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第一幕 {プロローグ3}

やっとこさ投稿なのさー


もうすぐ年が明けますねー

皆さんはどんな年だったのかな?


2011/12/31 誤字脱字訂正しました。


では少し短いですがどうぞ!





エリックに引っ張られて付いていった先に在ったものは図書館だ。

かなり広い部屋に所狭しと本棚が並べられ、そこには数え切れないほどある本が収納されていた。

ジャンルだけでも様々なものがあったがやはり一番に目に付いたものは魔道書、所謂魔法の本について書かれている本だった。


「春臣に見てほしかったのはここの本だよ。

外に出るならやっぱり自衛位できないとだし、幸い春臣は魔法の適正があるわけだしね。

ここにある本でがんばって勉強しようか!」


「エリックさん、いくらなんでもこれだけの本を勉強するのはちょっと…」


「大丈夫、ここにあるのはそのほとんどが専門書だから。

初心者本なんて片手で数えれる範囲しかないよ。」


そう言いながらエリックが手に取った本にはわかりすぎる魔法の本 初級編と書かれているものだった。

激しく地雷臭が漂うようなタイトルの本ではあったが、エリックが出すのなら問題ないのだろうとそれを素直に受け取る。


「初級だけだとすぐ終わるだろうから中級の下巻まで借りていこうか」


エリックは軽々と中級の上下巻を二冊とり手渡す。

一冊が10センチほどの本の重みは今すぐにでも捨てたいほどのものだったが、これが自分の命綱とも言えるものなので気軽に捨てるわけにはいかなかった。

その3冊を借りて部屋に戻り、勉強に取り掛かるとエリックはそそくさとどこかに行ってしまった。


本を読み進めると魔法の発動には幾つかの種類があるということがわかった。

一つは紙や地面などに直接魔方陣を書いて発動するもの(サークルモーション)。

二つ目に杖などの魔力媒体を用いて空中に魔法陣を描き発動するもの(スティックモーション)。

三つ目にイメージとして不安定にはなるが、自分自身の心の中に魔方陣を描き発動するもの(セルフモーション)。

四つ目に指輪を媒体に魔力をこめた言葉で魔方陣を言葉として詠唱し発動するもの(トークモーション)。


自分にできるものは二つ目の杖を使うもの以外である。


それぞれの利点をあげていこうと思う。


サークルモーションで最も大きい利点として挙げられるものは事前に用意しておけるという点である。

その代わり紙にこめれることのできる魔力量は限界地が低いので、威力に制限がかかったりキャパシティを超える魔術は発動できないということ。

しかし、発動の速度は最速で非常に汎用性が高いものである。

また、魔法陣が描いてあれば魔力を流すだけで発動できるので、描いた本人でなくとも発動することができる。

魔方陣の描いた紙を魔術符というのだが、これは一般の市場にもよく出回っているようだ。


スティックモーションの最も大きな利点はそのバランス性があげられる。

威力は中程度で速度も中速ではあるが、臨機応変に対応ができる上に魔方陣を描くためのキャパシティの制限がほぼ無く、これをメインに魔法使いが最も多い。

ただデメリットとして中途半端になりがちということもある。


セルフモーションはその秘匿性にある。

このモーションは道具、詠唱、魔方陣のすべてが自分の中で行われるため魔法の発動した瞬間にしか他の者に見えないのである。

四つの中で一番の曲者はこれであり、最も使用者が少ないのもこれである。

