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ブレイクオンスルー  作者: カレーライスと福神漬(ふくじんづけ)
30/40

30 ザッツ・エンターテイメント!

 轟音ごうおんのような声援に・・・ポカンとしている優希。



 智子ともこは、友人のそばにると、

優希ゆきったら!」

 背中せなかをたたいた。

観客かんきゃく声援せいえんには、こたえるものさ。

さあ、ゴールポーズをめて!

でなけりゃ、つれないってものだよ。なんでもいいから、ほらっ!」


 優希ゆきは少しまよい・・・まねきネコのポーズをした。

 そのまま・・・360度・・・くるくるまわる。


「優希ちゃーん、サイコー!」

 二階席から、

 智子の母親の、ブレスの強い、声援せいえんがきこえてきた。


 いまや、観客の応援おうえんは、

 スポーツのそれというよりは・・・ライブのノリだった。

 

 

 背中せなかが、ゾクゾクしてくるのを、

 めることができない、智子。

 脳天のうてんが、シビレるような気分きぶんだった。

 

 敵方てきがたのエース・・・かおるは・・・あせたらたら。

 

 C組のボールは、いまや、

 臨機応変りんきおうへんに、パス出しされていた。

 とうぜん、智子にも、まわってくる。


 マークの二人が、ボールめがけて、

 バテ気味ぎみながら、

 執念しゅうねんで、

 インターセプトを、敢行かんこうしてくる。

 

 智子はニヤニヤと、

 自分の両脚りょうあしのあいだを、とおして、

 8の字ドリブル、をやってみせる。

 相手あいては、おちょくられた気分きぶんになり、

 客席きゃくせきおおいにく。

 

 マークのひかった!

 ひかり・・・

 ラフプレイの、発動はつどうを、感知かんち

 

 次の瞬間しゅんかん

 智子は、

 ディフェンダーの両脚りょうあしのあいだを、

 ショートドリブルで、った。


 コート上を、けぬける。

 ターボがかかる。

 スピードが、加速かそくされてゆく。

 

 智子のプレイに、潜在力せんざいりょくが、った!

 

 相手あいてディフェンスじんの、

 三名さんめいは、

 きょを、かれたように、棒立ぼうだち。

 

 智子は、

 レッドカーペットのうえを、

 最速さいそくで、一直線いっちょくせんに、け、

 ゴール手前で、グーンと、った。

 

 ふわっと・・・ちゅうに・・・いた・・・


 ネット上方じょうほうから、

 両手りょうてを使って、

 力づよくボールをしこみ、そのまま、リングにつかまる。


 一度いちどケンスイをしてから、

 コートじょうに・・・トン!・・・とり立った。

 

 スラムダンクである!

 

 はじめて、成功せいこうした、

 ダンクシュートは、最高のカタチで、まった。

 

 夢か?うつつか?

 ボーっとしている智子。

 

 優希を先頭せんとうに、

 チームメイト全員ぜんいんが、そばにやってきた。

 まわりをりかこむ。


「智子ったら!観客の声援せいえんには、こたえるものよ。

さあ、ポーズをつくって!

この拍手はくしゅや、歓声かんせいが、こえないの?」

 優希が、リーダーのかたを、ポンとたたく。

「なんでもいいから、ほら!」

 

 体育の授業の、はし高跳たかとび・・・

 あのときといっしょだ!

 人の声が、とても遠くに、こえる。

 なにか、

 自分自身じぶんじしん存在そんざいまでもが、

 距離きょりをおいて感じられる。

 不思議ふしぎな・・・感覚かんかく



<ウェイク・アップ!>

 はるか彼方かなたから、

 ジム・モリソンの声が、こえてきた。

 

 

 われにかえった智子。

 観客のわれんばかりの歓声かんせいに驚き、

 とっさに、優希を真似まね

 まねきネコのポーズをとる。

 

 場内じょうないは、ワーッ!と、もりがる。

 サヤカが、バックちゅうを決め、はなをそえる。


 A組(はん)とC組(はん)の〈等分とうぶんに〉二手ふたてにわかれ、

 応援合戦おうえんがっせんを繰り広げていた、

 チアリーディング部の、後輩こうはいたちが、

 どーゆーわけか、

 全員ぜんいん、C組の応援おうえんまわっていた。


 バトンを振り、きらびやかないを、披露ひろうしている。


 後輩こうはいたち一同いちどうの応援を見て、

 キャプテン・サヤカのプライドは、おおいに、たされたのであった。

 

 ブラスバンドが『ブレイクオンスルー』を演奏えんそうしていた。

 

 

 あぶないシチュエーションである。

 背中をツーっとつたう、ひとすじのあせ

 寒気さむけをおぼえる・・・かおる

 あしだつ、A組の、代表選手たち。

 

 ボールはA組へ。

 薫のスローインは、オールラウンドプレイヤーのユイへ。

 ユイは器用きような身のこなしでボールをあつかい、

 ドリブルで疾走しっそうする。


 ユイに、並走へいそうする智子。

 空気をバリバリ引きくように、

 ざまじい気迫きはくを、ほとばしらせる!

