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2.狂愛に堕ちる

2022年5月13日




倉庫での戦いが終わり、夕暮れに照らされていた薄暗い空間は、あっという間に月の照らす光に支配されていた。今、この場には僕しかいない。




円柱頭の怪物を倒した桜花さんは、倉庫の入り口近くに隠れていた僕に気が付かずに立ち去った。僕はここを立ち去る気になれず、彼女の戦いでボロボロになった倉庫を呆然と眺めていた。





「...僕の好きな人は魔法少女だった...」





僕をいじめから救ってくれた心優しい美少女の裏の顔。それは、怪人を残虐に倒す魔法少女だった。この世界にはアニメのような非日常が実在し、彼女はその非日常の主人公だったのだ。





「はははっ......!惚れ直しちゃったよ!」





彼女の戦う姿は恐ろしく、そして美しかった!元から好きだったのにさらに好きになった!




そして――自分でも信じられないほど、邪な欲望を抱いてしまった!最低最悪な欲望を!





「恋人になりたい!彼女とってかけがえのない人になりたい!そして......そしてっ!」





僕は自己分析が得意だから分かる。彼女が魔法少女として戦う姿に惚れて、狂った。





「魔法少女として戦う彼女に殺されたい...!」





華麗に戦う彼女に殺されたい!




桜花 京香という人間の人生に、彼女の記憶に大きな跡を残す存在になりたい!まさしく、僕が最低最悪の恋心を抱いた瞬間だった!





「決めたよ...!僕は変わるぞ、君に相応しい伊達男になるよ...!魔法少女として戦う君に相応しい、最低最悪の宿敵になろう!だから...だからっ!」





誰もいない倉庫で僕は叫んだ!


必ず成し遂げる、歪んだ望みを!





「僕を殺して桜花さん!」





高嶺の花を追いかけて諦めかけていた少年は、その日その瞬間より、己の歪んだ野望を叶えるために奔走する狂人に生まれ変わった!




この物語は、狂愛に堕ちた青年が多くの人生を狂わせながら突き進む、波乱に満ちたラブコメバトル自殺ファンタジーである!





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