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我慢の花と死神【その1】
ー長い【夢】を見ていた気がした。
ここは何処なのだろう。
そんなことすら考えられない程、頭がぼうっとしていて
そして、何故か心地よかった。
あれは、夏だった。
幼い頃、野山を駆け回った夏だった。
「ナトくんっ!レンくんっ!!」
私達3人は真っ赤になった。
【貴女は現世へ戻らなくてはなりません。】
女の人の声がする。
【ぼ、僕は、アヤちゃんと一緒にいたいんだ!】
【でも、わるものになんかなりたくないよ。】
男の子の声がする。
ふと、浮く感覚がした。