表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔法兵ラダルは魔力が少ない!だから俺に魔力を分けてくれ!!  作者: 鬼戸アキラ
第二章 魔法兵ラダルの東遊記
41/160

対ゴブリンキング戦と合成魔法

ゴブリンキングとの戦いの物語です。

ゴブリンキングが取り巻きを連れて戻ってきた。

12……いや13体の側近を連れて何処かで狩りをしていたのだろうか?

ゴブリンキングは集落の状況を見るや物凄い声で怒りをあらわにしていた。

そして……いきなり死んだ仲間を食い出したのである!!

しかも共食いをする毎にゴブリンキングの魔力が少しづつ上がって来ていた……嘘だろ……。

せっかく【エナジードレイン】で奴らの命を削ってるのに意味無くなっちまうわ!

他のゴブリンもそれに続いて共食いしていやがる……軽い地獄絵図だなこりゃあ。

しかしゴブリンキングの魔力がさらに上がるのは得策では無い。


「これマズいですよ…ヤツの魔力が上がってる」


「前にゴブリン共は共食いで魔力を上げるらしいと聞いた事はあったが……じゃあこのままだと確かにマズいな……攻撃を仕掛けるか?」


「とりあえず俺が『隠密』で隠れながら死体を燃やしたり埋めたりしながら奴らにも攻撃して行きます」


「しかし…それでは……」


「大丈夫ですよ〜、まあ見てて下さい。キングをやる時はお願いします」


俺は『隠密』を発動して一気に奴等の側に近付くと【暴走する理力のスペクターワンド】を取り出し、先ずは『溶岩砲マグマキャノン』で周りのゴブリンソルジャー達を仕留めて行く。直撃した溶岩の塊が周りに飛び散ってゴブリンの死体を焼いて行く。

俺は移動しながら『千仞せんじん』を織り交ぜながらどんどんとゴブリンキングの側近達を片付けて行った。

ある程度上手く行った俺は余裕で片付けられると思っていた。

しかし、ゴブリンキングが俺の攻撃をずっと見ていたのに俺は全く気が付いていなかった。

するとゴブリンキングが物凄いスピードでコチラにやって来る。俺は『千仞せんじん』を逃げながら展開してゴブリンキングを嵌めようとしたが、前にゴンサレス隊長がやったみたいに『千仞せんじん』を展開した底なし沼の地面を走り抜けている!マジか!!

俺は移動しながら魔法障壁を展開、盾を装着していると真っ直ぐ俺に向かって来る!俺が見えているのか??

俺は『溶岩弾マグマバレット』を撃ち込んだが、持っていた大剣で弾き飛ばしながら俺に斬りつけて来た!張っていた俺の魔法障壁が粉砕されて構えていた盾ごと俺は吹き飛ばされた!

凄い衝撃で意識を手放しそうになるが何とか踏み止まる。

そして魔法障壁をもう一度張り直してから遺跡の金槌に魔力を込めて、ゴブリンキングの大剣にフルスイングでぶち当てる!!魔法障壁を砕く一瞬に合わせた金槌のフルスイングが大剣と当たり物凄い音をたてた。

その時ゴブリンキングの大剣が粉々に砕けたが、向こうの勢いが強烈で金槌ごと吹き飛ばされた!

俺はそのまま岩壁に叩きつけられる!再び物凄い衝撃であるが当たる瞬間、岩に向かって魔法障壁を張った分だけ威力は緩和される…がしかし身体が動かない…肩をやっちまったか?

回復する間もなく大剣を放り投げたゴブリンキングが俺に向かって来た。

俺はそのまま【暴走する理力のスペクターワンド】を握り締めて『溶岩弾マグマバレット』を一点に6連射した!!ゴブリンキングは1発目こそ手を振って叩き落としたが、2、3発目がヒットして奴を覆う魔力に防がれるがその後の3発がゴブリンキングの右目に突き刺さる!!


『ギャアアアア!!!』


物凄い声でゴブリンキングが叫ぶ!!俺は移動しようとするが、まだ身体が言う事を聞かない…クソっ……再び『溶岩弾マグマバレット』を連射しようと身構えた時にゴブリンキングに巨大な炎の竜巻が襲いかかった!!


「『暴炎旋風フレアストーム』!!!」


ゴブリンキングが燃え上がる!!アシュのおっちゃんが魔法を放ったのだ!!スゲェ……コレって…まさかの合成魔法じゃないか!!

俺は集中して『生命玉』を使い一気に回復し、身体強化を改めてかけ直した後、金槌に目一杯魔力を込める。


「食らえ!!ゴルァ!!!」


俺はジャンプして身体を回転させながら、苦しんでいるゴブリンキングの頭に遺跡の金槌をフルスイングで叩き込んだ!!

メリッと音がしたと思うとゴブリンキングの意識が飛んだ様で魔力が一気に消える。

その隙を逃さずにアシュのおっちゃんがハルバートを振り抜いてゴブリンキングの頭を落とした!


