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とある探偵の事件簿  作者: いせうゅり


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2/2

忘(ii)

こっちは週一くらいで更新します

信頼のできる澪と連絡が取れ、安心して少し息をつく。

あとは怪しいのは消去法的に小中学校の同級生か大学の知り合いだろう。

知り合いに限っているのは、さっき自分の死体を見たときは顔が自分と確信できるようだったが、ニュースでは自分の顔が判別できないといっていたからである。

同じ理由で、これは殺人だということも断定できるだろう。

ただ、大学は人が多すぎるから、犯人がいたとしても絞り込むことが難しい。

また、大学の知り合いで僕を殺す動機がある人が多すぎるからその中からだとしても絞りづらい。

強いて言えば、二人挙げることができる。

一人目は、僕がその人の彼女を寝取ってしまった先輩だ。

宮下透という名前で、すごく明るくていい人で彼女とも本当に仲が良かったが、僕がその彼女を寝取ったことでかなりやつれて内気な性格になってしまったらしい。

だが、最近は少しもとのような明るい性格に戻ってきているようだ。

もし、この先輩が僕のことを殺したのだったら、八つ当たりにも程がある。

もう一人は、澪も僕との関係を知らないはずの高校時代の同級生だ。

佐倉恒一という名前で言ってしまえば優等生というようなやつだ。

僕がそいつの万引き現場をたまたま見ていたため、そこを写真で撮って、高校卒業までずっとそのことで金をゆすっていた。

仕方ないだろう、当時の彼女と遊ぶときにも金は必要だったし、そいつも僕が言わなかったおかげで推薦で大学に行くことができた。

正直、この二人以外には大して恨まれているような人はいないはずだ。

宮下さんとは、僕は正直あまり接点がない。

そのため、先に佐倉を調べることにした。

だが、佐倉は僕の通っている大学を知らないはずだし、僕の家も知らないはずだ。

怪しい人で僕の家を知っている可能性があるのは、宮下さんは同じ大学だから可能性はあるが、他に佐倉に僕の家を教えることができる可能性があるのは高校のクラスメイトでも澪と迅くらいしかいない。

迅が僕の家を誰かに教えるわけがないから、疑うとすれば、澪が聞かれて教えてしまったという可能性くらいだ。

澪には、佐倉に僕の家や大学を聞かれて教えたことがあるかを聞いた。


澪からの返信があるまでやることがないから部屋の掃除でもしてると、五分もしないうちに、返信があった。

一回だけ、佐倉に僕の大学を聞かれたことがあるらしい。

そのときに答えてしまったようだ。

だが、これだけで佐倉が犯人だとは断言ができない。

佐倉の連絡先は持っているから、アリバイを確認するしかない。

案外すぐに返事は来た。

佐倉に昨夜何をしていたか聞くと、家にいたと言っていた。

家にいたという証明はできないが、正直殺す動機も濃いわけではないだろうし、大学は遠くにあるため、犯人候補からは一旦除いておこう。

より怪しい人がいないのなら、佐倉は犯人だと推測できる。

ただ、問題は宮下さんの方だ。

彼女を寝取られたことでやつれてしまうほど悲しんだ人が復讐をしないと断言できるだろうか。

最近、明るくなったのもこの復讐を考えていたからだとも考えられる。

宮下さんが僕を殺したという証拠を集める必要がある。

まずはアリバイだ。

僕はもちろん宮下さんの連絡先など持っているわけがないため、彼の元カノに頼んで調べてもらう。

彼女は僕が連絡するとすぐに返信をしてくれる。

彼女に頼んで宮下さんが昨日どこにいたのか調べてもらうと、彼が三日ほど行方不明であることがわかった。

行方不明であるということは、現段階では一番怪しい人である。

今からは行方不明である宮下さんを犯人と仮定して捜査をすることに決めた。

宮下さんの周囲を調べるために、何人かの大学の友人に宮下さんがいなくなったことについて聞くことにした。

宮下さんが行った場所の見当をつけるために、彼女から彼の家の場所を聞いた。

マップで場所を確認すると、その家は僕の家から一駅離れたところにあり、大学から徒歩で五、六分程度の場所にあるいかにも学生御用達といったようなそこそこ安価なアパートという印象をうける。

念の為、護身用にカッターナイフをポケットの中に入れて、早速家を出た。

例のビルを通り過ぎて駅へ向かう。

あのビルは、昼前ののどかな街にはより寂れて見えた。

冬の雲一つない青空には似合わないビルだ。

冬の心地よい日差しは、自分のこの行動を後押ししているように感じられた。


駅に着き、電車に乗り込む。

ふと向かい側のホームの電車を見ると、澪と佐倉がいた。

澪と佐倉がなぜここにいるのかわからないが、今は宮下さんのことの方が先だと思い、このことは一旦忘れて電車のドアが閉まるのを待つ。

気になってしまうと、閉まるまでの時間が長く感じられる。

ドアは閉まった。

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