1-15 禁忌の実験
15章 禁忌の実験
現在ステージ上では一回戦の第二試合が始まっていた。ミゲウはステージ上にいるメンツを見ながら自分の立ち位置を確認していた。
ミゲウを除きステージ上にいるのは3人。その中の2人は去年も出場しているランプ武闘大会の常連だった。名はグレアスとイルマだ。彼らはランプの住人でどちらもこの町でミゲウ同様にランプの町長より依頼を受ける何でも屋であった。要はミゲウの同僚である。
彼らの手の内は毎度のことで知っているため警戒する必要はなかった。だが、残りの1人に関しては少し警戒が必要であった。彼の名はキース、試合開始の時に名を呼ばれていたから知っているだけである。だが、それは名前だけであった。それ以外にも彼とは前日に接点を持っていたのだ。ミゲウの通う居酒屋でケルトが酔っ払って絡んだ相手がキースだったのだ。あのときにキースの力の一端は見せてもらっていた。だからこそ言える、この試合そう簡単に決着してくれないということを。早速グレアスとイルマが動き出した。彼らは2人がかりでキースを倒そうとたくらんでいるようだった。2人が近寄り、キースを警戒していると。
(ん、キースから動くのか。)
特に身構える様子もなくキースが2人に向かって歩き出したのだった。キースの行動はミゲウからはうかがい知れない。
(何考えてやがんだ・・・。)
キースと2人の距離が残り1メートルのところまで詰まっている。痺れを切らした2人はキースに攻撃を仕掛ける、イルマは顔面への拳グレアスは足への下段蹴り。だが、それに対してキースはまだ行動をおこさない。とグレアスの下段蹴りの軌道が変わりそのまま顔面へのハイキックに変わったのだ。それによりキースの視界からイルマが完全に消えたと思われた。
(なんだ?コンビネーション抜群じゃねぇかよ。ってか、この試合、仕組まれてるんじゃないのか。あらかじめ2人が一緒になるように。)
ミゲウは恐ろしい考えが浮かび、ゾッとする。視界がさえぎられたことを確認し、イルマはそのまま拳を収め、下半身へのタックルへと切り替えたのだった。グレアスが囮でイルマが本命であるようだ。そのままキースからマウントをとり羽交い絞めにするつもりなのだろう。
だが、結果は残酷なものだった。キースはグレアスの足を掴むと、乱暴にイルマにも当たるようにグレアスを振り回す。そして、そのままグレアスを場外へとブン投げたのだった。
「雑魚が」
キースはそう言うと、一瞬怯んで後退したイルマに対し拳を振りかぶった。一歩でイルマとの距離を詰めるとそのまま拳を叩き込む。「―火拳―」キースがそう魔法を唱えるとイルマに当たった拳が発火し体を炎で包んだのだった。
(火属性の技が使えるのか。しかも1試合目の連れの2人とは明らかにレベルが違う。どうしたものか・・・。)
ステージ端で座って見ていたミゲウは重い腰を上げる。ミゲウの視界内では火だるまになってのた打ち回るイルマがいる。イルマは消えることのない火に焼かれ絶叫していた。「―破力―」ミゲウは肉体強化の魔法を唱え、イルマを場外へと蹴り飛ばした。すると、すぐに救護班がイルマの元に行き消火活動を行っていた。
(ふぅ、これで死ぬことはないだろ。)
「おい、今の攻撃はやりすぎなんじゃないのか」
ミゲウはキースに向かってそう怒鳴る。
「相手の力量も分からずに突っ込んできたバカに丁寧に教えてやったつもりなんだがな」
キースの顔は無表情だった。どうやらそれはイルマだけに伝えたかったという訳ではないようだ。恐らくはケルトにも今の光景で昨日のことに対する愚かさを教えてやったつもりなのだろう。だが、とミゲウはため息をつく。
(あいつ、記憶飛んでたから昨日のこと覚えてないんだよな・・・。)
