2話「あいつら全員皆殺しですわ」
ごきげんよう。ヴァイオリア・ニコ・フォルテシアよ。見事に投獄されましたわ。
やっちまいましたわね。貴族、それも王子の元婚約者を普通の牢に入れるわきゃーねーですわと高を括っていたら、見事に地下牢にぶち込まれましてよ。
罪を犯した貴族や捕虜として捕らえた敵国の重鎮を入れておくための貴賓牢はあるのですけれどね。よっぽど私が怖かったと見えますわ。
食事を運んでくる兵士もおっかなびっくり。どうやら私と接触すると呪われる、なんて思われているらしいですわね。失礼な連中ですわ。呪えるもんならもう片っ端から呪ってますわよ。
それにしても腹が立ちますわね。この私が!あんな馬鹿みたいな方法で王族を暗殺すると思いまして!?舐め腐るのも大概にしとけってもんですわ!
いや、ほんとあいつら馬鹿ですの?ダクター王子をこのタイミングで殺すメリットってありまして?ないですわよね?そもそも何か狙って殺すんだったら普通に結婚した後ですわよね?
茶番にしてももう少しマシな言いがかりをつけてほしいものですわね!流石平和ボケした国王は考えることもボケてらっしゃるわ!
……しかし、予想外でしたわ。
王家の財政が危ういとは聞いていましたが、まさか、フォルテシア家の財産を今すぐ押収するためにフォルテシア家を取り潰すなんて、流石に予想できませんでしたわね。
それに……ダクター様も長いものに巻かれるしかなかった状況だったのかもしれませんが。ああまであっさりされると、無性に悲しいですわね。
政略結婚とはいえ、私、王子の婚約者に恥じない令嬢であるようにと努力を積んでまいりましたのよ。学院では常に成績優良者。魔法も幾つも修めましたし、武道大会では毎回毎回ぶっちぎりの優勝。王家に嫁ぐ者ならば常に優秀であれと思ってここまでやってきたのですけれど。……ダクター様にはこのお気持ち、通じませんでしたのね。
……それに、愛のない結婚だからといって、すぐに反故にするような阿呆だとは思いませんでしたわね。政略結婚の意味分かってたのかしらあのアホンダラは。
……さて。これからどうしましょう。
呪えるものなら玉座の間に居たトンチキ全員呪い殺してやりたいところですけれど。
……もう家はありません。身分も無いわ。罪を被せられた今、私は没落貴族。あれだけの貴族が談合しているのだもの、もうフォルテシア家が日の光を浴びることは無いわね。
今回、私を陥れた腐れ貴族共の顔と名前は分かっています。
まず、『証人』としてあの場に居たのは、クラリノ家とフルーティエ家とホーンボーン家。どれも皆、フォルテシア家に商いでボロ負けして下り坂ローリングストーン真っ最中の超一流貴族ですわ。『尊い血』と『重い歴史』しか取り柄の無い貴族がズルズルと生活を維持できなくなっていくのは中々面白い見世物でしてよ。
ということでまあ、3つとも、屋敷に火を放ったり私に罪を被せて投獄したりする動機は十分ですわね。フォルテシアが無ければまたみみっちい商売で小金稼ぎができるとか思ってるんでしょう。或いは単なる嫌がらせでフォルテシアの屋敷に放火したのかもしれませんけれど。どちらにせよホントあいつら許しませんわよ。
……それから、オーケスタ家。私が嫁ぐはずだった家……つまり、王家です。財政難真っ最中のド阿呆王家ですわ。
金欲しさにフォルテシア家との婚約を認めた、というだけでも十分ド阿呆ですけれど、そのフォルテシア家を婚姻間近に潰して金だけぶん盗ろうなんて、まあ本当に大したタマですこと!
……私だって貴族ですもの。どろどろと陰謀渦巻く貴族界に、今更期待なんて無くってよ。
けれど……まさか、貴族的な後ろ盾が無いとはいえ、フォルテシア家を丸ごと圧し潰して財産だけ奪っていくなんて、誰が想像できまして?
許せませんわ。
市場の競争の末に敗れて没落していくのなら、納得できます。けれど、こんなのって、あんまりですわ。
能力と状況の読みあいによる勝負ではなく、権力と数にものを言わせた非合法の暴力で没落なんて、こんな理不尽、許されてはなりませんわね!
けれど、あいつらを裁く方法はありませんわ。
当然ですけれど、ド腐れ司法は王家の味方をするでしょうし、他の貴族達も同様でしょう。そして私、神の裁きなんて端から期待しておりませんの。神があらせられるならこの国とっくに滅んでいて然るべきですわね。
そして人間である私にできることと言えば、密偵を使った情報戦?市場の制圧?資本と資本の殴り合い?
