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その知らせは突然に

ーきっぱりはっきり、断られてしまった。これは、説得するしかないのか…?



「理由聞いてもいいか?」

「あなたに理由をいうほど暇じゃないの。あぁ、もう、理論上は問題なさそうなのに。」

そっけなく答えて手元の紙に視線を戻してしまった。あんなに決心して言ったのにこの反応って…

「ていうか、なにやってんの?」

手元の紙を指して聞いてみた。

「あぁ、これは応用魔法の研究。今回は風属性で援護と攻撃をまぜた魔法の予定なんだけど…」

攻撃、一応専門分野だな。

「ちょっとかして。」

あっ、とかいってるけど取り上げる。だって、ここまで無視されてそろそろ何かしら役に立つ会話したいし。

ふーん、なるほどな。

「これ、出力の形が悪いんじゃないのか?」

見た感じ、構造の組み立てはいいけど風に波を与えてってやり方じゃ攻撃としては切り替えの時に力が別の方向へ行く可能性が高いからなぁ。



「ねぇ、サーファスって魔法得意なの?」

「あー、一応ウォンティアだし攻撃魔法は…あとコントロールは良い方だな。」

そういったらレシェナの目がキラキラ光っていた。


「なら、しばらく手伝いなさい。そしたら結婚のこともう一回考えてあげる。」

そんなことで残り10日間、何故かレシェナの研究に付き合うことになったのだった。





「こう?」

「もっと全体に行くようにかつポイント決めて」

水の攻撃魔法で手本を見せる。練習を初めて3日。レシェナはまだコツがつかめないようだった。

「あー、もう一回攻撃魔法の練習からのほうがいいのかな…」

確かにレシェナの魔法は強く援護系に関してはある程度使えているようだが攻撃系に関してはイマイチ使いこなせていないようにみえる。

「風は目に見えづらいからなぁ。」

基本的に魔法は目に見えたほうが扱いやすい傾向にある。


「サーファスはコントロールすごくいいよね。」

「まぁ、一応は目に見えるし。昔から細かい扱いは得意なんだよ。」

恨めしそうな目で見られる。

うーん、あの魔法の使い方は隠しておくか。




それから、攻撃魔法のレクチャーをしてある程度うまくなった時点で滞在期間はあと5日になっていた。

「んー、いいとこまで来てるんだけど…」

あと一歩。やっぱり、出力の仕方の問題なのかもしれない。

「イメージとしてはもっと波なんだけど…風で波って言ってもなぁ。」

水なら波でもイメージしやすいんだけど。

「うー、あ!そういえば、あたし今日の午後お姉ちゃんと市街地視察に行かなきゃいけないから午後はいいわ。」

「了解。」

王女さんも大変だな…



そして、異変は起こった。

「失礼します、サーファスさま。少々よろしいでしょうか?」

部屋でゆっくりとしていると突然やってきたのはウィンディアのメイド。それも制服を見るに女王付きのだった。

「大丈夫ですけど、どうかしましたか?」

開かれた扉から感じる城の雰囲気がいつもと違ってどこか落ち着きのないものに変わっていた。それも、良くない気配を感じさせる方向に。


「単刀直入に完結に申し上げます。市街地の視察中にラシュリさま、レシェナさまが誘拐されました。」




予想外の言葉に頭を殴られたようだった。

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