第2話 人?それとも猫?
「うぅ・・・」
俺は柔らかいベッドのなかで目を覚ました。
そして眼がさめるまでぼーっとしてから昨日レースさんに言われたとうりに一階のリビングに降りて行った。
「おはようございます」
おれはリビングのテーブルで本を読んでいたレースさんに朝の挨拶をした。
そのテーブルの上には朝食と思われるものがあった。メニューはパンとサラダ・・・だと思う。
そもそもこの世界の食文化が俺のいた世界と同じだという保証はないので食べることに対する不安はあるがレースさんが作ってく
れた料理なのだ。命の恩人の料理を食べないわけにはいかない。
「朝食は作っておきましたので食べてくださいね、食べなければ傷の治りも遅いですよ」
レースさんは笑顔で料理を進めてくる、そんな中俺はテーブルに着くと顔は笑いながらも内心ビビりながら料理を口に運んだ。
しかし料理は予想とは違いいたって普通の味だった、俺は腹も減っていたので朝食すぐに食べ終えた。
「ごちそうさまでした、おいしかったですよ」
おれは朝早く起きて料理を作ってもらった礼を言った。
「お粗末さまです♪それと一つお聞きしたいのですが・・・」
レースさんは少し考えるようなそぶりを見せた後に俺に問いかけてきた。
「あなたのお名前を教えていただいてよろしいですか?」
「はい?!」
「いえ・・・まだお名前を伺っていなかったものですから」
ま・・・まじですか、俺って自己紹介してなかったの!?
「すいません言い忘れてました! 俺の名前は黒川 宙希です」
俺は昨日できる限りこの異様な状況を冷静に対処したはずだったのにこんなミスをしてしまうとは・・・
「よろしくお願いしますね ヒロキ、それと私のことは別にさん付けしなくてもいいですよ♪」
レースさん・・・俺が名前を言い忘れていたというのにあれだけ優しく接してくれたか・・・なんて寛大な人だ。
「では私は片付けをしますのでヒロキはその辺でくつろいでいてくれてかまいませんよ」
レースさんはそう言って食器をかたずけようと席を立つ、俺だってただ飯食わせてもらってんだから手伝わねば!
「レースさ・・・レース、俺に手伝えることない?」
そう言いながら俺も慌てて席を立つ。
それえとさっきさん付けしなくていいと言われたので試しに呼び捨てしてみたぜ。
するとレースが振り返り笑顔で振り返ってくれた、呼び捨てされてうれしいのか?
「優しいんですね・・・でも特に手伝っていただくようなことはないですからお気になさらず」
そう言われても漢ヒロキここで手伝わねば漢が泣くぜ。
俺はレースから食器を取ろうとしていた・・・
「「あっ」」
そんなことをしていたら二人の足が絡まって転んでしまった。
俺はレースの上に倒れそうになったので腕をレースの横に付き押しつぶさないようにした。
危なく女性を押しつぶすところだったぜ、俺はホッとしつつも顔をあげた。
しかし俺は気づいてしまったのだ、自分がいまどのような体勢なのかを。
・・・ガチャ
その時ふいに扉が開く音がした。
「やっほ〜♪ レースちゃんいる?」
そう言って扉から誰かが入ってきてしまった、よりによってこの状況で。
その人物は扉を開けた瞬間この状態を見てしまったのだろう、さっきから何も反応がない。
レースは顔を赤くして固まっているのでこの状況を打破できるのは俺だけなのであろうか。
俺はこの状況から脱出すべく侵入者Aのほうを向いた。
現状報告:侵入者Aは背が低い、おそらく140センチくらいであろう。今は俺が見上げる形になっているから相手の全体像がはっきりとは見えません、報告終わり。
俺が現実逃避をしている間に侵入者Aは大分落ち着いたようでこちらを指さしながらわなわなとふるわせている。
「レ・・・レースちゃんが襲われてる〜!」
そう言った侵入者Aは俺にとびかかってきた。って襲ってないよ!
しかし侵入者Aは俺が口を開く暇を与えてくれず俺をひっかいてくる。
地味に痛いぜ・・・
「ちょっと・・・ラピスやめなさい!」
レースがそう言うと侵入者Aの動きが止まった。
「ふにゃ!? レースちゃん大丈夫なの?」
ラピスと言われた少女は俺の上から降りるとレースのところにちょこちょこと駆けて行った。
「痛いぜ・・・」
俺は不満を言いつつも起き上がって少女とレースのほうを見た。
「ヒロキ大丈夫ですか?」
相変わらずレースは優しいなぁ・・・それに引き替え少女のほうは尻尾を立ててこっちを警戒しているようだ。
尻尾!?
少女にはこっちで言う哺乳類ネコ科に属する四足動物についているような猫耳(?)と尻尾が付いていた。
そして俺はいきなりの猫娘登場に思考が付いていけなくて口をあんぐりと開けていることしかできなかった・・・
「ヒロキ・・・」
レースは少し気まずそうにこっちを見ているがやがて猫耳少女に対してなにか注意をしていたようだが今の俺はその言葉を聞き取れるほどの気力は残っていなかった。
・・・
・・
・
「ごめんなさい・・・」
レースのお説教(?)が終わり俺のほうに駆けてきた少女は上目遣いで俺に誤ってきた。
か・・・可愛いぜ、たとえるなら生まれて間もない子猫を見るような気持ちだ。自分の意志とは関係なく手が伸びて頭をなでそうになる。
「いや・・・いい、きにすんな」
俺はそう言って頭に手を乗せたがまだ尻尾は力なく垂れていた、落ち込んでいるのだろう。
そのあと俺とレースは落ち込んだ猫耳少女を励ますために悪戦苦闘することになったのは言うまでもない。
少女が機嫌を直してくれたのはそれから数時間後だったがな・・・
その後俺たちはくだらないことを言いつつ遅めの昼食をとった。
・・・
・・
・
さらに数時間後俺は少女を励ますときに家まで送ることを約束していたので少女と話しながら川沿いを歩いていた。
「そうか、お前はラピスって言うんだな」
「うん♪ラピス・ヴェラーだよ〜」
ここにきてようやく猫耳少女の名前が判明した。
「ヒロキって名前珍しいね〜」
まぁこの世界の人間じゃないしなぁ・・・
「そ・・・そうかな」
「そうだよ〜でもいい名前だよ♪」
きっと根拠はないだろう、理由が俺はそう理解した。
「で、お前の家ってどこなんだ?」
「あれだよ〜」
そういって指をさした先にあるのは「お城」だった。
そして巨大な門が見えた時「ここまででいいよ〜」と言って走って行ってしまった。
あの性格でお嬢様か・・・執事さんの大変そうな姿が目に浮かぶぜ。
俺は執事さん&メイドさんに同情しながら帰路についた。
後で聞いて驚いたのだがラピスは俺と同い年らしい・・・まじか!?
ちなみにレースさんの年を聞いたらビンタをくらい2メートル弾き飛ばされました。
ビンタで吹っ飛ぶなんて・・・
レースさんの手を一回良く見てみたいと思った一日だ




