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創はやっぱり性格が悪い

 空から落下してきたものはなんと、アドニア王国の王妃であった。


 アドニアス6世は落ちてきたものが王妃であると分かると、急いで近づこうとする。


 教皇も最初はその行為に何も思わなかった。


 それは至って普通の行為だ。


 自分の妻がボロボロなのだから心配で近づくのは当たり前だろう。


 だが、妙な胸騒ぎがする。


 これから何か起きるような。


 そして、教皇はその胸騒ぎの正体に気づく。


 それと同時に、


「今すぐアドニアスを止めろ!!王妃に近づけさせるな!!」


 近くにいた聖騎士たちにアドニアス6世のことを止めるように命令する。


 普段は声を荒げるようなことをしない教皇が声を荒げ、自分たちに命令を下してきた。


 そのことに驚いた聖騎士たちであったが、それでも行動に支障が出ることはない。


 聖騎士たちは命令されると同時にアドニアス6世に接近する。


 そして、王妃に近づこうとするアドニアス6世を無理矢理押さえつけた。


 いきなり押さえつけられたアドニアス6世は抵抗することなく、その場に這いつくばる。


 だが、アドニアス6世は自分が押さえつけられた理由が分からない。


 そのため、必死に拘束を解こうともがき出すのだが、アドニアス6世の力では聖騎士の拘束を解けない。


 なので、アドニアス6世は声を荒げて拘束を解くように命令しようとした時、


「アドニアス…助けーーー」


 王妃の助けを求める声を掻き消すように轟音と共に空から何かが降ってくる。


 そして、その何かは王妃の胸を貫き、王妃を地面に磔にした。


 その何かの正体は剣であった。


 剣に貫かれた王妃は痙攣している。


 これは絶対に助からないだろう。


 教皇がそう思った時、さらに空から大量の剣が降り注ぎ、王妃の体をズタズタに切り裂いていく。


 そして、王妃の頭以外は挽肉にされてしまった。


 あまりにもグロテスクな光景に何度も戦場に出て戦闘を積み、死への耐性をつけている聖騎士ですら耐えられなかった。


 だが、教皇は持ち前の胆力で何とか耐える。


 唯一残った王妃の頭は一人でに動き出す。


 そして、アドニアス6世の前まで転がってくると、


『おい、まだか?』


 いきなり王妃が話し始めた。


 その声は彼女のものではなく、男性のものであった。


 そして、アドニアス6世はこの男の声に聞き覚えがあった。


 その声の主人は創だ。


 今のは間違いなく創の声だった。


 アドニアス6世の顔は一気に悪くなる。


 一方、教皇も顔色が悪くはなっていたものの様々な感情が入り乱れる複雑な表情を浮かべていた。


 教皇は宗教のトップを張っていることもあり、この世界の創造神と会ったことがある。


 いやまた、これは彼が教皇だからではなく、他の理由があるのだがな。


 そのため、教皇は神がどれほど規格外な存在なのか嫌というほど分かっている。


 そして、教皇は創の存在にすぐに気付いた。


 王妃の頭から漏れ出す圧倒的な神気に。


 それはこの世界の創造神とは格別な力の持ち主であると。


 それぞれが創に気を取られていると、


『ああ、言い忘れてたけど、暇だったから王都の方は俺が改造しておいたから。それで、転移魔法陣の位置も王都の外にずらしたから、やっぱり少しくらいなら遅れても大丈夫だ』


 創は王妃の頭を使って自分の伝えたいことを一方的に押し付けていく。


 どうやら、アドニアス6世が帰ってくるのが遅かったため、王都を自分好みに改造したそうだ。


 きっと、趣味の悪い建物が立ち並ぶ町に様変わりしているだろう。


 それに伴って、アドニアス6世が使った転移魔法陣の位置を王都の外に移したそうだ。


 なので、創は少しくらいなら遅れても構わないということを伝えた。


 そうして、創が伝えたいことを全て伝え終わると、王妃の頭は白目を剥きながら彼女の声で発狂し始める。


 それと同時に、王妃の頭はどんどん肥大化していく。


 その後の展開など誰でも予想できるだろう。


 王妃の頭はどんどん肥大化していき、直径50センチメートルを超えたところで爆発した。


 爆発した頭からは血肉が飛び散り、脳みそもポップコーンのように弾け飛ぶ。


 そうして、王妃の体は結局原型を留めることはなかったのだった。


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