クリスマスプレゼント
パパとママと楽しいクリスマス。
ぼくは、クリスマスが大好きだった。
クリスマスにはいつも、手紙に書いた通りのプレゼントをサンタさんが届けてくれる。
今年もクリスマスが近ずいてきた。
でも、今年はいつもと違う、
パパがいないから。
去年のクリスマスが終わってからすぐ、パパは姿を消した。
ママは泣きながら言っていた。
「パパはね、いい人だったから…」
「パパは悪くない…パパは何にも…」
ぼくには、ママが言っていることが理解する事が出来なかった。
ただ、パパは
「ごめんな」
その言葉だけを残し、ぼくの前からいなくなった。
クリスマスの日
いつもとは違う、料理は鶏肉もピザもなくて、ケーキもぼくとママでショートケーキがふたつだけ。
本当は、まあるいおっきなケーキが食べたかったけど、ママが料理を置くたびに「ごめんね、ごめんね」って、泣きながら何度も言うから、
ぼくは、何にも言えなくなっちゃうんだ。
今年、ぼくはサンタさんにお願いごとをふたつした。
一つは、いつもどおり靴下の中に手紙を入れて、
もう一つは、毎日サンタさんに届くように空に願った。
もう一つの方は、ママのために。
ママの悲しそうな姿を見たくないから、3人でクリスマスをで笑って過ごしたかったから。
そして、ぼくは、サンタさんにもう一度だけお願いして、眠りについた。
翌朝、目が覚めると、まっすぐに靴下へと走った。
中を見ると、入っていたのは、ぼくがサンタさんにお願いしたのとは全然違う、よく編み込まれた、赤色のマフラーだった。
と、中にはもうひとつ、「ごめんね」と書かれた、カードだった。
ぼくには分かってしまったんだ、サンタさんの正体も赤色のマフラーのあったかさも。
でも、
でもね、
やっぱり、サンタさんはいるんだ。
だって、
「ピンポーン」
と、雪のよく降る朝と共にやって来たのは、ぼくが一番に望んだ出来事だったから。
来年からはまた、笑ってクリスマスを過ごせるから。
ありがとう。
サンタさん。