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その4

谷さんと奈美のいる病室へと向かう。



「奈美ちゃ~んさっき話した陽一君よ!」



奈美は俺に警戒することなく近づいてきた。不思議だが歩行も難なくできている。




真顔で陽一の顔を下から覗き込む。意外と顔が近いので驚いた。165センチくらいだろうか。



「お母さんに似て美人でしょ?」



谷さんがニヤニヤしながら俺にいってきた。



「そうですね。」



動揺を懸命に隠そうとしているところに、奈美はいきなり陽一の手を握った。




突然のことに俺は理解が追いつかず固まった。



「陽一君、奈美ちゃんはこうやってみんなの手を握ってるんだよ。」



「谷さんこの人だよ!」




「やっぱり!」



俺は何が何だかわからず首をかしげた。




その後、谷さんが説明をしたくれたことをまとめると



奈美は断片的ではあるがところどころ記憶があるらしく感覚も覚えているらしい。




俺の手の感触などの感覚。俺を探していたのだ。



俺の手も昔よりはるかに大きくなっているのによくわかったな。と思いつついまだ握りあってる手を見つめていた。



「谷さん、奈美はうちで預かっていい?」




「え?ちょっとダメよ。だって奈美ちゃんは。。。そうね。ちょっと待ってって。」



谷さんは何かを言いかけたが、何か思うところがあるのか部屋にいるように言ってどこかにいってしまった。




しばらくして病院の院長と一緒に戻ってきた。





「良い?陽一君、一通りの検査は定期的にしてるしさっきでた結果も問題なし。でも、外に一歩もでたことがない。まぁそこらへんはわかっているでしょうが、普通は退院できる状況ではないの。でもね。奈美ちゃんの為を思うなら。奈美ちゃんが言うことが本当なら。この少しの時間でも惜しいわ。探してたのは陽一君で、そしてその陽一君がここに来たってことにも意味があると思うの。でもね、」




院長が谷さんの言葉を遮った。



「谷さん、言いたいがたくさんあるのはわかる。ただ、もしも。の時についての話は何度もご両親と話し合いをしてもう済ませてある。選択肢は彼女にある。後のことなどは我々がなんとかすればいい。どうするか決めるのは奈美ちゃんだ。その選んだ道を一生懸命に応援してあげよう。」




「ですが・・・」




「陽一君、とりあえず連絡先などをここに。何かあれば必ず連絡すること。奈美ちゃんも陽一君の言うことは良く聞くこと。」




一通りのことを終え




「行こうか。」




「うん!」



二人は手をつないで病院を後にした。

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