オチ
掲載日:2023/03/28
目頭が、根を上げそうなほど痛い。
ずっしりと込み上げてくるなにかが、全身を火照らしている。
まったく、追いかけて声を掛けるだけ。簡単な話だ。
なのに足が地面とくっついて仕方ない。
別に今じゃなくていいじゃないか。
電話をかけたら彼女は、出てくれるだろう。
メールだって送ったら、きっと返してくれるはずだ。
それに彼女のことだ、気を利かしてそっちからしてくれるかもしれない。
だいたい声をかけて今更何を話すって言うんだ。
もう言いたいことは言い合った。
どうせわからないし、わかってもらえないさ。
つまらないけれど、これが結論だ。これが僕だ。
ああ、そういえば家に帰ったら溜まった洗濯を回さなきゃな。
振り返ろうとした時、ポケットからはみ出たキーホルダーが僕の足をどついた。
その瞬間、僕は勢いよく地面を蹴る。
無様に転びそうになるが、知ったことか。
巻き込まれた小石が後ろに飛んでいった気がしたが、その行先はわからない。




