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黒天白地 とある少女たちの物語  作者: たーじ
一縷の光の少女
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一縷の光の少女 5

結局、誘いには乗ることにした。真正面から向かっていく。あの不自然な雲はおそらく爆発時の煙。隠密で行動しつつ、広場へ。

案の定、広場のど真ん中に彩萌は佇んでいた。


しかしその姿にはいつもの彩萌の気配はない。


その姿を有栖は知っている。

「・・・・・・あれ、まさか、」

彩萌の背中にあるものは、

「流星解放状態か!?」

背中には蒼い噴射が翼のように淡く輝き、上を向いたそれは、さぞかし天使のように見えた。

流星解放状態。

人々は必ず何らかの体質を持つ。ある特定の魔法や動作によって体質が顕現し、発動するものだ。有栖はまだ見つけていない。

彩萌の体質は解放系に属する。効果はその象徴の力を借りる。

最終的に二つとして同じ能力は無いが、いくつかにジャンルを分けていくことができる。彩萌の場合、象徴は「彗星」「流れ星」。意味は「瞬間」「衝突」「破壊」「追放」。具体的な効果は「ごく短い間だけ超高速行動が出来、魔法の使用に制限がなくなるが、効果終了時に昏倒する」だったと思う。この能力は 解放系>蒼穹の象徴>星 に分類され、極めて強力でハイリスクなのが特徴だ。

ちなみに有栖は 解放系>運命の象徴>天罰 に属するらしいのだがまだ発動キーを知らないから体質は使えない。これは大きなハンディキャップだ。だからと言って負ける気はしないけど。

おまけにこちらには気づいていない。ならば、

「完全!覇王の一撃(サバクト・エウリカベラ)!」

有栖は絶対の自信を伴って放つ。有栖の最強の大技、覇王の一撃(サバクト・エウリカベラ)。空間に大ダメージを与える術で空間にダメージを与える以上、通常の防御は成立しない。というか、防御できない。

「ドゴオオオオオオオン!!!!!!!!!」

ありえないレベルの轟音が響く。目の前は粉塵が立ち込め、まともに視認できない。この粉塵さえも粉々に砕け、目の前は黄土色の壁でもあるかのようになめらかな見た目のドームが形成されていた。

これで決まった。そう思っていた。

確かにそう思っていた。

しかし気づいていただろうか。なぜ効果終了時に昏倒するのにあらかじめ打っておいたのか。


聖域(サンクチュアリ)。」

「!?」

彩萌の術だ。あれだけの業を受けてケロッとしている!?


「なんで!?」

自分に問い掛けたが答えはすぐに帰ってきた。

「そうか、追放!あの力だ!だとすると、まずい!?」

彗星の象徴、「追放」。その場から追い出されること。その象徴を逆に利用して空間から自分の身を一時的に守ったに違いない。

有栖はコアを18も使ってしまった。対し彩萌は体質によって一時的とはいえ無限に魔法が使える、それに聖域も使用。攻撃は通らない。その彩萌は。ゆっくりと動く。その動きは敗北への案内人だと思う。そして。

逆説(パラドックス)・Re.0!」

「ぁっ・・・・・・?が・・・・・・ぁっ・・・・・・」

直後、聖域が一転、地獄と化した。有栖の意識はたったの一撃で遠のいた。


彩萌が使ったのは反転魔法「逆説(パラドックス)」。すでにある呪文の「一部分の共通点」を除いたすべてを反転させる術式。今は「聖なる光でありとあらゆる物が傷から守られる聖域」を「闇の力でありとあらゆるものに傷を与える地獄」に書き換えたわけである。

地獄はいまだ猛威を振るう。と、

中断(ブレイク)。」

唐突に彩萌の声が響き、地獄が消えた。と同時に有栖も消えていく。

「戦闘演習者・紀里谷 有栖 様に一定以上のダメージが確認されました。戦闘演習終了します。繰り返します・・・・・・」

機械的なアナウンスが響く。直後彩萌もワープさせられた。


「お疲れ。強くなったね。・・・・・・昔は簡単にあしらえたのになぁ。」

「えへへ。偶然だって。有栖が油断しただけだと思うよ。」

「ところでさ、何で最後中断(ブレイク)したの?」

「・・・・・・あれ以上攻撃したくなかったから。一時的に敵になったとはいえ、仲間でしょ。あれ以上傷つけたくなかった。・・・・・・あれは苦しいでしょ。」

「そう、相変わらずだね。ありがと。・・・・・・あと、逆説(パラドックス)。だっけ?あれ教えてくれない?」

「ぇ?いいけど。でもあれすごい使いづらいよ?」

「?」

逆説(パラドックス)は魔法のデータのすべてを逆にした効果を与える。逆があるものだけだけどね。例えば、形には逆は無いからそのまま。けど属性には逆、すなわち反属性に書き換えられる。」

「??それってすごい便利じゃない?」

「ところがところが。当然向きに逆はある。そして、効果にも逆がある。」

「・・・・・・あ!」

「そういうこと。仮に相手から「炎の矢による攻撃魔法」を打たれ、逆説(パラドックス)を掛けると「氷の矢による回復魔法」が相手に返っていく。・・・・・・はっきり言って意味ないね。」

「なるほどね。まあ、使いどころは後で考えるとして知っといて損はなさそうだね。いずれにせよ教えて?」

「いいけど、遷炎無双(レーヴァディン)も教えてくれない?あれ強いね。戦力にできそう。」

「いいよ。あれ消費激しいから・・・・・・・・・・・・」


そんなこんなで反省会が続く。


戦闘終了。

意外とすらすら書けました。

彩萌の解放は強いですが誰でも戦士なら撃つことはできます。

発動キーさえ知っていれば。

ヒロインの残り2人の能力は何でしょうか?(実は燐はすでに使っています。探してみてください。)


次話もどうぞよろしくお願いします。

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