頭を振り、意識を切り替える。今は昨日のバカ騒ぎにため息をついている場合ではない。この目の前にいるキースをどうにかして倒さなくてはならない。でなければ、ステージに上がる前の約束、そう、ケルトと交わした約束を果たすことが出来ない。
「これは試合だ。ランプのイベントみたいなもんなんだよ。殺戮が目的ならここではなく、自分の国に帰って戦え」
その言葉に対し、キースは不適な笑みを浮かべる。
「向かってくる者は全員敵だ。だとすれば生かすも殺すも俺次第だろ」
「じゃあ、こっちも遠慮はしないからな」
ミゲウはそう言って戦闘態勢に入る。
「去年はさぞかし和気藹々で楽しい大会だったんだろうな」
ミゲウはふっ、と鼻を鳴らし、それをキースへの返答とするとそのままキースに目掛けて拳を振り下ろした。「―火拳―」キースはミゲウの拳をかわし、ガラガラとなっているボディへ炎を纏った拳を叩き込む。
「ふっ」
キースは鼻を鳴らす。先ほどの雑魚同様に火だるまになるかと思われたのだが、ミゲウは拳によるダメージを多少負った程度であった。
「お前も2段階って訳か」
その言葉にミゲウはニヤリと笑い返した。2段階同士の戦いにおいて魔力というものの比重はより大きなものとなる。それは防御に関してだった。攻撃に際する魔力を自身の魔力で相殺することが可能であるからだ。それによって、先ほどの雑魚はキースの攻撃をまともに食らい火だるまになった訳だ。だが、ミゲウはその火に使われている魔力を自身の魔力で相殺したため、火だるまになることがなかったということになる。
「俺は覇属性だ」
ミゲウは自慢げな顔をしている。覇属性とは肉弾戦に特化する格闘系の属性である。
「へぇー、覇属性ね。てっきり俺は水属性なのかと思ったが。じゃあ、純粋に俺の攻撃力以上の魔力で火属性技を打ち消したってことか」
キースが手を顎に当て考え込む仕草を見せている。だが、ミゲウはそんなに優しいわけではない。キースの見せた隙に対してすかさず付け込む。ボフッ。ミゲウの右フックがキースの左脇にクリーンヒットしたのだった。キースの油断の隙をついた攻撃にキースの表情が若干歪む。「―火放―」キースは右手を前に突き出し手の平から勢いよく火炎を放出するとその勢いに任せ、後方へと退避する。
「始める前に遠慮はしないって言っただろ」
ミゲウにはここでキースを逃がすつもりは毛頭ないようであった。キースの放った火炎の下にある隙間に潜り込むとそのままキースに向かってタックルを敢行する。キースの足を掴みマウントととると、即座に馬乗りになりここで決めてしまおうと壮絶なラッシュを仕掛ける。
キースは顔の辺りのガードを固め、ミゲウからの攻撃に耐える。無我夢中で殴っているのだが、下からの反応がない。ミゲウはもしやと思い、手を止めキースを確認する。「―火放―」キースの両手がミゲウの腹に張り付き、ゼロ距離から火炎を放出してきたのだった。
「グハッ」
ゼロ距離からの攻撃にミゲウは大きく吹き飛ばされ宙を舞った。即時立ち上がろうとしたミゲウに対しそうはさせまいと、キースも即時に移動し、ミゲウの側頭部を蹴り飛ばした。
「蹴りにも炎を纏わせてたんだけどな。まだまだ魔力が残ってんだな。死にたくないなら今すぐステージから下りろ」
キースは手を前に突き出し、ミゲウに向かって『火放』を放った。「―真空波―」ミゲウは瞬時に立ち上がり、キースの方角に向かって空間を殴った。ドーンという轟音と共にキースの技とミゲウの技が相殺される。
「腹への一撃は結構効いているようだな。避ければいい攻撃を避けずに相殺に持っていく魔力の無駄遣い、終わりも近そうだな」
キースの考えはあながち的外れなものではなかった。実際にミゲウは肩で息をするほどに疲弊しているのだから。