その理由は他の何よりも発動において不安定になりがちなのである。

また魔方陣を描けるキャパシティ、威力、発動速度は人それぞれ違っており、才能に左右される部分がある。

しかし、そこさえクリアできてしまえば一番の利便性を発揮するだろう。


最後のトークモーションは発動中自分の行動が制限されないところや威力の高さが大きな利点である。

四つのうちで速度が最低なものの、威力が一番高くキャパシティ制限が無い。

しかし、言葉に魔力を乗せる部分が一番難しく才能に左右されてしまう部分がある。

さらには詠唱中に下手をすれば相手に発動する魔法がばれかねないという一番の問題を抱えている。


いろいろ考慮したうえで一番学びやすそうなものはサークルモーションであるようなので、まずはここからはじめようと思う。

理想系としてはサークルモーションで牽制しつつ、トークモーションかセルフモーションでけりをつけるというスタイルを目指したい。

まぁ、ここで自分の弱い頭を使って理屈をこねるよりも行動したほうがよさそうなのでまずは学ぶことからはじめる。


まず必要なのは魔力の操作なのだ。

これができなければまったくといっていいほど意味が無く、いくら魔力量が多かろうと宝の持ち腐れなのだ。

本に書いてあるのを見ると魔力はどこにでもありふれている力で、魔力量とはその人が貯蔵しておける最大の量らしい。

空中には大量の魔素と呼ばれるものが浮かんでおり、それを体内に取り込むことで魔力を生産し貯蔵するようだ。

魔法の発動をわかりやすく説明すれば、魔力が電気で魔方陣が回路なのである。


魔力を感じるために目を閉じてゆっくりと意識を体内に向ける。

思えば向こうの世界にいたときは毎日が忙しくこうして自分の体としっかり向き合うことは無かったように思う。

ずうっと自分自身の体に意識を向けていると吸い込んだ空気の味や心臓の鼓動や脈打つ血管、血の流れを感じる


そうやっていると自然と自分が周りから浮いているような感覚にとらわれる。

ぼうっとした感覚に身を委ねて、ひたすら無心でいると自分の中に新しい感覚が生まれた。

心臓の鼓動や血液の流れとはまた違った、冷えた空気のようなものが体を駆け巡っているようなものだ。

今度はそいつに意識を向け駆け巡るさまを感じていると段々とそれが暖かくなってきた。


おそらくこれが魔素と呼ばれるものなんだろうなと思い追いかけていると、魔素の通り道に一際暖かい場所があった。

丁度鳩尾と呼ばれる場所の少しずれた奥のほうなのだが、何か結晶のような物があるように思う。

その結晶の周りにはおそらく魔力であろう温かい血液のようなもがそこを這う様に渦巻いていた。

そして、それをすうっと手のひらのほうに引っ張るように意識するとイメージどおりに進んでくれる。

魔力を手のひらに出し、クルクルとまわし遊んでみると思いのままに動いてくれる。

ふと目を閉じていることに気が付き開けて魔力を見てみたい衝動に駆られたので、ゆっくりと目を開けるとうっすらと水色に光る魔力があった。

あまりの感動に集中が解けてしまったのかそれは霧散してしまう。


少し寂しく思いつつももう一度、今度は目を開けながら試してみるとうまくいったようで、また手のひらで魔力で遊んでみる。

猫や犬などの動物の形を作って遊んでみるが、どれも不細工で自分の才能の無さに笑った。

こうやってゆっくりと遊ぶのもいつ振りなのだろうかと考えたが、どうにも答えは見つからず日本にいたときのことを思い出し、寂しくなってしまったことで魔力が空中に消えてしまった。

