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転生魔法兵ラダルは魔力が少ない!だから俺に魔力を分けてくれ!!  作者: 鬼戸アキラ
第二章 魔法兵ラダルの東遊記
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使えぬ魔法とパンの箱

遺跡より脱出するまでの出来事です。

ソレは何だと言われても困る……。

俺自身も『眼』としてしか認識無いし『眼』本人も眼なのと繰り返すばかりだからね。


「とりあえず遺跡のアイテムなのは間違いないけど、使い魔に近い感じかなぁ……」


《我を使い魔風情と一緒にされるのは不本意なの》


「だったらお前は何なのかハッキリ言いなさいよ!!」


《だから何度も眼だと言ってるの》


「またそれか!堂々巡りじゃねーか!!」


「あ〜もう、分かった分かった!お前は眼なのな?」


《そうなの。コレの方が良く分かってるの》


「コレとか言うな!コレとか!アシュのおっちゃんだ!」


「ア、アシュトレイだ……よろしくな眼」


《……アシュトレイ、よろしくなの》


何か釈然としねぇな……まあいっか。『眼』が居れば遺跡の探検も楽そうだしな。グダグダうるせえけどな!


そして、レブルを倒したという事は“ネームド”を手に入れられるはずだが……何もドロップしてねぇ……魔石さえ無いし……一体どうなってんだよ!?


「ねぇ、アシュのおっちゃん!“ネームド”ドロップしないとか有るのかな?」


「オレも不思議に思ってたんだ。フロアーの主を倒せば“ネームド”のドロップは確実のはずなんだが……」


《アレは主に吸収されたの》


「は?」


《主の一部になってるから“ネームド”なる物はドロップしないの》


「いやいや……一部とか気持ち悪いし嫌なんだけど……」


《もう遅いの。くっ付いたから離れないの》


メガネは顔の一部です的に言われてもさぁ……俺はあまりに不気味な事を言われたのでちょいと眼に確認させる。するとアイテム鑑定しか出来ない『眼』が俺を見ながら鑑定を掛けると直ぐにステータスが現れた……って事はアイテムが真面目に引っ付いてるのね……。


【統べる覇王のブラッドウォールリング】

クラス︰SSS 属性︰闇、血 《ザ・コアに吸収されスキルに変化中》

闇魔法の上位魔法の一つである【血魔法】を会得し、自らの血液を【血魔法】により血の盾として使う事が出来る。【血魔法】により魔力で超強化された血液は自由に形を変えながら使用者を守る。更に何度も血の盾に攻撃した武器は使用者に乗っ取られ持ち主を攻撃する。闇属性と親和性が高く、闇魔法の使い手以外は使用不可能。(本来であれば指輪の形をした遺跡のアイテムだが、レブルの魂がザ・コアに吸収された事によりラダルのスキルとして【血魔法】を使う事が可能となる)


「スゲェ!!血魔法って闇魔法の上位魔法じゃねーか!!」


《そうなの》


「ヤバいヤバい!!俺様ついに無敵フラグキタコレ!!ガハハハハ!!」


《主には使えないの》


「は?」


《主は最初から下位の闇魔法しか使えないの》


「いやいや、スキルとして覚えてるじゃねーか!」


《スキルでも、上位魔法の【血魔法】として吸収されたからダメなの》


「ねぇねぇ眼さん……って事は……このスキルってまさかの……宝の持ち腐れってヤツですかね?……」


《主は上手いこと言うの》


「ううぉぉぉぉいいい!!!せっかくの“ネームド”があああ!!上位魔法があああああぁぁぁ!!」


俺はガックリとうなだれた……。

アシュのおっちゃんはどっかのボクサーみたいに真っ白な抜け殻みたいになった俺の頭をヨシヨシと撫でていた……。


その後、とりあえず何とか復活したがショックは大きい。【暴走する理力のスペクターワンド】も使えない、【統べる覇王のブラッドウォールリング】のスキル【血魔法】も使えない。つまりは大きな力は俺には過ぎた力という事だ。

しかし、【ザ・コア】はレブルの魂を吸収した事の恩恵を受けていた。『魔力玉』と『生命玉』の許容量が倍に増えた。そして【エナジードレイン】の吸収時間が微妙に早くなったのと範囲が5キロまで伸びた。

