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運命の人に出会うまで

妖精たちのオラトリオの番外編ですが本編を読んでいなくても全く大丈夫です。

ーそれは一目惚れだった。



「ウィンディアへの訪問ですか?」

ここは妖精世界にある水の妖精の国:ウォンティアの王が住まう居城。

そして、王の間には王と政務官、衛兵のほかに水色の長めの髪に海のような瞳の美しい青年が1人いた。


「うむ。ウィンディアは我が国の1番の友好国だからな。久しく訪問もしていないしそろそろ国も落ち着いたころだろうしな。」

妖精世界にある国は土を司るアーシア、炎を司るファイアリア、風を司るウィンディア、そして水を司るウォンティアの4つ。一応、中央には光を司る妖精女王(ティターニア)が住んでいるといわれているが基本的に情勢に関係するのはこの4つの国である。


そして、ウィンディアは古くからの友好国。国交も交流も盛んだ。しかし、5年前に若くして国王が亡くなりその妻が女王として即位してからはウィンディア国内が安定しておらず長い間、訪問できないでいたのだ。


「わかりました。ちなみにそれは王の近衛隊副隊長としてですか?それとも王子としてですか?」

そう、現在王に謁見しているのは王の近衛隊の副隊長であり、王の一人息子で第一王子のサーファスだった。王族が近衛隊というのも変だがこれが慣習だからしかたがない。それに、本人も近衛隊は性にあっているようだが。

「今回は基本的には王子としてだ。だが、あくまでも基本的にだ。」

「御意。」

サーファスは臣下としての礼をとると王の間を後にした。


「ウィンディアか…」

サーファスは自室に戻っていた。

いつもなら近衛隊の館にいるのだが今日から訪問に行く者は休暇をもらったため王子の館の方に帰っていた。

ふっと何かを思い出したと思うと広い部屋にある大きな本棚のなかから1冊のアルバムを取り出した。

「懐かしいな。」

サーファスがウィンディアに行くのは今回で2度目。1回目はまだ幼い頃。まだ、5歳くらいだったころだ。その頃はまだ王も健在で女王は王妃だったけど…

写真はウィンディアの美しい庭。噴水や池などを主体としたウォンティアと違い緑の綺麗な庭だった。ページをめくっていくとウォンティアとウィンディアの王、王妃、そして王子であるサーファスとサーファスよりも2歳ほど幼い少女が写っていた。


「そういえば、ウィンディアには王女さまが2人いるんだっけ…」

1人はこの写真に写る少女。もう1人はそれから1年後に産まれたと聞いた。

「てことは、俺が今19だからこの時の子はもう17か…うわ、妹姫まだ14?」

年取ったなぁ。

サーファスの机の上にはたくさんのお見合い写真。20で正式に次期王となることはもう内定。そのため娘を王妃にと考えるものは多いようだ。もっとも、父も母も無理に結婚しろ、とは言わないが。


「あの子、元気かな?」

あの子とはもちろんウィンディアの姉姫。あの頃は人見知りであまり近づいてきてくれなかったが今度は普通に話してみたい、単純にそう思う。他の同年代の王族に会うことなんて滅多にないからだろう。


さて、運命の人に出会うまであと少し。

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