっ、目覚めかい。滝の下で倒れておったからの、そこの坊主が助けたってわけじゃい。」
「いまいちわからんのだが、取り上げず今は何月だ?えーっと51年12月だから52年にはもうなっているのか?」
取り敢えず自分がいつまで気を失っていたかを知りたかった。
遅くなれば配下の者達が心配だ。
「51年?なんじゃその年号は。今は6-150年じゃよ。」
「6?」
「あ?お主年号もわからんのか?6万年って事じゃよ。」
「……。嘘だろ?」
「本当じゃ」