 

 ユイは、

 バスケ部主将(しゅしょう)存在感そんざいかんおおきさに、

 あらためて、圧倒あっとうされてしまった。

 同学年がくねんなのに、スケールが・・・まるでちがう!


「ヘーイ、ユイ!」⇒「パスッ!」(智子のごえ


 催眠術さいみんじゅつにかけられたように、

 フラフラっとてきのエースに、

 ボールをパスし・・・してしまうユイ。

 自殺じさつパスだ!

 

 ボールをキャッチし、大笑おおわらいする智子。

 ユーターンすると、

 A組ゴールへ、一直線いっちょくせん

 もう一発、ダンクを、たたきこんだ。

 

 ポカミスをしたユイは、

 薫に、こっぴどくしかられて、ポリポリ頭をかく。


 智子のノリが全開ぜんかい

 100パーセントに、到達とうたつした。

 

 かおる・・・

 彼女のあたまのコンピューターは、

 システム障害しょうがいを、こしてしまった


 ノーマークだった犬城優希けんじょうゆきの、

 計算外けいさんがい活躍かつやくにより、

 データが複雑化ふくざつかされ、

 ━<処理不能しょりふのう!?>━

 状態に、

 おちいってしまったのだ。

 

 A組有利(ゆうり)は、えて、なくなった。

 

 智子にマークを集中しゅうちゅうすれば、

 ロングシュートが、カッび、

 コースが、滅法めっぽう、はずれていようとも、

 優希が飛翔ひしょうし、

 軽快けいかいなダンクで、ゴールへしこんでしまう。

 

 ぎゃくに、優希のマークをあつくすれば、 

 ノリノリの智子が爆発ばくはつせんばかりにうごきまわり、

 得点とくてんをバッタバッタとかさねてしまうのだ。


 さらに、まずいのは、二枚にまいのマークでは、

 いまの智子を、さえきれなくなっている、事実じじつだ。

 

 智子は、

 試合しあいいのすべてを、背負せおわなくていいという、

 かつて経験けいけんしたことのない、

 シチュエーションでのプレイなので、

 気がラク・・・・・・

 どころか、たのしくて楽しくって、しかたがない。

 プレイにも、自然しぜんと遊びごころが、顔をのぞかせる。

 

 ボールをセンターライン手前てまえまでドリブル、

 ピタッと静止せいし

 せーの!

 とばかりオーバースローで、大遠投だいえんとう

 ボールは一直線いっちょくせんに飛んでいき、

 ボードのストライクゾーンに、

 ドン!とたって、

 ゴールネットをくぐりけた。

 ちょうロング・スリーポイントシュートが、あっさりまった。

 

 以前いぜんから、いっぺん、やってみたかったのだが、

 バスケの神様に、不遜ふそんな気がして、ためらっていたのだ。

 しかし、いまのテンションだったら、

 いけるだろうとふんで、実行じっこうしたら、ごらんのとおり成功せいこうした。

 ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。

 


 A組の代表は、

 絶望ぜつぼうちか表情ひょうじょうを、かべていた。

 こんなプレイを、されては、マークするすべがない。

 スパイダーマンでも、チームメイトにむかれないかぎり、

 智子&優希のコンビネーションを、

 とてもじゃないが、ふせぎようがない。

 

 じわじわとアリ地獄じごくにズリおちてゆく。

 いやァーな気分きぶんが、浸透しんとうし、支配しはいしてくる。

 

 ちゃっかりのユイは、すでに、試合しあいげていた。

 

 ブラスバンドが演奏する、

 『ハートに火をつけて』が、勇壮ゆうそうりひびく。

 

 第3(クォーター)終了。

 C組 71対38 A組

 

 意気消沈いきしょうちんする、A組ベンチとは真逆まぎゃくに、

 C組のベンチは、けたたましいばかりに、もりあがっていた。

 その中心ちゅうしんは、

 特命とくめい宴会部長えんかいぶちょうのサヤカであった。


 だれかが、ひとことはっすると、ドーッ!と笑い声が起こり、

 べつだれかが、なにか言えば、また笑いがはじけ飛ぶ。


 輝く笑顔の、智子と優希・・・そしてC組代表たち。



 A組のリーダーであり、

 バスケ副主将ふくしゅしょうでもある・・・かおるは、

 かねてから、犬城けんじょう優希ゆきという存在そんざいを、

 心良こころよく思っていなかった。

 智子としたしげにはなし、

 楽しそうに笑っている優希を見ると、

 のあたりから、にがいモノが、こみあげてくる。

 