「余裕かましてていいのか?また、噛み付くぞ」
(同じ2段階、そして力も拮抗している。そう考えるならば恐らく残りの魔力もほとんど変わらないだろう。)
キースの状態をそう考えるミゲウは意を決し接近戦の構えを取る。
(恐らくは次の戦いのためにも魔力を温存したいと考えているはずだからな。)
キースはミゲウとの距離を詰めるように走る。その動作に対しミゲウが受けの姿勢をとる。キースは右ストレートを叩き込むがそれはミゲウにかわされる。そして、キースの顔面にカウンターの拳がクリーンヒットする。キースは歯をかみ締めながら痛みに耐える。一歩も引こうとしない。吹き飛ばされそうになる体をミゲウが突き出した腕を掴むことで耐える。そして、吹き飛ぶ勢いを殺すとそのままその場に崩れ落ちる。
(いい当たりだ。これはひとたまりもないだろうな、とどめだ。)
ミゲウがその場に崩れ落ちたキースに蹴りをかまそうとした瞬間だった。そこにキースの姿はない。と、ミゲウの体が浮き上がったのだった。そしてそのままミゲウは後頭部から地面に叩きつけられたのであった。要はキースが崩れ落ちた際にミゲウの背後をとりそのままミゲウにバックドロップをかましたのであった。ドーン。ステージが壊れるほどの勢いだった。爆音が会場を包む。
・・・
むしゃむしゃむしゃ・・・。
「って、てめぇら!」
ケルトは違和感を覚え、側に座るミリたちに大声を上げる。
「「なに?」」
ケルトが怒鳴る意味が分からないミリたちは不思議な顔をしながら立ち上がったケルトを見つめていた。
「なんで自分のでなく俺のポップコーン食ってやがんだ」
「え!?ケルトのが美味しそうだったから」
キャルはケルトのポップコーンをつまみながらセリカの箱にもケルトのポップコーンを入れてあげていたのだった。
「ふざけんなぁ」
そしてふとケルトは隣に座る空気のように静かなミリをそっと見る。
「なぁ、ミリ?お前は何をむしゃむしゃ食ってんだ?」
「ふうん?」
ミリは首を傾げながらケルトを見上げていた。
「お前のポップコーン少しも減ってねぇじゃねぇかよ」
そこにキャルが口を挟む。
「いいじゃない、また買えば」
キャルは笑いながら再びケルトのポップコーンをつまむ。
「買えばって・・・、この中で一番金持ってない俺にたかんじゃねぇえええ!」
キャルでさえミゲウの試合を見ていなかったのだった。ドーン。
「ん?」
ひときわ大きな音に4人はステージの方に目をやる。
「ミゲウのやつ、頭からいってるじゃねぇかよ・・・。まずくねぇか?」
「大丈夫でしょ、ミゲウさん強いから」
キャルはケルトの心配をそう笑い飛ばす。
「でも、嫌な予感がする」
ミリはケルト同様、不安の色を隠しきれない。ケルトは現状を全く理解していないキャルに更に反論する。
「いや、まずいだろ。あんなのまともにくらって立てたら人間じゃねぇぞ」
「いやいや、人間なのはケルトだけだから」
別にボケたつもりなんてこれっぽっちもない。
「いや・・・、そういうことじゃなくて、普通じゃないって意味なんだが」
「ふーん」
なんとかキャルに説明しようと一生懸命のケルトにミリがそっけない相槌をうつ。
「ふーんって、お前はポップコーン食ってろ」
変なのに構っていてはどこまで説明したかさえも忘れてしまいそうになる。
「もうなくなったよ」
「え?」
ミリが持っているポップコーンを見るが若干減っているくらいでまだまだ残っている。
(まさか・・・。)
ケルトはふと自身の手に持つカップに視線を送る。何も言葉を発することが出来なかった。
(なくなったって・・・、俺のかよ。)
ケルトはどうしようもない2人を無視することに決め腰を下ろす。ミゲウにもしものことがあれば最悪試合に割って入ることも考えなくてはならない。
