表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コメディ

転生幼女はチートでお金持ちになりたい!誰か助けてください

作者: しぃ太郎

私はマリエ、7歳。


平民で、街の工房の娘に生まれた。

パパは金属の加工が得意だけど、木やガラスも多少扱っているの。


何ヶ月か前に、風邪で数日寝込んだことがあった。

その時に前世の記憶が蘇った。


異世界転生したなら、チートでしょう!


そう思った私は、早速アイデアを出そうと頑張った。

何でもいいのよ、便利でこの世界に無くて、私にでも作れる物なら!


――何もなかった。

この世の真理を知った。チートで無双が出来るくらいに行動力があり、頭がいいなら、前世でも会社を起こして社長になれていたって。


あんまり使った事は無いけど、定番のアレなら作れるかな?

私は、パパの羽ペンを握りしめアイデアを絵に書き出した。


ズバリそろばん!計算機がないこの世界に必要で便利だから売れる筈!


「ねぇねぇ、アル。ちょっと相談があるんだけど」


うちのパパの弟子で一番下っ端のアル。

年が近いから気軽に頼める、有り難い存在だ。


「はぁ、マリエ。こっちは仕事して、工房の後片付けもして疲れてるんだけど?」


「ごめんごめん。でも、これ見てみてよ!発明なのよ!」


一生懸命書いた絵をアルに見せる。中々の出来だと思うんだけど…。


アルには伝わらなかったみたい。まぁただの箱に点々が沢山付いている意味不明の絵よね、知らなければ。


私は、アルに分かりやすく説明した…が理解してもらえず。とりあえず形の詳細を細かく伝えて現物を作って貰うことにした。


いつ完成するかしら?皆ビックリしちゃうんじゃない?

うちの工房が大儲けしてお金持ちになっちゃうかも!


そんな妄想を膨らませて待つこと4日。


アルはきちんと再現されたそろばんを作って持ってきてくれた!


「お前の説明通りに作ってみた。で、これが何だって?何かの玩具か?」

「ふふふふふ。見てビックリしなさいよ!なんとこれは計算出来るアイテムなのよ!」


早速、アルに実演して見せてみる。が。

……。


反応薄いな?何で?簡単に足し算も引き算も出来るんだよ??


「これ、計算あってるのか?計算なんて習ったことないから全然わかんないや」


あーーー、そこから!?


私は少し挫折を感じたが、親世代ならこの発明品の凄さがわかるだろう。


「とにかく、よく出来ているわ!ありがとうアル!」

「おう」


パパに見せる為に、そろばんを持って突撃した。

「パパ!これ、計算出来る発明品なの!使ってみて!凄いのよ!」


私はパパの前でまた計算を披露した。

「マリエは賢いなぁ。でも、パパは計算できないから答えがわかんないよ」


お前もかーーー!


確かやり方は知らないけど、コレで掛け算も割り算も出来たはず。私はできないけど。

普通に計算式のほうが便利だと思うけど。


「誰か計算出来る人を呼んで来て〜!」




結局、計算が出来て、私が作った(色々とごめんなさい)そろばんの価値をわかってくれたのは母1人だった。


結果、うちの男どもは役に立たない。


母が頼りだと気づいた私は、売り出し方法や、安価に作る方法を母と一緒に考えた。


職人さん(父とその他)が一生懸命作ってくれるから成り立つんだけど…。経営の為にも、母任せは止めて計算くらいしようよ、お父さん。


結果的にそろばんは大ヒット。主に、平民に受けた。

街のそろばん教室は今日もおじさんたちでいっぱいだ。


大きなお友達は、幼児先輩に席を譲りましょうね!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