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転生魔法兵ラダルは魔力が少ない!だから俺に魔力を分けてくれ!!  作者: 鬼戸アキラ
第三章 ラダルと武商旅団
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月影の魔術師

いよいよ作戦の決行と結果です。

深夜、見張りの交代時刻になり交代が終わってしばらくしてから『十三(じゅうぞう)』の狙撃が始まった。魔法銃からバレットが射出される際には音が出ないので、この様な作戦には持って来いの武器である。正確無比に見張りの頭を撃ち抜いて沈黙させる『十三(じゅうぞう)』は正にスナイパーだ。今度太い眉でも付けるか?一つ目だけど……。


俺は『隠密』を発動して砦の中に潜入すると【エナジードレイン】を発動して砦内部の全ての兵士達を指定する。本当は外から【エナジードレイン】を発動して指定出来れば良いのだが、この様な砦や大きい建物だと認識出来ない“漏れ”が出てしまう。その為に中に潜入する必要が出てくるのだ。

そして俺はそのまま馬車が置いてある部屋まで入り、そのままじっと待つ。


そして……1時間ほど経つと兵士達が原因不明の気だるさを感じて身体が自由に動かなくなる……よし、今だ!


『ニャアアア!!!』


表で巨大化したキラがブレスを吐いて暴れ出した。すると

調子の悪そうな兵士達がヨロヨロと出てくる。そこにすかさずアシュのおっちゃんが兵士達をハルバートで斬り倒していく。

外に気を取られてる内に俺はその部屋の馬車の車輪をバレットで破壊して馬を逃がす。

そして俺はそのまま物資が置いてある部屋へと向かった。


すると俺より先にその部屋に入ってる先客が居た!ソイツはいきなり俺に向かってファイヤーボールを飛ばしてくる!しかも無詠唱である。

俺は月光のマントでファイヤーボールを受け止めながら、『溶岩弾(マグマバレット)』を連射するがソイツが持ってた妙な壺?に吸い込まれる!何だありゃあ??

ソイツが更に小型のナイフを投げ付けてくるのを月光マントで防ぎながら、バットアックスの金槌でソイツをぶん殴るが『陽炎』を掛けて居たようで中々当たらない!

俺は『千仞』で落とそうとしたが、それも見破られて避けられる。だが、それはフェイクで避けたそこに俺が飛ばしたバットアックスが迫っていた!!

それも避けようとしたがバットアックスは相手に向かって行くので逃げられない!


『カキーン!!』


奴が右手の篭手でバットアックスを受け止めたが、その勢いで体勢を崩した!ソコをすかさず走って行った俺が金槌でぶん殴ると、左手の篭手で受け止めたがそのまま吹っ飛んだ!手応え有り!!

ところがソイツはそのままクルっと空中で一回転して壁に着地する様に衝撃を殺した!そして俺に向かって飛んで来る!


『ガキーン!!』


奴が抜いた三日月刀と俺の金槌が当たり火花が散った!だが、奴は後ろから

来たバットアックスに腕を切り付けられた!


「くっ!!」


金槌に戻ったバットアックスで再び切り付けようとしたが、奴はそのまま部屋から逃走してしまった!クソっ!逃がしたか……。

見ると奴は机の上にあった魔導袋を持って行った様だ……やられたなぁ……。だが、奴は机の下に有った魔導袋二つは持ち帰れなかった様で残されていた。まあ、コレで勘弁してやんよ!

そして、俺の魔導袋に物資を入れるのだが……やはり棺桶をどうするかなんだよな……。魔導袋に入ったから生き物は入っては居ないようだ。『眼』が調べた時に塩と酒があったのでそれを詰め込めれるだけ入れて部屋から撤収する。


表に出るとヘトヘトの兵士達が反撃しているがキラには通用せずにやられまくっている。

アシュのおっちゃんは?と思ってると、俺が逃がしたと思われる馬に乗ってアシュのおっちゃんが、兵士達を馬上からハルバートでボコボコにしていた。


《皆、撤収するの》


頭の中に『眼』の声が響く。

アシュのおっちゃんは俺の方にやって来て馬に乗せてくれた。そしてそのまま俺達は逃げ出したのだった。


途中で『十三(じゅうぞう)』を回収して、そのまま馬に乗って鴻蘭の街まで帰る事にした。

帰る途中で魔導袋の中身を調べてみると、二つとも大量のポーションが入っていた!ラッキー!!