……どれもこれも、今の私には不可能ですわね。密偵を雇うお金はありませんし、市場を制圧するお金もありませんし、資本がありませんもの。家も親も無い、身1つの私には、どれもこれも夢のまた夢。あの憎きあん畜生共を潰すのは、あまりにも難しいですわ。
……けど、実際はもっと簡単ですわ。だってあいつら人間ですもの。
つまり、殺せば死にますわ!
だから私、決めました。
理不尽に対抗できるものは理不尽!権力に対抗できるものは暴力!毒を以って毒を制せよ!今こそ暴力非服従!
「あいつら全員、皆殺しですわァーッ!」
この恨みを晴らせないまま、こんなところでくたばる訳にはいかなくってよ!
私、もう失うものなんて何もございませんの!ならこの身1つで!フォルテシア家と私の名誉と財産を奪った連中!全員皆殺しにしてやりますわァーッ!
ふう。叫んだらスッキリしましてよ。頭も心もスッキリしたところで今後の予定を立てなくてはね。
まず私、このままシャバに出ても罪人ですわね。
牢を出てすぐに憎きあん畜生共をぶち殺しに行くわけには参りません。私のようなか弱い乙女1人程度、警備の兵がどうとでもしてしまえるでしょう。
私、これでも武道大会で毎回優勝していた程度の腕前はあります。けれど、私が能力を最大限に発揮できるのは、相手が1体で、生物である時ですわね。それに不意打ちも加えてよろしいなら確実に勝てる自信がありますけれど、真正面から数で押されたら少し厳しいものがありますわ。
つまり、大量の兵士を相手に戦うのはあまりにも分が悪い、ということ。この王城は私の戦場としては少々、やりづらいわね。
それからせめて何か、武器が欲しいわ。徒手空拳でも戦えなくはないけれど。やはり色々とやるからには道具が無ければ。
……そうね。武器も道具も必要だわ。それから、徹底的にやるなら準備も。そして何より、場所と機会を変えたいですわ。となると、どうしても時間が欲しいわね。
牢を出てから時間が経てば、当然、私を追う者達は増えるでしょうから、何か、きちんとした新たな身分と住処が必要だわ。さもなくばこのムショに逆戻りですのよ。
そのためにはまず、先立つもの……私が暴れるのに必要な資本が必要になりますわね。
小金を稼ぐくらいなら何とでもなるでしょう。私、フォルテシア家の娘ですもの。貴族の嗜みとして当然、武道も魔法も修めていますわ。なら、しばらくは魔物を狩って毛皮や牙を売ったり、懸賞金を稼いだりして潜伏、ということになるかしら。住所は一定させるわけにはいかなさそうね。なら当面は野宿か宿暮らしですわね。
さて。目標が決まったらすっきりしましたわ。
ならすべきことはまず1つ。
脱獄ですわーッ!こんなムショ、とっととオサラバしてシャバに出ますわよーッ!
「飯だぞ。……ん?」
兵士の1人が、鉄格子越しに牢の中を覗き込みます。すると彼の目に入ってくるのは……私のいない牢の中。
「なっ、何があった!?」
兵士はすぐさま部屋の中を確認しようと、牢の扉を開けて、中に入ってきました。
……今です!
「ごめんあそばせ!」
天井に張り付いていた私は、兵士に向かって天井から急降下。脊椎をへし折ってやる覚悟で延髄に一発ブチかましてさしあげましたわ。
兵士は私の姿を目視する暇もなく、その場に昏倒。やりましたわね。
兵士が戻ってこないと不審に思われるでしょうから、作業は手早く済ませますわよ。
まず、兵士の鎧を脱がせます。服も可能な限り剥ぎ取ります。そして金目の物を持っていないか調べます。
……その結果、兵士が着ていた服一式と、鎧兜、牢屋の鍵束と、そして銀貨数枚を手に入れることができましたわ。
銀貨なんて久しぶりに見ましたわね。フォルテシア家が貴族になって以来、金貨より下の貨幣に触れることなどほとんどありませんでしたの。
さて。
ドレスは脱いで、兵士の服に着替えます。鎧も少々手間取りましたが、身に着けました。アクセサリーの類は後で換金せざるを得ないでしょうけど、今は鎧に隠れて見えない位置に隠して身に着けておきます。
ドレスは……後のことを考えると、ここで捨てていった方が得策でしょうね。売っても足がつくのが早そうですし、そもそも嵩張る割には金にならないでしょう。何せこれ、私が学院から帰省する時に着て帰ってきたものよ?舞踏会に出かけるためのドレスならともかく、貴族の普段着としてのドレス程度、売る手間から考えると碌な金にはなりませんわね。
ということで、ドレスは窓から外に捨てました。折角なので私の脱出経路については誤解して頂きましょう。
兵士はもうお役御免ですので、下着姿のまま廊下に放り出させていただきました。
「それでは、ごきげんよう」
こうなってしまえばあとはもうやりたい放題ですわね。私はさっさと廊下に出ます。これにて脱獄、ですわ。
次に私がやることは、牢の鍵を片っ端から開けて回ることですわね。
より深く暗い位置にある牢には、よりヤバい奴がぶち込まれていますの。ということで、そういった牢を優先して扉を開けていきますわ。
……ちなみに私が収監されていた牢は一番深い位置の牢でしたの。つまり私が今この城の地下牢の中で一番ヤバい奴扱いだったということですわ。おほほほほ。全く失礼ですこと。
勿論、鍵を開けるだけです。扉は開けません。扉を開けるかどうかは、中に居る囚人次第。大人しく牢に収まり続けるのもまた、彼らの人生。
……でも。
「……開いている、だと?」
早速、扉を開いて出てきた男が1人。
屈強な体つきといい、やたらとあるタッパといい、それでいてきちんと理性的で精悍な顔つきといい、牢に入れられていた割にしっかりしていて落ち着いている様子といい……流石、『ヤバい奴』は違いますわね。絶対にこいつ、ムショ慣れしてますわよ。或いは、ムショにぶち込まれるより酷い目に散々遭ってますわよ!
