アシュトレイVSベインペンタグラム
遅くなりましたm(*_ _)m
オレ達は『眼』の転移眼でラダルの居る場所まで転移して来た。突然オレ達が現れて驚いた様子だったが、構わずにオレと『十三』は軍馬から降りてラダルに攻撃を仕掛けた!オレの『首狩りの大剣』は避けたラダルだったが、『十三』の魔法銃は避け切れずに左肩に当たって穴を開けた。
しかし、ラダルは直ぐに回復している。例の回復を使ったのだろう。
【ほう……我を殺すのに躊躇無しか……ならば我も本気を出そう……】
突然、闇属性の魔力が膨れ上がり黒い霧がラダルより噴き出して来た。それは八本ほどの触手の様になりオレに叩き付けてくる!オレは『首狩りの大剣』で捌きながら更に踏み込んでラダルを斬りつけた!浅いか……。
ラダルは直ぐに距離をとって回復をした。あの回復は厄介だ。
そのうち後ろからキラがブレスを吐いて来た!オレはそれを魔法障壁で防ぎながらラダルの黒い霧を捌いている。するとラダルは『十三』の狙撃を数発喰らっていた。
【お、おのれ……何度も……】
その後傷を治しながら赤い霧が吹き出してきた!【血魔法】か……。
ところが『十三』のバレットは【血魔法】の赤い霧を素通りしてラダルに当たる!『精霊魔法』を纏ったバレットは【血魔法】の赤い霧を無力化していたのだ。
オレも『首狩りの大剣』に神聖魔法を掛けて黒い霧を捌きながらラダルを斬り付ける!キラがオレに向かって爪で切りつけて来たが、『首狩りの大剣』で受け流しながらキラにも斬り付けてダメージを与える。キラは超再生しようとしたが、中々傷が治らない……神聖魔法と闇属性は相性が悪いのである。ラダルはオレに【黒炎】を撃ち込んで来たが、オレの魔法障壁に阻まれる。オレの魔法障壁は神聖魔法の術式を使っているから闇属性の攻撃を完封するのだ。それを理解していないラダルは【黒雷】で攻撃を仕掛けながら金槌で攻撃して来た!しかし、その間も『十三』のバレット狙撃を受け続けていた。怒るキラは狙撃場所にブレスを吹き掛けるが、全く違う場所からキラは狙撃されて穴を開けられる。痛みのあまり鳴き叫ぶキラに更なる狙撃を繰り返す。オレは金槌を上手くいなしながらラダルを何度も斬り付けて回復の力を空にさせようとしていた。
【おのれ!!【黒陽】!!】
またも闇属性の攻撃でオレはその【黒陽】を一刀両断してラダルに迫った!
【何故じゃ?何故通じぬ??】
荒れ狂うラダルとキラがヤケクソの様に闇属性の攻撃をして来るがオレはそれを全て魔法障壁で受止めながら踏み込んで斬り付けて、『十三』はその攻撃をかわしながら狙撃を当て続けていた。
その内にラダルの傷が治らなくなってきた……恐らくはあの回復も尽きたのだろう。
キラが満身創痍でラダルを護って、周りにブレスを吐き続けた。
しかし、それを嘲笑うかの如く『十三』はラダルとキラを交互に狙撃して行く。オレもキラのブレスを掻い潜りラダルを斬り付けて、返す刀でキラの脚を斬り飛ばす。
そんな一方的な攻撃でラダルもキラもボロボロになって行った。何故これ程の差が出るのか……それはラダルの魔法の使い方にある。本来のラダルならば最初から闇属性の攻撃を使わない。合成魔法主体で手を替え品を替えてそれを複合的に合わせながら理詰めで相手を押し込んでいく。しかし、このラダルはそれが無い。まるでそれを忘れてしまった様に……いや、そもそもコイツはラダルでは無い。だからこの様な単調な攻撃を繰り返して居るのだ。
ココでラダルは初めて違う攻撃を見せた……連れていた魔物達をけしかけたのだ。魔物達はオレに襲いかかってきた。単体では大した事は無いがかなりの数である。それが我先にとオレを殺そうとやって来たのだ。
「【溶岩大津波】!!」