 優希の友達は、智子だけであり、

 智子もまた、優希だけを友達として、い、

 バスケ部員とは、微妙びみょう距離きょりき、

 学園生活がくえんせいかつを送っていた。

 

 

 一年生のときから、レギュラーで活躍かつやくする智子を、

 かおるは、

 まぶしい存在そんざいとしてあこがれ、目標もくひょうとしてきた。


 邪気じゃきのない、

 見るものを、気持ち良くしてしまう、

 キャッチーなポップミュージックのようなプレイ。

 明るくて、小さなことにこだわらない、カラッとした性格せいかく

 気持ちの切りえの、おそろしくはやいところなど、

 その、すべてに、魅了みりょうされた。

 

 シャワールームで、

 湯気ゆげが、もわ~っと、った智子の、

 一糸いっしまとわぬ、

〈大きなマシュマロを、幾層いくそうにも、かさねたような〉

 筋肉美きんにくびを見たとき、

 どうしょうもないほど・・・ココロが・・・ふるえた。

 

 監督のだん先生や、先輩せんぱいたちに可愛いがられ、

 智子は、

 順調じゅんちょうに、その才能さいのうばしてきた。

 

 一年生の時から、薫は、

 雑用ざつようは、彼女のぶんまで、一手いってけ、

 なるべく、未来みらい主将しゅしょう負担ふたんを、かるくしてやり、

 練習れんしゅうに、専念せんねんさせるべく、つとめてきた。


 智子の練習着れんしゅうぎ洗濯せんたくや、

 アイロンがけまで、

 骨身ほねみをおしまず、献身的けんしんてきに、くしてきたつもりだ。


「ありがとう(V)」

 智子は、ニコッと笑って言うと、

 練習に没頭ぼっとうしてしまうのだ。

 

 ただ・・・ひとこと・・・くれるだけだ・・・


 もうすこし・・・ほんのすこし、

 感謝かんしゃ言葉ことばなり、

 行動こうどうなりが、しいと、のぞむのは、

 エゴであろうか?

 

 智子が、試験勉強しけんべんきょうのときに、みせる、

 伝統破でんとうやぶりも、

 かなしく、残念ざんねんだった。


 女子バスケットボール部は、

 以前いぜんから、試験勉強のときは、

 チームメイト一同いちどうあつまり、

 グループ学習がくしゅうおこなうという、

 不文律ふぶんりつがあった。

《勉強でもチームワークを!》

 先輩せんぱいたちが、した、

 ささやかな知恵ちえだった。 


 智子ときたら、そんな伝統でんとうは、

 っとばすように、あっさり無視むし

 犬城優希とふたりだけで、勉強会べんきょうかいを、ひらいていた。

 

 かおるは、それとなく注意したが、

 ガン!としてれなかった。

 ダメなものはダメなのであった。

 それが、彼女のやりかただった。

 こういうときの態度たいどは、断固だんことしたものがあり、

 攻撃的こうげきてきにさえなり、テコでも、うごかなかった。

 

 ショートカットのヘアスタイルが、よく似合にあかおる

 彼女は、特徴とくちょうのあるキリッとした顔に、

 せいいっぱいの笑顔えがおかべ、

 試合をあきらめている、ユイの耳たぶを、

 チョイチョイと引っぱり、はげました。


 チカラの抜けたユイの顔に、

 かすかなみが、かびがった。


 それから、円陣えんじんんで、

 A組代表に、気合きあいを入れた。

「こうなったら、けは関係かんけいない。

全力ぜんりょくをつくしてガンバりましょう!」

主将しゅしょう・・・いやちがった・・・月吉つきよしさんや、

犬城けんじょうさんのプレイを、阻止そしするのは、

いまや、不可能ふかのうちかい」

「しかし、代表選手だいひょうせんしゅとして、じることなく、

むねをはって、たたかいましょう!」

 A組の代表だいひょうたちは、

 ふりしぼるように、声をげて、リーダーにこたえた。


 C組代表も、円陣えんじんんでいた。

 リーダーの智子が、コブシをきだして、気合きあいをれる。

「ブレイク・オン・スルー!」

 メンバーがこたえる。

「トゥー・ジ・アザーサイド!」

 C組代表全員で、グータッチ!



 ラストとなる、第4(クォーター)開始。

 観客の、拍手はくしゅ声援せいえんが、

 場内じょうないにとどろいた。

 


 薫が、(たい)智子に、

 ユイが、(たい)優希に、

 A組が、

 マッチアップ・・・〈一対一〉・・・体制たいせいんだ。

 

 智子と、薫の、視線しせんがぶつかりう!