「お前が、鍵を?」
「かもしれませんわね」
他の牢の鍵をガチャガチャ開けながら答えているのですから、もうそのまんま『はいそうです』と言っているようなものでしょうけど、ここではっきりとした答えを返さないのが貴族流でしてよ。
「兵士じゃあ、ないな?一体何者だ」
「そうね、ヴァイオリア、とだけ名乗っておこうかしら。無実の罪でムショにぶち込まれた、ただの没落令嬢でしてよ」
「……ヴァイオリア、か」
男はそう呟くと、にやり、と、如何にも『ヤバい奴』っぽい笑い方で笑いました。ええ。もうこれは間違いありませんわ。『ヤバい奴』ですわね、こいつ。
「俺はドラン・パルク。いつかこの恩は必ず返そう」
「あら。お気持ちは嬉しいのだけれど、二度とお会いすることが無いことを祈っておりますわ」
「まあ、そうだろうな」
男……ドラン・パルクと名乗った『ヤバい奴』は、獰猛な狼を思わせる笑い方をした後、私に手を差し出しました。
「助けてもらっておいて何だが、鍵束を1つ、くれないか。ここら中を開けて回るなら俺も手伝おう」
「あら。それはどうも」
ここは特に迷うことなく、鍵束を渡しました。脱出するのは早い方がいいものね。
「あなたはお好きになさって。私は引き際を見つけたらそこで脱出しますから」
「分かった。なら好きにやらせてもらおう」
ドランはそう言いつつ、どんどん牢の鍵を開けていきます。牢の中に居た『ヤバい奴』達も何かあったと気づき始めましたらしく出てきましたわね。そうして牢の外が騒がしくなってくれば、やはり、もっと出てくる囚人が増えてまいりますわ。
そして、騒がしければ当然、見張りの兵士が見に来ます。そこで彼らは……『ヤバい奴』が大量に牢の外に出ているのを見つけて、目ン玉が飛び出るほど驚く、というわけですわね。
「だ……脱獄だ!」
「すぐに連絡を!」
しかし、囚人達も伊達にこんな所にぶち込まれていない、ということなのでしょう。見回りの兵士数人程度、あっという間にやられてしまいます。
そして事情をよく知らない囚人達は、私にまで手を伸ばしてくるのです。今は兵士の服、兵士の鎧を身に着けていますから兵士に見えるんですのね。逆に安心しましたわ。
「待て!そいつは」
ドランが止めに入ろうとしましたが、『ヤバい奴』に借りなんて作りたくありませんわね。
私、さっさと逃げを打たせていただきます。逃げるだけならそれほど難しくもありませんわ。大柄な囚人ばかりが狭い廊下にひしめくこの状況。舞踏会と武道会で鍛えた身のこなしでさっと囚人たちの合間を縫って、上の階へと上がります。
「脱獄だ!応援を!誰か!」
そこで私は大きく叫びながら、走って更に上階を目指します。
途中で会った兵士達は私が来た方向……地下牢の方から、囚われていたはずの囚人達がぞろぞろと出てくる様子を見て息を呑みます。そして私、その隙に逃げます。
……そうして地下の『ヤバい奴』が上階にも増えてくれば、あとは怒号と悲鳴と暴力が飛び交う地獄絵図の誕生ですわ。
「誰だ!誰が脱獄している!」
「それが……全員です!」
「全員!?どういうことだ!?」
兵士達が混乱する中、兵士の恰好をした私が右往左往していても誰も気に留めません。
……いえ、正確には何人か、居ました。私を見て、『あの兵士は挙動が不審だ』と思う兵士も、居ることには居たのです。しかし、私によそ見しているような兵士はすぐに地下の『ヤバい奴』がぶん殴って昏倒させますので、結局のところ、私に気づく兵士は実質ゼロ。そういう訳なのですわ。
混乱が混乱を呼んで、王城の広間に居た罪のない(それでいて叩けばいくらでも埃が出そうな)貴族が逃げ惑う中、私はさっさと城の裏口から外に出て、厩で馬を一頭パクッて、そのまま馬に乗って裏庭を抜けて、城の外門へ向かいます。
メイドや庭師がこんな所に居る兵士を不思議そうに見ていましたが、止める者は居ません。止められる者が居たとしても、そいつらはきっと、囚人達との混戦に掛かりっきりでしょうね。