少し疲れたなと思い外に目を向けてみると薄暗くなっていた。


ずっと椅子の上に座っていたため体中が痛く、伸びをして体をほぐす。

テーブルのほうに目を向けると食事と手紙が置いてあったのだが、どうやらエリックが来ていた事にも気が付かなかったようだ。

手紙には夕食を置いておくと書かれており、食事が冷え切っているところを見る限り明け方のようだ。

いくらなんでも集中のし過ぎではないだろうかと考えつつ、皿に乗っている冷えた何かの肉を齧った。






あの後食事を終え、ベッドに身を預けて寝た。

そして今、エリックに起こされ簡単なレザーでできた防具をもらい装備したところである。

安らかに眠っているところにエリックが布団を引っぺがし起こした上に寝ぼけているところに口を開けられ、さらにはパンを突っ込まれ無理やり朝食を取らされた。

やっとのことで目を覚ました瞬間に防具を渡され装備するように言われ、装備してみるといやにぴったりとしたサイズの印象が残る防具という謎に包まれた。

いったい何時の間にサイズを測ったのかわからないが、貰えるものは貰う主義なので貰っておくことにする。

そのほかに少し大きめのナイフを二本貰い、それをレザーのジャケットのわき腹にあるナイフをしまう場所に挿す。


「さぁ、準備もできたようだし近くにある森へ狩りに行こうか」


「ちょっと待つんだエリック。

今狩りといったかな?一つだけ聞いときたいんだけど何をだい?」


「決まっているじゃあないか!魔物だよ!」


エリックの爽やかな笑顔に初めて明確な恐怖を覚えた瞬間だった。


「いやいや、まだ自衛の手段も整ってないし今回はパスしたいな」


明らかに危険すぎると踏み、断るつもりなのだがエリックは頑なに譲らず、結局のところ行くことになってしまった。

その決め手となったのが今後自分がどういう敵と戦うのか魔法をしっかりと学ぶ前に知っておく必要があるといわれたことだ。

当然のごとく森にはエリックが付いてきてくれ、浅いところまでしか入らず少し探索して帰るということなので譲歩することにした。


移動は馬車で行い、中でエリックに昨日の成果を見せている。


「春臣の魔力量ってすごいんだね。

僕だったらこの魔力濃度をこれだけの量外に出したら気絶しちゃうよ。」


「あれ?そうなの?てっきり光っているのが少ないからこんなものかと」


「違うよ普通はもっともっと薄めて使うしね。たとえばこれくらいかな」


そういってエリックは手を差し出して見せてくるが魔力があるようなと思わせる程度で視覚には移らなかった。


「なるほど、普通は魔力は見えないのか」


「そうそう、魔力を見えるほど出せるなんて中々いないよ。

しかもそのすごさを自覚せずに出すなんてもっといないよ。」


エリックは少しすねたような顔をしながらこちらも見てくるが、本人は特に気にしているようには見えず茶化すような感じだった。


「まぁ、僕は魔力に恵まれなかった代わりに気力にはそこそこ自身あるんだけどね」


そういいながらエリックは再び手のひらを差し出してきたのだが、今度は先ほどとは違いそこにはうっすらとした赤い光りがあった。


「これが気力?そんなものがあるんだ…」


魔力だけでなく気力まであるなんて、まるでゲームのようだなと思っているとエリックが説明してくれる。

魔力は自然にありふれているエネルギーだが気力は生命エネルギーなんだそうだ。

生命エネルギーといっても命を使うわけではなく、生物が生きているうえで発生するエネルギーなようだ。

生物なら大なり小なり持っており、気力は魔力と違いトレーニング次第ではその蓄積量を伸ばすこともできるそうだ。


「魔法使いは魔力を、戦士は気力を主に使って戦闘するんだよ。

まれにその両方を使う人もいるけど、そんな人は中々いないね。

で、僕は気力を使う戦士ということなのさ」


気力も魔力と扱いは似ているようでそれを視覚化できるほど放出したエリックは戦士としてはかなり優秀ということのようだ。


そんな新しい発見をしているとどうやら目的地に着いたようで馬車から降りる。

エリックは御者に待つように命令してから、装備を整え森には行った後の注意事項を教えてくれた。

とはいってもそれはそんなに多くなく基本的にエリックから離れず、知らないものには触れないようにといわれたくらいだ。

初めての冒険に心躍らせつつもエリックの後に続きゆっくりと森の中へと入っていった。






誤字脱字報告、感想、評価、などなど幅広くお待ちしてますー

特に感想はほしいかなぁ…誰かくれないかなぁ…[電柱]д ̄) チラッ

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