そして闇魔法のスキルがどうなったかである。


暗闇:相手の目を見えなくする。成功率48%、持続15パッシブ

麻痺:相手の動きを麻痺させる。成功率32%、持続10パッシブ

猛毒:相手に毒を与える。成功率56%、持続15パッシブ

隠密:自分の存在感を消す。持続9分

陽炎:自分の姿を相手から見え難くさせる。持続6分


遂にパッシブで50%を超えるものが出て来た。2回に1回は毒が入るし暗闇も大体近い線である。しかし闇属性には効かないって所がキツいのよね……。それ以外に上手く入ればジャイアントキリングももっと楽に出来そうなんだけどなあ……。


部屋を出ると村人達が集まって来た。俺たちが部屋に吸い込まれて驚くわ、皆で残されて心細いわで大変だった様だ。

扉は開いたけど中には怖くて入れないし、どうしたら良いかおろおろしていたらしい。

とりあえず遺跡の探検はここまでとして帰る事にした。村人を驚かせない様に『眼』には『隠密』を発動させている。

出口に出ようとした時『眼』が突然『隠密』を解いて急に話しかけて来た。


《この壁に隠し扉があるの》


マジか?こんな入口の近くに隠し扉があるなんて……。灯台下暗しってやつか?

突然『眼』が姿を現して話し出したから村人達がビックリしてた。まあ、そうなるよね……。

『眼』は天井にあった隠し扉を開けるボタンを押した。そんなトコに有るんじゃ分からねぇわな……。


ゴゴゴゴ……


重い扉が開く様な音が響く。


俺とアシュのおっちゃんは魔物が出て来ても良いように構えている。

扉が開くとその部屋にはさほど大きくない俺が抱えられる位の宝箱っぽいのが一つポツンと置いてある……何かいかにもって感じだなぁ……。


「こんな所でお宝ゲットか?」


《アレは宝箱じゃないの。パンの箱なの》


「パンの箱???何それ?」


《パンの箱はパンの箱なの》


またそれかい……もうエエわ!!

俺は部屋に入ってパンの箱やらを開けてみた……ソコソコ大きなパンが一個だけ入ってる。何か焼きたてのいい匂いがする……パンの箱……コレってホームベーカリー的な奴ですかね?

とりあえず食って見る……「美味っ!!」思わず声が出る。

俺はアシュのおっちゃんにパンをちぎって渡すとおっちゃんも食べてから「ほう、確かに美味いな……」と感心していた。俺は『眼』に鑑定させる。


『パンの箱』

クラス︰D 属性︰なし

12時間に1度、魔法のパンが生成される箱。魔法のパンには体力回復(小)、魔力回復(小)、解毒の効果がある。


魔法のパンね……コレって持ってれば食い物には困らなくなるって奴だね。色々効果があるのも嬉しいよね。そこそこの大きさだし、何より美味い。美味いは正義である。

また、食べない時は魔導鞄に入れて置けばストック出来るしその点は問題無いな。パン屋になるには難しそうだが……。


しかし、扉の開き方からもっと凄いお宝が出ると思ったのに…ちょっと肩透かしを食らった感じだなぁ。遺跡は俺の事をからかってんのか?


村人達が何やらヨダレを垂らしながら、恨めしそうに見ているのでパンの残りは渡したよ。取らないからハイエナみたいにがっつくのはやめなさいよ……。


そして俺達は扉を開けてやっと外に出る事が出来た。


「そう言えば『眼』はどうやって入って来たんだ?」


《我は遺跡の中には自由に入れるの》


そうか……コイツは遺跡の中に居た奴だもんな……でも遺跡は人間と敵対してるんだよな?ならなんで『眼』は俺に協力するのだろうか?


《それはまだ言えないの》


「お前……良からぬ事を画策してないだろうな?」


《安心するの。遺跡の意思は我の任務とは違ってるの》


「何だその任務って?」


《それはまだ言えないの》


またそれかい!!もうええわ!!

それにしても遺跡には謎が多いな。

何で遺跡にはアイテムが有るのか?何で魔物が居るのか?

遺跡の他にも迷宮もあるのだし……いずれはこれらの謎も解かなくてはならんのだろうか?


お読み頂きありがとうございます。

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