ザ・コアの野望
いよいよ最終決戦の始まりです。
《アシュトレイ、主の居場所がやっと分かったの》
『眼』が念話を飛ばして来た。
やっと見つけたか……今まで傷を癒していたのか?
《主は今、黄龍国に居るの》
(もう戦争は終わったのでは?)
《街は完全に死の街と化してるの。エナジードレインで皆殺しにしてるの》
(くっ……早く向かわないと……)
《とりあえずゴンザレスをそちらに連れて行くの》
(分かった!)
コレは不味い事になった……まさかエナジードレインを使って……いや、今までやらなかった事が不思議なくらいだ。だが、何故今更エナジードレインを使い出したんだ?
「済まない『十三改』訓練はこれで終わりだ」
『十三改』はコクリと頷き姿を消した。
アードリーには『十三』の修理を頼んだだけだったのだが、どういう訳か大幅な改造を施されており、前よりも数段強くなっていた。そう、剣技だけでだ……ローディアスとブリジッタが呆れるほどだ。それにあの新型の『魔動銃』とかいう飛んでもない武器を使われたら、とてもじゃ無いが訓練など出来ないな。しかし、いつも驚く様な物を造る男だ。
だが、コレでかなりの戦力となるのは間違い無い。
ちなみにアードリーは『十三改』の改造を終えた後、直ぐにギスダルに居るドワーフの所に向かい滞在している。何でも……巨大ろぼっと?なる物を造ると張り切っていた。
オレはリストリア家の屋敷に戻りブリジッタとロザリアに話をする事にする。
◆◆◆◆◆◆
それよりも少し前……
《もうこの街の人間は残っていないわよ》
『そうか……大分集まったからな。コレで充分に戦えるだろう』
《まさかエナジードレインを使って直に生命を絶ってそのまま魂を取り込むとはね……》
『フン、闇聖の魔力を持つ我は魂の奉納の儀式などやらずとも魂を直接取り込めば魔力は増えていくのだ。このまま更に魂を取り込めばこの世界の闇聖として君臨出来る』
(まさかゼスの魔力を必要としないとはね……コレは計算外だったわ。でもこの世界の全ての魂を取り込んでもゼスには敵わない……それほど強大な魔力を持っていると言うのに……)
丸い『眼』は実に困った状況に追い込まれていた。この【ザ・コア】はこのまま闇聖としてこの世界を統べようとしている。
だが、間違いなくこの者では“足りぬ”のは明確である。このままでは計画通りに事が運ばないのだ。
(……そうね……それならばいっその事アレに始末をつけさせようかしら……)
丸い『眼』は考えを巡らせる……。
(……ウフフ……コレなら上手くいくかもね。後は任せるとしますか……この魔力なら間違いなく“道”は出来るわね……)
そして……
《あら、久しぶりね。妾が今何処にいるか分かるかしら?フフフ……》
《……我を揶揄うつもりなの》
《そんな訳無いじゃないの……フフフ……》
妾の為にアレを使うとしましょう。上手く行けば……。
◆◆◆◆◆◆◆
遂に我は力を……本当の闇の力得た。
これからはその闇の力を凝縮させて【ザ・コア】たる我の進化に全てを注ぐ事にしよう。
それが我の唯一の道だ。今のままでは到底闇聖ゼスには遥かに及ぶまい。丸い『眼』の言う通り闇聖ゼスには経験値やその魔力の蓄積が足りないのは分かっている。それを覆すにはこれ以上の進化が必要なのだ。
《もうこの街の人間は残って居ないわよ》
『そうか……大分集まったからな。コレで充分に戦えるだろう』
さて、次の街に向かわなくてはな……そろそろ進化に向けての道筋を立てなくては……。
《まさかエナジードレインを使って直に生命を絶ってそのまま魂を取り込むとはね……》
『フン、闇聖の魔力を持つ我は魂の奉納の儀式などやらずとも魂を直接取り込めば魔力は増えていくのだ。このまま更に魂を取り込めばこの世界の闇聖として君臨出来る』
進化の為に魂はいくつ有っても良い。七芒星に進化する為にはもっと必要かも知れぬ……我が最強を目指す為の礎となってもらおう。
我はそのまま座禅を組み魔力を凝縮させる。五行の修行でまだ完全な『無』には到達しておらぬ。それ到達すれば更なる道も開けよう。
そうしてしばらく座禅を組み集中していると我の目の前に奴らがやって来た……何故奴らが此処に??
《フフフ……それは妾が知らせたからよ》
『馬鹿なヤツめ……我が更に進化すれば貴様の思うがままになったであろうに。まあ良い……奴らとは決着は着けねばならぬからな』
《進化……フン!そんな絵空事は要らないわ!とっとと死になさいな!》
『口の減らぬ愚か者が……』
「揉めてるところを悪いが……狩りに来たぞ【ザ・コア】!!」
「絶対に元に戻すんだからね!」
「馬鹿な部下に教育をしてやらねぇとな……覚悟しろよ……」
《主は必ず助けるの》
『愚か者共め……キラ!!』
『グラアアアア!!』
キラが我の前で威嚇をする。
しかし、何か嫌な感じがする……コレは……!!
我が避けるとそこに何かの攻撃がなされる!何だ?コレは……『マシンガン??』
そして発射された場所には壊したはずの傀儡が見た事もない武器を構えて現れていた。
『おのれ傀儡め……』
するとキラが傀儡に飛び掛って行った!アレはキラに任せよう……後はこの四人だな!
『我に倒される事を誇りに思うが良い……【エナジードレイン】』
我は全員にエナジードレインを掛けた。しかし、我のエナジードレインは即効性は無い。だが徐々に奴らの生気を奪い取っていくだろう。我は【暴走する理力のスペクターワンド】を持ち【血魔法】を発動する。
『貴様ら全員我の血肉となれ!』
◆◆◆◆◆
その少し前…………
《ゴンザレスを連れて来たの》
「タイラーも来たがったがオレの代わりに置いて来たぜ」
「そうか、彼がゴンザレス。ラダルの上官でカルディナス軍の隊長だ」
「ゴンザレスだ。ラダルの野郎を叱り飛ばしに来たぜ」
「アタシはブリジッタ、コッチがロザリアよ。宜しくね、ゴンザレス」
「ロザリアよ!」
「ほう……二人共中々の魔力だな。なるほどコレなら戦力になるな」
「ゴンザレス、オレはギスダルの枢機卿でローディアス=リストリアだ。くれぐれもラダルの事を頼む」
「言うまでもねぇよ。ガッツリ説教してやるさ」
《それじゃあそろそろ向かうの》
「さあ、行こう……【ザ・コア】を倒しに!」
《我が【ザ・コア】を引っ張り出すの。ブリジッタは『十三改』とキラを抑えるの。そうしたらロザリアとゴンザレスが魔力玉と生命玉を砕くの。そしてアシュトレイが【ザ・コア】を砕くの》
「分かった!任せて!」
《じゃあ転移するの》
そしてオレたちは転移をした。
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