「あれ、やばくない・・・?」
そう呟いてキャルたちの方に視線を送るが、3人はおしゃべりに夢中でミゲウなんて気にさえしていなかった。
「はぁ・・・」
ケルトは現在進行形で頑張っているミゲウを痛々しく思うばかりであった。
・・・
ミゲウは脳天から叩き落され、現在キースに対し地面に寝そべった状態で構えていた。キースはというと、そこに飛び込もうとはせずに遠距離より火炎を叩き込んでいた。
(くっ、かなり分が悪いな。このまま火炎を打ち込まれ続ければ俺の負けは濃厚だ。だが、魔力にも限界はある。ここを耐え切れば勝機はあるはずだ。)
ミゲウはキースを再び捕まえることが出来れば勝ちだと踏んでいる。そのために今を必死に耐えていた。
「どうした?寝むいのか」
ミゲウはそんな軽い挑発には乗らない。わずかな隙をも見逃さないようにとキースを睨んでいる。
「じゃあ、立てるようにまじないでもかけてやろうか」
そう言うと、キースは火炎を球体状に固めはじめた。ミゲウはその光景に唖然とする他なかった。
(は?まだあんなに魔力が残っているのか・・・。)
ミゲウにはもうあれだけの火炎の塊を相殺するだけの魔力は残っていなかった。キースは直径1mの火の玉を作り上げると、ニヤリと笑った。
「ゆっくり作ったつもりなんだが、もう諦めたのか?」
キースはそう言うとミゲウのいる方向に火の玉を投げる。
(くっ、もはやこれまで・・・。)
ミゲウは目を瞑り、覚悟を決めた。だが、燃え上がるような熱さや痛みなどは全く感じない。(一瞬で死んでしまったのか?)などとも思ったのだが、手足に感覚はあり動かすことも出来た。咄嗟に目を開いた。
キースの手元に火の玉はない。キースは確かに火の玉を投げたのだ。
(まさか・・・。)
悪い予感がミゲウの頭をよぎり、後ろを振り返る。ミゲウのはるか後ろの観客席では爆発が起こり煙が立ち込めていた。そう、ミゲウ後方の観客席にはキャルたちがいたのだった。
「お前が不甲斐ないばっかりに仲間は皆死にましたとさ」
プチン。ミゲウの頭の中で何かがキレる音がした。
「キース、貴様!!」
ミゲウの怒りが頂点に達したのだった。そして、立ち上がることすらままならなかったミゲウは立ち上がりキースに殴りかかる。
「まじないの効果は絶大だな」
ミゲウはキースに向かって乱暴に腕を振り回す。だが、そのフェイクも何もない攻撃がキースに当たるわけもなくキースは涼しい顔をしていた。だが、その涼しい顔もすぐに終わってしまうこととなる。魔力が空になりもう動くことすらままならないはずのミゲウがいっこうにガス欠にならないためであった。
・・・
キースは今目が点になっていた。目の前で戦っていたミゲウに突如異変が生じたからである。ミゲウが2段階であり、レベル差もさほどないことはこの戦いの中で感じていた。だからもしやとランプに来るまでに読みふけっていた教本の一部を実行してみたのであった。それは新悪魔の2段階から3段階への進化についてだった。キースもそこで今行き詰っている。学園長の話を思い出すなら、ここでしか得られないものということ。それはつまりこういうことなのかもしれない。学校では禁止されている3段階への進化の方法。魔力を枯渇させた上で相手に更なる絶望を与えることによって強制的に心を体が凌駕するというもの。それをミゲウは見事に成し遂げたのであった。だが、これには大きなリスクがあり、そのため学校では禁止とされているのであった。肉体が全てを支配している現状とは怒りのみでの行動であり精神制御ができない。そして、暴発した魔力は生命活動に必要な血さえも絞り取り魔力へと変換させる。つまりは死ぬということだ。そして、もし死ななかったとしても8割がた人語を喋ることのできない魔物へと退化する。そして残りの2割の確率で3段階へと進化するのであった。学校で推奨される3段階への進化とはじりじりと魔力を削り、精神を制御したまま生命活動に必要な血を少しずつ魔力へと変換していくというもので、少しずつ肉体が精神を凌駕していくというものであった。危なければ第三者によって即時に中断されるというものだ。