ゴブリンキングはそのままブッ倒れた…何とか倒せたよ…死ぬかと思った…。


「ラダル!!大丈夫か!?」


そう言いながら俺に近寄ってくるアシュのおっちゃん。


「うん、回復したから大丈夫。おっちゃんありがとう、あの魔法が無かったら間違いなく殺られてたよ」


「な…回復って…あれだけやられて無事なのか??」


「まあね。しかし驚いたなぁ…アシュのおっちゃんが俺と同じ合成魔法の使い手だったとは…炎魔法と風魔法の合成かあ…凄い威力だね!」


「ああ、何とか詠唱が間に合って良かったよ…ラダルの様に無詠唱って訳にも行かないし、準備も時間が掛かるからな」


「流石は魔導兵並の魔力持ちの上位魔法使いだよね。あ〜上位魔法使える人がホント羨ましいよ…」


「良く言うよ…ラダルこそゴブリンを全滅させる何か凄い魔法使ってるじゃないか。しかもあの六連射無詠唱は普通は合成魔法でやれる物じゃないんだぞ…それにその短い杖…遺跡の物なのか?物凄い威力じゃないか!」


「ああ…コレね。【暴走する理力のスペクターワンド】っていう“ネームド”だよ。知り合いの商人さんから叙勲を受けた時に御祝いで貰ったんだ」


「なっ!“ネームド”だと?うむ……それなら恐くもっと威力は凄そうだな……つうか叙勲って……お前勲章持ちなのかよ。しかもでっかい方の杖は何度か見てるが相変わらず重い攻撃だな。それでゴブリンキングの頭蓋を砕いてたからな。気を失ったヤツの魔力が消えたおかげで首を落とせたんだ。大したもんだよ」


「あ〜これ硬度と質量を魔力で増幅する金槌なんだってさ。俺もずっと杖だと思ってたんだけどね。近接戦はウチの隊長にも鍛えられたしなぁ…使いこなす為に毎日振ってるし。攻撃する手持ちのカードは多ければ多いほど良いからね」


「ふむ、確かにそう思うよ。俺がハルバートを持って戦うのも魔法だけに頼らずに戦えればとの考えからだった…まあ、一番はカッコイイからなのだがな!ハッハッハ!」


そのカッコイイのは相変わらず良く分からんのだが…まあ、アシュのおっちゃんは俺と戦闘の考え方が似てる気がするよ。


他のゴブリンソルジャーはアシュのおっちゃんがハルバートでぶっ飛ばしてたみたい。

その後、少し休んだ俺達は、二人でゴブリン共の魔石を掻き集めていると、村長を始めとした何人かがやって来てこの状況に絶句してた。

俺は村長に詰め寄って話したよ!ええ!


「村長〜こんなに居るなんて聞いてないですよ!!しかも1番強いのがゴブリンキングですからね!!殺されるかと思いましたよ!!」


「なっ……ゴブリンキングじゃと!??……お主ら良く生きておったのう……」


「もうヘトヘトなんで魔石取ったら後始末頼んで良いですか?穴は掘りますから……」


「う、うむ。後は任せると善いぞ…それにしても凄い数じゃのう…」


村長が人を呼ひに行かせてる間に地面に俺が土魔法でデカい穴を空けた。そしてやって来た大勢の村人が穴にゴブリンを入れて、最後にアシュのおっちゃんがゴブリンキングを焼いた合成魔法『暴炎旋風フレアストーム』で盛大に焼いた。前の戦争の後始末を思い出したよ……ちょっとした地獄絵図だな……オェー!!


村に帰ってみると大勢が出迎えてくれてお祭り騒ぎとなった…。俺達はゴブリンスレイヤーだと皆から担ぎ上げられて偉い喜ばれたよ。その後は宴会となって飲めや食えやの大騒ぎで、アシュのおっちゃんは酒で酔い潰されて、俺はたらふく食わされた後寝落ちした。


翌日、昼も過ぎた頃に食い過ぎで胃もたれしてる俺と絶賛二日酔い中のアシュのおっちゃんは泊まっていた村長の家で村の代表者達とフラフラで話をした……。

先ずは色々とお礼から言われて、ゴブリンキングを倒した報酬の件になると村長は「この手紙とゴブリンキングの魔石を州都の州王に持って行けば報奨金を貰えるように使いを出したので、そちらで貰って欲しい」と言った。

俺はそれとは別にラチウこと胡椒を沢山欲しいと言ったら一樽くれたので、ゴブリンの洞窟で拾った魔導袋に入れるとそれならもう一つ入るだろうと村長が奮発してもう一樽くれたので偉い喜んだよ。

まあ手放しで危機が去った事を喜んでいる村長を始めとする村人達には、何日でも好きなだけ居てくれと言われたが、旅の途中で先を急ぐのでと言うと非常に残念がられた。

それでも散々引き留められて3日後にようやく村を出る事が出来た…。


胃もたれしてる俺と二日酔いのアシュのおっちゃんは、ヘロヘロになりながらも州都を目指して歩いて行った。

途中、一休みしてる時に魔導袋から1つ胡椒の樽を取り出して魔導鞄に入れる。そして魔導袋をアシュのおっちゃんに手渡した。


「この魔導袋と中のラチウはアシュのおっちゃんにあげるよ。今回は命を助けてもらったからね」


「なっ……魔導袋だろ?こんな良い物は貰えんぞ…」


「あの時助けてくれなきゃ死んでたからね。俺の命から比べたらこの袋でも安いくらいだよ。ホントに感謝してるんだ…だから受け取ってよ」


「うむ、そうか……それならば貰うとしよう。こちらとしても非常にありがたいよ」


アシュのおっちゃんは嬉しそうに魔導袋の中にリュックの中身を入れて、魔導袋の紐を首に掛けて袋を鎧の中に仕舞い込んだ。


「さて、次は州都だね〜」


「そうだな。報奨金も貰えるらしいが…どうなる事やら…」


「でもラチウを貰ってるから最悪貰えなくても俺は良いかなぁ〜。使う分だけ取っておいて小瓶に詰めて売っても良いしね」


「なるほど…そういう手があったか。この魔導袋に入れておけば日持ちも大丈夫だからな。何もいっぺんに売らなくても良いな」


などと言いながらお茶を用意してゆっくりと休むのであった。


お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