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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

おいでませ、徳々セール!

掲載日:2025/11/09

俺は死んだ。

天罰ってやつなのかもな。


生きてるうちは悪いことばかりしていた。

警察の世話になったこともある。

親も何度泣かせたことか……


だが反省なんて全くしてねぇ

俺は絶対に天国へ行く。


地獄なんてまっぴらごめんだ。


そんなことを考えながら、

俺は長く暗い廊下を歩いていた。

ここがあの世の入り口なんだろうか。


廊下を歩き続けると、

そのうち一つの扉が見えてきた。


その扉を開けると、

そこは百貨店の催事場のような所であった。


「徳々セール、早くしないと売り切れますよ~〜!!」


店員のような男がメガホンを持って、

周りにいる人々へ呼びかけていた。


おそらくこの人々も俺と同じ、死者なのだろう。

みな、"徳"と書かれた袋を取り合っていた。


「なぁ、とくとくセールってなんだ?」

俺は店員のような男に尋ねた。


「あぁ、生前の徳が足りない方々に、特別に徳をお配りして、その罪を軽くするサービスです!最近地獄も人手不足で…よかったらお客さんもどうぞ!」


俺はそれを聞いて(ひらめ)いた。

こいつら全員ぶっ飛ばして、徳を独り占めしちまえばいいんだ、と。


生前、俺は喧嘩や暴力沙汰ばかり起こしていたので、一般の人々を蹴散らすことなど訳ないことだった。


そして、両手いっぱいに徳の袋を抱えた俺は、例の店員のような男に話しかけた。


「どうだ!これで俺も天国行きだろ!?」


「お客さん、たくさん手に入れましたね、ではあちらからどうぞ!」


男に指さされた方には、なんとも美しい装飾がなされた扉があった。


よっしゃ!!これで俺も天国行きだ!!


俺は勢いよく扉を開けた。




ーーーーーそして現在、


俺は全身を拘束、さらには猿ぐつわをされ、頭に電極のようなものを埋め込まれている。


嫌だ…嫌だ…


次の瞬間、前の人生ではおよそ感じたことのない痛みが全身を襲う。


「ぎゃああああああ!!」


麻酔薬の供給が厳しくなったこの世界で、俺は痛みの代行業をさせられていた。


出産、手術、事件、事故、

なんの痛みかなんて、俺に考える余裕なんてない。


あの徳々セールで配っていたのは、

来世で徳を積むための、痛みや苦しみが詰まった袋だったのだ。



今日はいつ終わる?


これはいつまで続くんだ?



死なない程度に休憩を挟みながら、

俺の日々はまだまだ続いていくようだ。

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