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『明日から頑張りまぁ〜す』
『はいはい、明日から本気出すわぁ』
『今日調子悪いんだよね〜、明日からやるわ』
人間は自分にとって都合の悪いことは後回し。
「俺は悪くないし、つぅ〜かあいつが悪くね」
「マジでそれな!ダルすぎぃ、キモ、意味わかんないんだけどぉ」
「それなぁ〜笑」
「なんで生きてんのあいつ笑」
人間は自分を肯定されないと生きていけない生き物。
そういう奴らはだいたい1人ではなく数人で群れて行動している。
どういうことか、正直な人間ほど嫌われ、ウザがられる。
反する物は切り捨てられ、嫌われ、いじめられる。
真面目に生きるということは、思春期の僕達にとっては難しいのだ。
人との関わりは、本当に面倒で、友達同士ですら気を使わないと生きてはいけない。
そんなものを友達と呼べるのだろうか。
僕達はなぜ、人の目を気にして生きていかなければならないのか。
世の中ほんと、腐って醜く可哀想な連中ばかりだ。
思春期はキラキラしていていいなと大人は言うが、一体どこがいいのだろう。
だから僕は、人との関わりは嫌いだ。
学校で人と話すとしても、授業のグループワークくらいだ。
高校に入っても友達は作らず、授業以外は屋上か、校庭の近くにあるベンチへ行き漫画を読むか、寝て過ごす。
これが僕にとっては一番過ごしやすく、誰とも関わらずに済むから気楽でいいのだ。
だが、こんな僕にも昔は一人だけ友達はいたのだ。
6歳の頃、母の実家に行った時に出会ったあの子は、今頃何処で何をしているのだろうか。
今は名前も思い出せない…。
『なつ君、また一緒に遊ぼうね!約束だよ!』
僕の、唯一の友達。