オレは躊躇無くあの場所で遺体を始末したあの合成魔法を撃ち込んだ。溶岩の大津波に飲まれていく魔物達……ラダルとキラは【血魔法】の赤い霧で何とか溶岩を防御していたが、魔物の群れはその様な防御は出来ないのでそのまま溶岩に飲まれて焼き尽くされた。
【くっ……こんな馬鹿な……魔法を捨てた男がこれ程の魔法を……】
「捨てたと言っても使えなくなった訳じゃない……」
しかも神聖魔法は新たに覚えた魔法だ。ローディアス枢機卿から教えて貰った聖魔法が進化したものである。
「お前を倒すのに魔法を使う事に躊躇はしない」
またその後も狙撃されるラダルとキラを見ながらオレはトドメを刺す為に『首狩りの大剣』に神聖魔法の魔力を注ぎ込んだ。
コレで全てが終わる……。
そんな気持ちが湧き出して来て思わずラダルとの旅が走馬灯のようにオレの心の中を駆け巡る。
そんな時だった。
《アシュトレイ!早く主にトドメをを刺すの!》
オレはハッとした。
思わず躊躇していたのか……。
オレはラダルに向けて剣を振るった……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
何故だ何故だ何故だ!!!
何故こやつらにこのような目に合うのだ!
我は……我こそは破滅の五芒星なのだぞ!!それが何故……この様な……。
このままでは間違いなく殺られてしまう……。
死にたくない
死にたくない
何千年も掛けてやっと舞い戻ったのだ。
また闇に閉じ込められたくない!!
考えろ……生き残る為に……
この依代が……この様な危機を乗り越えていたでは無いか……。
考えろ……
こんな時……そうだ……この依代はこう言っていた……
『魔法はイメージだ』
いめーじ?
考えろ……
我は……闇聖の分体ぞ……
いや……我が……闇聖……
そうだ!我が闇聖と成れば良いのだ!!
混沌の闇の力よ!!我に力を!!
我に【闇聖魔法】を!!!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
オレがトドメを刺す瞬間、ラダルの身体を紫色の魔力が包み込み、そして爆発した!
オレは吹き飛ばされた!そして起き上がるとラダルを紫色の魔力がオーラの様に包み込んでいた。そしてラダルの額には紫色の六芒星がくっきりと浮かび上がって居たのだ。
【ふふふ……フハハハ!!!遂に手に入れたぞ!闇聖の本当の力を!!】
オレはそのままラダルにトドメを刺しに踏み込んだ。がしかし、ラダルがオレに【暴走する理力のスペクターワンド】を向けていた。
【死ぬが良い……【紫鬼射】!!グッ!】
その紫色の光線はオレの魔法障壁を穿いた!と同時にオレに『十三』が体当たりして突き飛ばす!
その紫色の光線はオレを庇った『十三』の右肩を吹き飛ばした!
「十三!!」
『十三』はオレを庇って突き飛ばす寸前にラダルの首筋にウロボロスの短刀を投げて突き刺していたのだ。ラダルは膝をついて短刀を抜いた。
【こ、この……傀儡が……】
《もうそこまでよ》
そこには丸い『眼』なのか?……が浮かんでいた。
《また邪魔しに来たの》
《五月蝿いわね……主を私に取られて悔しいのかしら?》
《主を取られた訳じゃないの》
【貴様……何故邪魔をする……】
《何言ってるの……もう限界でしょ?此処はもう諦めて引きなさい》
「まて!!まだ終わらんぞ!『神・兜割り』!!」
オレがトドメを刺そうとした瞬間に丸い『眼』とラダルとキラが転移して逃げた。
《主とアレは遠くに逃げたの……》
「くそっ……『十三』……」
オレはラダルを取り逃がしてしまった。そして相棒とも言える『十三』を破壊されてしまったのだった。
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