キースは興奮を隠せない。それもそのはずである。2段階から3段階へ進化する者の過程を間近で見たことがないからだ。魔物堕ちしたとしても自分には関係ないが、今目の前にいるのは恐らく今までのミゲウとは違う。ならばと、キースは全身に力を込める。
これはめったにないチャンスである。こいつを倒すためにはそれなりにこちらも魔力を使い続けなければならない。それは自身も3段階へ進化するためのチャンスであるからだ。学校であれば即時に止められるであろうが、ここであれば誰にも止められない。今までの苦悩から解放されるかもしれない。キースは回避の一手を取り続けていた。だが、考えがまとまった今、もう逃げる必要はない。キースが全身に力を込める。「―鋼力―」キースは通常より6倍の威力となる肉体強化の魔法を唱える。
(準備は整った。さて、やるか。)と、場外より叫び声が聞こえてくる。
「ミゲウ、落ち着けー!」
(ん?あそこは俺が火の玉を投げた所じゃないか。燃えてないし、何でだ?さてはあの混血、何かしやがったな。)
キースは観客席から大声を発している混血、ケルトを睨む。
「ミゲウ、落ち着けー!」
(ちっ、あの混血、うるさいな。)
キースはミゲウの攻撃を大きく避け、瞬時に50cmの火の玉を作ると客席にいるケルトに向かって投げる。火の玉が到達する前にケルトがその玉に手をかざすと、火の玉はパッと消えてしまったのだった。
(ほぉ、あの混血なかなかやるじゃないか。)
ミゲウは相変わらずキースに間髪いれずに攻撃を仕掛けている。ケルトが何かしてくるわけでもないと察したキースは元々の目的へと意識を戻す。そして、ミゲウの拳を避け、下に潜り込むと炎を纏わせた拳をミゲウの鳩尾に叩き込む。
「う゛ーう゛ー・・・」
うめき声は上げるものの後退する様子はない。どうやらキースを殺すこと以外の思考は消えているようだ。だが、キースもここからが本番であった。もう魔力はゼロである。ここからは体内に流れる生きるために必要な血を魔力に変換していかなくてはならない。
悪魔の体には人間とは違い血袋という胃とは違う血を溜めるためだけの臓器が存在している。キースの体はその血袋の血が空になったということだ。
「―バーニングオーラ―」火の属性を全身に纏わせる魔法を唱える。これはかなり魔力消費が激しい。だから通常であれば最悪の事態の時以外使うことはない。だが、ここから壮絶な殴り合いとなる。気を抜けば恐らく一撃で負けるであろう。ミゲウの攻撃はひとつひとつが必殺の一撃でありそれをくらうわけにはいかない。
ミゲウの拳が空を切り前のめりになったところ、顔面への蹴りをかます。ミゲウは豪快にステージ端まで飛ばされた。瞬時に立ち上がろうとするミゲウ。だが、そんな隙など与えるはずがない。キースは瞬時に距離を詰めると、大口を開け噛み付こうとしてくるミゲウに対し、真下に潜り込む。そして垂直に跳び上がりミゲウの顎に膝をくらわした。
「う゛う゛」
仰け反るミゲウの顔面を掴むとそのまま押し込み、後頭部から地面に叩き付けた。ドーン。その威力は既に半壊しているステージに更なる追い討ちをかけるものであった。無理やり魔力に変換していたせいでキースの視界が少し霞む。ボフッ。キースは吹っ飛ばされたのだった。




