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転生魔法兵ラダルは魔力が少ない!だから俺に魔力を分けてくれ!!  作者: 鬼戸アキラ
第二章 魔法兵ラダルの東遊記
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エルフの事情

対エルフ戦最終話です。

俺が『血魔法』を発動すると俺に御託を並べてたエルフが青い顔になった。


「アシュのおっちゃん!ブリジッタさん!俺に着いて来て!!」


血魔法で覚醒した今ではハッキリとその姿まで分かるキラの居場所に向かって走り抜けて行く。

途中で何人ものエルフが邪魔をしようとしたが血の壁に全ての攻撃を防がれ、ブリジッタさんの超速度とアシュのおっちゃんが悪路をものともしない指輪の効果で一気に近づかれては戦闘不能にされていた。


そしてここがエルフの住処なのだろう……広場の真ん中で檻の中に閉じ込められていた。

キラはロザリアを守る為に身体を大きくし、身を挺して攻撃を受けて居た様だ。

俺はその場に居た全てのエルフに『溶岩弾(マグマバレット)』を超高速で肩口に撃ち込んでやった。そして檻を金槌でぶっ壊して二人とも助けた。


「キラ、良くやったな!ロザリアは怪我は無いか??」


「私は大丈夫……キラが……」


「キラは不死身だから大丈夫だ。安心しろ」


『ニャッ!!』


「ロザリア!良かった……」


「ブリジッタ……」


二人は抱き合っていた。本当に怪我が無くて良かった。


すると奥からエルフの長らしき者がやって来た。俺はソイツに話し掛ける。


「お前ら運が良いな。もしロザリアに怪我でもさせてたら、この村全員の首を跳ねてた所だ。自分のテリトリーに入れは即殺すと言うなら、お前達全員、自分も殺されるという覚悟する事だ。分かったか?」


「お前達に何が分かる??」


「知らねぇよ爺さん。お前らが勝手に作ったルールなんてさ。今まで間違えて入った人達も殺して来たんだろ?ならばお前らも此方のルールで捌いてやるだけだ」


俺はこの村に居る全員に【エナジードレイン】を発動して指定した。


「こ、これは一体……まさか……お前は一体……」


「コレで2時間もすればお前達全員命が尽きる。さあ、最後のチャンスだ。俺達に詫びを入れて許しを乞うか?それともこのまま死ぬか?好きな方を選べ」


「……」


「ダンマリか?それも良いだろう。だが時間は待ってくれないぞ。外にいたヤツらは戦闘不能にして来たし、逃げようとする奴は狙い撃ちしてその場で殺す。誰であろうと容赦はしない。この周りの連中を見れば分かるだろ?」


すると俺に撃たれたエルフの一人が言った。


「……我らは……誇り高き森の民……詫びなど絶対に入れぬぞ!」


「ならば全員死んで貰うだけだ。俺がやらないと思ってるなら大間違いだぞ?俺は兵士だった頃に自分たちが殺した何千って死体を穴に放り込んで燃やしたり平気でしてたからな。あっ、そうそうこのスキルで一番最初に死ぬのは赤ん坊や子供だからな。誇りがどうのと言う前にそれをキチンと考えろよ」


このセリフには流石のエルフジジイもこたえた様だ。


「……分かった……詫びを入れよう……この通りだ……」


「ならば間違えて入った人達を殺す事はもう止めろ。エルフが居るという事は今回で知られる事になる。其処で殺しをしてると分かったらどうなるか考えた方がいい。因みに州王様は強いぞ……俺など足元にも及ばぬよ」


「……分かった……」


「言質は取ったぞ。もし反故にしたらデュラハンスレイヤーのラダルがココのエルフを根絶やしにするぞ……分かったか?」


「二言は無い……」


「よし、ならばスキルを解こう」


俺は【エナジードレイン】を解除した。まあ、このくらい脅しておけばもう変な事はしないだろう。しかし、危険な連中には違いないから大森林を出るまでは気を付けておかないとな……面倒だが仕方ないか。


