一縷の光の少女 4
「・・・・・・しかしまあ、ダメージのたまり切ったこのボロッボロの体、どうにかしないとなあ・・・・・・。」
そうぼやく彩萌は茂みに身を隠し体力の回復をしていた。
あれだけ派手になぎ倒されたのに戦闘不能にならないとはさすがは彩萌である。しかしそれでもダメージはかなり大きいか。
ふと一瞬有栖のことが頭に浮かんだがすぐに忘れた。どうせ向こうはまだコア2個余らせていたわけだし、緩衝気体を使って無傷だろう。
「今のコアは・・・・・・3か。3あるなら回復使えるけど、それで場所がばれたらまずいしなあ・・・・・・どうしよう・・・・・・」
はっきり言って彩萌は劣勢だ。無理もないが。
「ここは待つか。・・・・・・ッ痛。」
こめかみに若干の痛みが走る。さっき強打したところだ。と同時に視界もぶれる。今向かうのは自殺行為だろう。
「はあ、対策練っておくか。」
その頃
金髪ショートの碧眼ローブの人形、もとい、有栖は。
「うし、ちょっくら偵察しますか。」
なぜかそっくりな人形に変身して、彩萌の捜索をしていた。
「人形操作・・・・・・ねえ。こういう時に役立つなあ。」
いや、変身しているわけではない。意識を移しているだけだ。
人形操作・・・・・・コスト1の魔法。人形と五感を共有し、30分意のままに操る術だ。便利なのが人形であればどんな形、どんな大きさでも操ることができること。もっとも人型以外だと歩き方すらわからず動けなくなって意味がほぼなくなるが。
今の有栖のコアは3。無駄遣いは避けたいが。
「まずは彩萌の行動をみるのが先決。かな?」
もしも特攻仕掛けてきているのならまずい。しっかりと入念な準備をしてから望むべきだ。
とは思ったものの、見つからない。
「そろそろ効果時間かな?動いていないと判断するべきだな。」
早計はまずいが、今コアは20個すべてある。負ける要素は少ないか。
と思いつつ陰に潜んでいた有栖は、
「ズッドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!」
物凄い音にびっくりしてあわてて転げた。
「!?」
急いで周りを見渡すも、彩萌はいない。と、ふと上空を見れば不自然な雲が見える。
「・・・・・・なるほど、十中八九誘ってるな。」
この誘いは乗るか蹴るか、その時点で戦いは始まっている。
状況
彩萌:コア ??個 場所 ??
有栖:コア 20個 場所 茂みの中
短いです。
色々調整中です。
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