助けを呼べばすぐに駆けつける! ──俺はギフトマン
「助けて!」
助けを求める女性の声がする。
一般人のフリをして町を歩いていた俺は、早速駆けつけた。
変身はしない。
変身するまでもなく、俺は正義のヒーロー『ギフトマン』なのだ!
「ギフトマン、参上!」
見ればクワガタの怪人が、俺好みの女性の腰をハサミでがっちり捕らえ、どこかへ連れ去ろうとしている!
「そこの怪人! そのひとを放せ!」
しかし放せと言われて素直に放す怪人はいなかった。当たり前だ! 俺としたことが無駄なセリフを口にしてしまった。
俺は四次元ポケットから包装紙に包んだ箱を取り出すと、クワガタ怪人に差し出した。
「つまらないものですが……」
しかしクワガタ怪人は俺を無視して女性を連れ去ろうとする。当たり前だ! つまらないものを受け取ってくれる怪人などいるものか──! 俺としたことが……
女性の失望したように俺を見る表情が痛い!
俺は戦法を変えることにした。
俺よりも優れたヤツは、この世にいくらもいない。
そう! 俺は神に選ばれし者──『ギフテッド』と呼ばれる人間なのだ! けっして『岐阜産のテディベア』とかいう意味じゃない、特別な才能をもった者なのだ!
IQは180!
感受性、最強レベル!
周りとのギャップに苦しみ、その実何もできない男!
クワガタ怪人は女性を連れ去った。
「フッ……」
ギフテッドとして産まれたがゆえの生きにくさを胸に、今日も俺は生きていく──