「村の外に動けなくなってるのが沢山居るから早く助けに行ってやれ」


エルフの長は直ぐに俺達に倒された連中を引き取りに人手を割いた。

外にいたヤツらが戻って来ると俺達を見て「この悪魔め……」等と言うから「お前らに殺された人達もお前らを悪魔だと思ったろうよ」と言い返してやると黙り込んだ。


俺がロザリアを落ち着かせる為にチャイティーを入れてあげるとエルフの長が驚いた様な顔をしている。


「そ、その飲み物はなんだ?」


「チャイティーって昔から飲まれてた物だ。俺の産まれた村で覚えた」


本当は前世なのだが……ここで言う話ではないな。


「お前は……もしかして香辛料を持っているのか?」


「持っているが、何か?」


「……香辛料を分けて欲しい……物品と交換で……」


「はぁ??……まあ、物品次第だな。交換出来る物を持って来てよ」


エルフの長が意外な事を言い出したので面食らったが、何か貴重な物でもあれば交換しても良い。


《我が鑑定するの》


「鑑定する程の物があればな」


「!!何だそれは!?」


《我は眼なの》


「眼?……まさか……だが……」


エルフが持って来た物は薬草が主であった。その中でも俺の知らない薬草がいくつかあったので、名前と効能を教えてもらう。

そして一番最後に持ってきた物に驚いた!!


《主……コレは鍵なの》


「ああ……まさかこんな所にあるなんてな……」


コレは『眼』の鍵である……何故こんな物が此処にあるのか?


「コレを何処で手に入れたの?」


「それは……昔此処に迷い込んで来た者の持ち物だ」


なるほど……そういう事なら分かるな。此奴らが外に出て遺跡を発掘する様には見えない。


「じゃあコレとも交換しよう」


俺はラチウ(胡椒)を小分けにした瓶と交換した。彼らは香辛料を料理や保存食に使うらしい。


俺は早速『眼』に鍵を入れる。

『眼』は高速回転をしたと思うと違う面を鍵穴にした。暗視カメラの方じゃない……新しい奴だ!!


《今回は未来眼なの》


おお!!今回も当たりじゃねえか??

俺が鍵穴に鍵を挿すとクルクル回ってからピタリと止まって眼が出現する。


《2秒先の未来が見えるの》


「少なっ!!」


《少しづつ増えるの》


「そう言えば、アンタさっき『眼』を見た時に知ってる風だったね?」


エルフの長が深く息を吐きながら思い出す様にこう言った。


「私の知ってるのは丸い『眼』と言う奴で、奴と一緒に来た魔人に全滅させられそうになった。だから我々はこの場所に逃げて来て、他の者と接触しない様に生きて来たのだ」


あの真ん丸か……まさか此処でそれが出てくるとはな……しかも魔人だと?


「その魔人……レブルって言わなかったか?」


「!!何故知っている!?」


あーなるほどね……何か少しだけ繋がった気がする。何故レブルが遺跡に突っ込んで行ったのか?とかね。


「安心しろ。あの真ん丸とは敵同士だし、レブルは遺跡で俺達が倒したよ」


「なっ……レブルを倒した??」


「やつを倒して俺は【血魔法】を使える様になったんだ。だからアンタらはヤツの影に怯えなくても良いんだ」


エルフの長は崩れ落ちるようにこの場に座り込んだ。きっと忘れ得ぬ残酷な思い出があったのだろうね。

だから逃げた先で隠れる様に住んでいたんだな。だから居場所がバレない様にと迷い人も殺して来たんだろう。だからって其れは良いとは思わない。記憶を奪うとかやり方はいくらでも有ったはずだ。命を奪ったのならそれはレブルがやった事と変わらない。


「レブルは何を探しにエルフの里にやって来たの?」


「それは、我らの里にあった泉の水を奪いに来たのだ」


「……それを何に使うか言ってたか?」


「いや、それは知らない……とにかく泉の水を奪って更に泉を汚染した」


「昔のエルフの里は何処に有ったの?」


「ヅーラ渓谷……今はあの忌々しいドワーフが占領している……」


ここでもまた泉の水……あの真ん丸は泉の水を集めて一体何をしようと言うんだ?しかもヅーラ渓谷のドワーフとか……また厄介事じゃねーか!!


俺達はそのままエルフの住処を出る事にする。


「余計なお世話かも知れないが、外との繋がりを作ってはどうだい?香辛料を攻めて来た俺に分けろと言うくらい貧しい生活なのだろう?薬草は薬だけじゃなくて料理にも使える。コレは俺のレシピの一部だから試してみるといい」


「外……か……」


「無理強いはしないよ。後はアンタら次第だ」


俺達はそのまま次の目的地に向かって歩を進めることになった。




お読み頂きありがとうございます。、

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