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ステーキをください。焼き加減はR(レア)で

掲載日:2026/06/06

 一度も来たことがない街の、初めて見る店名のステーキ屋だ。こういうところが実はうまかったりするんだよな。


 紙ナプキンがある店だといいが。


「こちらの席にどうぞ。ご注文がお決まりでしたらお呼びください」


 こじんまりとした店内の丸いテーブル席に座り、備え付けの紙ナプキンを確認しつつメニュー表を見る。


 この店の看板らしいのは……? この1ポンドステーキか。焼き加減はどうするか……。……なんだとっ!


 W ウェルダン

 M ミディアム

 R レア

 SR  スーパーレア

 SSR  スーパースペシャルレア

 UR  ウルトラレア


 これはっ。URとはなんだ? いやしかし、尋ねるべきか。それは自尊心が許さない。ここはSSRくらいにしておこう。また来れるんだ。

 

 呼び鈴を鳴らす。店員さんがすぐにやってきた。

「1ポンドステーキセットをください。スーパースペシャルレアで」

「1ポンドステーキセットですね。以上でよろしいですか?」

「はい」


 別の席にも店員さんは行った。

「1ポンドステーキセット。ウルトラレアで」


 負けたな。きっと常連なんだろう。



「こちらのステーキ、スーパースペシャルレアです」

 しばらくして私の前に運ばれてきたステーキは、ピンク色の赤い生肉であった。


 そうきたか。この明るい色。おそらく子牛。当たらないといいな。


 しかし、スーパーレアの見当はついた。レアの手前で生の子牛の後だから、大人の牛の生だろう。


 しかし、ウルトラレアとはなんだろうか。


「こちらのステーキ、ウルトラレアです」

 行儀は悪いだろうが、運ばれたらしいウルトラレアの方をちらりと見る。


 そこにあったのは、ジョッキに入った白濁液だった。

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