「(トモコ、高校生活最後こうこうせいかつさいご試合しあい

そう、やすやすと勝たせやしない!)」


「(カオル、三年間ありがとう。

おたがい、いのない試合をしようぜ!)」

 

 ボールは運命うんめいづけられたように、智子のもとへ・・・


 正攻法せいこうほうで、むかえつ智子。

 ドリブルで、ゴールめがけて、まっしぐらに走る。

 

 薫も、その背中せなかを、全力ぜんりょくう。

 いつも、追いつづけてきた・・・あの・・・背中せなかを。

 

 マークをあっさり、りきり、ダンクシュート。

 C組に、加点かてんされる。

  

 かおるが、どんなにちからを、ふりしぼっても、

 いまの智子のプレイを、どうすることも、できなかった。

 まるで、自分たちとは、異次元いじげんで、プレイしているよう。

 

 C組のボール。

 この試合で、バスケにも自信じしんた、

 PGポイントガードのサヤカが、

 たくみにフェイントをきかせ、

〈優希に向けてパス出しをすると見せかけて、智子のほうへ〉

 パスをはなつ。


 優希も、咄嗟とっさ呼吸こきゅうで、

 役者やくしゃぶりを発揮はっきし、

 パスを受けとめるのは、自分であるという、るぎないポーズをとった。


 智子をのぞくく、他のメンバーが、

 優希からのパスちシフトを取るがごとく、

 うまいこと、って見せた。

 

 A組ディフェンスじんの目が、

 一斉いっせいに、

 優希のほうへ向く。


 いきったチームプレイに、笑いを、かみ殺しながら、

 障害物しょうがいぶつなくボールをけた智子は、

 はげしくジグザグドリブルをして、


〈フェイントに、いちはやく気づいた〉

 ディフェンダーのかおるを、


 りまわすだけ振りまわし、

 シュート体勢たいせいはいる。


 薫が、最後さいごの力をふりしぼって、

 身体をし、

 の、

 ゴール阻止そしジャンプを、敢行かんこう

 

 しかし、ボールはゴールではなく、

 サヤカをかいして、

 ワン・ツーパス!

 優希へ、とわたった。

 


 そして、スリー!


 優希はジャンプして、

 ユイの頭上ずじょうを、ふわーっと、え、

 リングにも、れずに、

 ひじょーに、たか地点ちてんから、

 ボールを、ゴールへ、としこんだ。

 

 A組代表たちは、

 もう、お手上てあげだ!という表情で、

 くびを、うなだれてしまった。

 

 薫の心臓しんぞう鼓動こどうが、SOSを発信はっしんしていた。

 エネルギーを消耗しょうもうしつくして、

 コートに、かたヒザをつき、あらいきをしていた。

「これが、私の限界げんかい・・・

やぶることの、できないカベ・・・

・・・主将しゅしょうには・・・

・・・永遠えいえんに・・・いつけないんだ・・・

・・・神様って・・・思いっきり・・・不公平ふこうへい・・・」

 

 

 智子にとって、

 あれほど、むずかしかった、ダンクシュートも、

 いまや、についた、たしかなスキルのひとつ、になっていた。


 ブラスバンドは、ドアーズのメドレーを、演奏えんそうしていた。

 

 智子&優希が、

 交互こうごに、ダンクシュートを、ほうりこみ、

 必殺ひっさつの<招きネコ>ポーズをめる。

 

 華麗かれいなる競演きょうえんで、

 体育館たいいくかんを、かせていた。


 ブラスバンドの、音楽にわせ、

 観客かんきゃくは、ウチワを、リズムよくり、

「智子ーっ!!」「優希ーっ!!」

 とがる。


 ふたりは声援せいえんに、バッチシ!こたえ、

 かたみ、

 二体にたいの招きネコポーズでもって、エンターテイメント!


 智子の母親は、

 大喜おおよろこびで、

 しみのない拍手はくしゅを、おくつづける。

 ブレス同様どうよう

 拍手はくしゅ音圧おんあつも、相当そうとうなものであった。


 けに勝った、かい先生とだん先生。

 二人の同士どうしは、あつ握手あくしゅを、かわした。

 


 超人気ちょうにんきアーチストの、

 ライブなみに、り上がっている、体育館たいいくかん

 

 そのぐちに、

 ひとりの男子生徒だんしせいとが、姿を、あらわした。


 周囲しゅうい空気くうきが・・・一変いっぺんした。

 

 彼は、ひどくほそり、

 ほおはこけ、

 無精ぶしょうひげを、やしていた。


 その表情ひょうじょうには、

 すごみが、刻印こくいんされ、

 目は、よるつきのように、

 あやしい光を、びていた。


 

 かれは、視線しせんを、

 コートじょう一点いってんへ、けた。

 

 

 男子生徒だんしえいとは・・・

 ・・・火鳥翔ひどりしょう・・・といった。

 



 


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