そして棺桶である。


「いやぁ~先客が居て魔導袋をほとんど持ってかれたよ」


「本当か?一体何者なんだ……」


「中々の魔法の使い手だったよ。無詠唱でファイヤーボール飛ばして来たりしてさ。体術も凄かったから只者じゃないね」


「ほう……無詠唱か。それは中々やるな」


「まあ、心当たりは有るけどね……それよりもコレだよコレ!」


「ラダル……この棺桶はどうするんだ?」


「うん、コイツは売り手がもう決まってるから大丈夫」


「ん?決まってる??」


「そう。キチッと落とし前を着けさせてもらうよ。」


そう言って俺は料理を作りながらアシュのおっちゃんとキラとで夕飯を食べた。馬には水を与えてそこら辺の草を食わせる。流石に馬の餌は持ってないからねぇ……。


馬のおかげで帰りは早く帰れた。俺達はシウハに報告する為にアジトに向かった。


「……ご苦労だったね。派手に暴れたようじゃないか?」


「ああ、言われた通りに適当にやっといた。アイツらは暫く動けないよ」


「そうかい。それじゃあコレが今回の報酬だよ」


「それじゃあ遠慮なく。後、それとは別に買って欲しい物がある。その後ろで『隠密』かけてるアンタが取り損ねた品をね」


シウハはそれを聞いて俺を睨み付けたが、俺は平気な顔をして魔導袋からあの棺桶を出してやった。


「中身は見てないから値段を言いなよ。値段次第じゃあココで開けてもいいけど」


俺の言葉を聞くとシウハは顔を伏せて震え出した……ってか大笑いしだしたのだ。何でや?


「フハハハハ!!!お前達は本当にアタシの考えの斜め上を行くねぇ!!どうだい?ザルス!出し抜かれた挙句にこの態度はどうよ?!大物じゃないか!フハハハハ!!!」


「笑い過ぎです……」


「これが笑わずにいられるか!“月影の魔術師”ともあろう者がコレだけしてやられるんだからな!」


月影の魔術師??何そのカッコイイ二つ名は!俺なんて底無しだぞ!クソっ!


「よし、ラダル。ソイツは白金貨10枚で買い取ろう。中身はお前達が知る必要は無いよ。それは表に出てはならない物だからね」


「白金貨10枚だね、分かった。ならこの先はそれの事は忘れるよ」


「ザルス!金を渡してやりな!」


ザルスは金を取り出して俺の前に置いた。その顔は無表情だが内心はどうなのかな?


「じゃあ確かに。それじゃあ俺達は行くよ」


「ああ……そうそう、お前達が手に入れたポーションだが、此処で売るのは止めた方がいいよ。もう相場は下降してるからね」


「御忠告感謝するよ」


俺達はそのままシウハの部屋を出た。結局あの棺桶の中身は分からずじまいだけど、世の中知らなくても良い事は沢山あるからねぇ。


歩きながら俺はアシュのおっちゃんと話をした。


「白金貨って金貨の何枚分なのかなぁ?」


「ん?ラダルは知ってたんじゃないのか?」


「ううん、全然」


「おいおい……オレはてっきり知ってると思ってたぞ!知らないで取引したのか?」


「うん、ああいう時は知ったかぶりが一番さ。ハッタリかましたりも商売では必要だからさ」


あの感じだとシウハは払える上限を出して来たと思ったよ。まあ、そうじゃないとしても運んだ駄賃としちゃあ悪くないよね。大体、あんな物を何処にどう売れば良いかなんて分からないからね。アレの価値を理解しているシウハならばそれなりの金額は出してくると踏んで話をした訳だからさ。


俺の部屋に入るとタヒドが待ちわびた様にこちらを見ていた。


「旦那!武具は高値で売れやしたぜ!!」


「また誤魔化してないだろうね?」


「旦那ぁ~もう少し信用して下さいよぉ〜」


そう言われても……どう見ても詐欺師にしか見えないんだから仕方が無いよね!!

お読み頂きありがとうございます

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