……そうして城下町に出たところで私は……少し迷ったものの、フォルテシア家の屋敷へと、馬を飛ばすことにしたのです。
夜の城下町は私を隠すのに丁度いい場所でした。
大通りでも人通りが少なく、馬を飛ばすのに丁度いい道を堂々と進むことができましたの。
おかげで、フォルテシアの屋敷へ辿り着くのもそれほど難しくありませんでしたわ。
……フォルテシアの屋敷の火はもう消え、後には黒く、燃え尽きた屋敷の跡が残っているばかり。
そしてそこで、お父様やお母様やお兄様の遺骨が無いか、探す使用人達。……いえ、もしかしたら彼らは金目の物が燃え残っていないか、探しているのかもしれませんけど。
「ネリーナ!」
そこで私は、屋敷の前で呆然と座り込んでいたメイドに声を掛けました。するとネリーナは顔を上げて……その目を見開きます。
「ヴァイオリアお嬢様!?ご無事だったのですか!?先程、お嬢様が投獄されたと、知らせが……!」
「そんなものとっくに脱獄してやりましてよ!」
私がそう言ってやれば、ネリーナの他、傍に居た使用人達は歓声に沸きました。
「流石お嬢様!フォルテシア家のご令嬢に相応しい勇敢なお振舞です!」
「まあヴァイオリアお嬢様がただ投獄されてるとは思わなかったですけどね!」
「さっき兵士が来た時には一通りヴァイオリア様の悪口言っておきましたよ!こっちはのらりくらり上手くやってますんで、お嬢様もお気になさらず!」
主人が主人なら使用人も使用人ということですわね。大した使用人達だこと。皆、フォルテシア家に仕えられたことを存分に誇るといいわ。
「しかし、ああ、お嬢様。これからどうすれば……」
一方、ネリーナは今後のことに目が行っているようね。それもそのはず。屋敷は燃えて、お父様とお母様は消息不明。私は脱獄したとはいえ、罪人の身。フォルテシア家が一日にして没落したということは、使用人である彼らの生活も一気に不安定になる、ということですわ。
「そのことなのだけれど」
パン、と手を打てば、屋敷の跡を漁っていた使用人達も皆、私の方を向きました。躾が行き届いていてよろしいわね。
「あなた達の退職金は自分達で見つけなさい!屋敷の跡を漁ることを許可しますわ!」
そして私がそう言えば、使用人達は大いに盛り上がりました。こいつら主人の家が燃えたというのにこれですわ。素晴らしい俗物だらけですわね。まあ、正直なのは嫌いじゃなくってよ。
「ただし!金目の物や『そうでない物』を、一欠片も残すんじゃありませんわよ!あなた達!『全て』回収していくようになさい!そして『要らない物』は燃やすように!丁度よくここは火災現場ですわ。これ以上何かが燃えたところで誰も気にしやしませんわよ」
私の指示に、使用人達はぴしり、と姿勢を正します。ああ、フォルテシア家は良い従者達に恵まれましたわね。
「それから、次の就職口が欲しければ、自分達で探しなさい。フォルテシア家が持っている鉱山や農園に行けば、ある程度は働き口が見つかるでしょう。或いは、他の貴族の屋敷の使用人になってもいいわ」
そう言ってやれば、皆、しんと静まり返って寂しげに頷きました。
……何だかんだ彼らは皆、フォルテシア家を愛してくれていますのね。まあ、私の許可の前に燃え跡を漁っていたところは大目に見てやることにしますわ。
そうこうしている間に、王城の方から兵士達の声が聞こえてくるようになりました。そろそろ時間ね。
「……私はそろそろ行かなくてはなりませんわ」
私はひらりと馬に飛び乗って、使用人達にウインクを飛ばします。愛され没落令嬢ヴァイオリアにはこうした茶目っ気も必要なのですわ。
「お嬢様、一体どちらへ?」
「そうですわね……」
私は考えて……馬を走らせる直前に、答えました。
「ドラゴンでも狩ってこようかしら!それでは皆さん、ごきげんよう!」
そして、兵士達の姿が見える前に、私は颯爽と馬を走らせてその場から去ったのです。