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ベインペンタグラムの野望

ラダルだった者の野望です。

もう良いだろう……ココで高みの見物だ。

戦闘が開始されたら俺はココから【エナジードレイン】を発動すれば良い。これで仕込みは完了だ。

今から土龍国が青龍国と黄龍国との戦争になっている。コレはルファトが死ぬ前に予め仕込んでいた仕組んだ罠だ。

一度土龍国は宰相の暗殺による強硬派の衰退で一気に穏健派の方に傾いたが、それまでの裏切りを良しとしない黄龍国が青龍国と手を結ぶようにルファトが仕組んだのだ。黄龍国の開戦派の重鎮はルファトの眷族であったが、ルファトの死後に俺に付き従った。そこでその男に青龍国へ戦争を焚き付けさせた。それにより土龍国への戦争が一気に加速した。これには講和を結ぶ予定だった土龍国の穏健派も土龍国を守る為に戦争が不可避となってしまったのだ。

そして俺はその戦場に魔物の群れを横から突っ込ませる。もちろん良い頃合いを見計らっての話だ。こういう策に関しては元のこの身体の持ち主の思考が役に立つ。しかし“コイツ”が中々消え失せ無いのが不思議だが……懐に入れていた精霊の短剣と腕輪が消えているので、どうやら精霊に護られている様ではある。まあ、今は“コイツ”にはどうにも出来ないのではあるがな。

さて、どれほどの魂を吸収出来るのか楽しみだ……俺には魂の奉納の儀式は不要だからな。俺が殺した魂は直に俺の力となる……そして闇聖をコチラに迎え入れられる力となるのだ。それが破滅の五芒星(ベインペンタグラム)と五魔人との決定的な違いだ。何故なら俺は闇聖の分体扱いだからな……だから直接奴との取引が可能だ。俺は闇聖の力を直接貰い受ける事になる。それが破滅の五芒星(ベインペンタグラム)が災厄と呼ばれる所以である。

さあ、どれだけの魂が俺に取り込まれるのか……楽しみだ。

そう言えば……ファブルの魂が消えた様だ……何者かによって倒されたのやも知れぬ……レディスンなのかロザリアなのかは知らぬが……。まあ、所詮は使い捨ての魔人……その程度だったという事だな。

さて、戦ももう直ぐに始まるであろうよ。どの辺で魔物共をキラと戦場に向かわせるか……良い頃合いを待つだけである。



遂に戦闘が始まり土龍国軍に黄龍青龍連合軍が一気に数にものを言わせて押し切ろうと圧力をかける。しかし、土龍国軍は受け止めようと必死で食らいついて踏ん張っていた。

しかしながら数に劣る土龍国軍は徐々に押し込まれつつあった。

ところがココで土龍国軍の将軍の一人が奇襲攻撃で黄龍青龍連合軍の横っ腹を着くように騎馬隊で猛攻を仕掛けてきた。コレによりかなりのダメージを負った黄龍青龍連合軍が混乱した事で土龍国軍が盛り返す展開となったのだ。

このタイミングで黄龍青龍連合軍に居たシウハと取引をしていたあの青龍国の将軍が土龍国軍の防御を突き破り一点の風穴を開けた。それがキッカケとなり黄龍青龍連合軍の猛攻が開始されて土龍国軍の陣形が一気に崩れ始めたのだ。

だが、ここに居る兵士達の殆どが【エナジードレイン】の影響を受け始めていた。影響を受けていないのは闇属性の者だけだ。しかしながら闇属性を持つ者はかなり珍しく、こんな戦争で出張るよりは前段階の奇襲攻撃や斥候として居る事が多い為にこの場にいる者はかなり少なかった。しかも【エナジードレイン】を探知出来るほどの者は居る訳もなく全員が徐々に命を削られていたのだ。

土龍国軍が一気に崩れ始め、完全に黄龍青龍連合軍の猛攻に入った直後に巨大化したキラを先頭とする魔物の群れが一気に戦場に雪崩込んだ。そこからは魔物の群れによる大量の虐殺が始まった。何せ戦争をしていた真横からとんでもない数の魔物の群れが現れたのだ……戦場は大混乱に陥って魔物の群れに飲み込まれて行った。優秀な将軍に率いられていた数少ない軍は逃げ出せた様だがそれはごく一部の者達で殆どが魔物の群れに喰い破られた。


この戦いでの死者は三国併せて七万人となり、後に【百鬼夜行】言われる魔物による大虐殺となってしまった。



大量の魂を集め、また強化された俺は更に魔物を増やして近隣の街を襲わせた。此処でも何万かの魂を集められるだろう。

こうしてこの地全土の魂を集めれば闇聖を呼び出す事も可能となるだろう。

さて、ここはもう良い……次は炎龍辺りで仕掛けるとするか……。



◆◆◆◆◆◆◆◆



オレが軍馬を飛ばしてキラが向かったと言う方角に行くと、その場は恐ろしい程の死体の山であった……人間は元より魔物の死体も……もはや地獄そのものだ。


「コレを……ラダル……いや、破滅の五芒星(ベインペンタグラム)がやったのか??」


《キラのブレスの痕もあるから間違いないの》


正にとんでもない事になってしまった……やはりこれ以上の被害は出す事は出来ない。


オレはここの死体を始末しなければならなかった。何故ならココに放置すれば必ず食屍鬼などの魔物になってしまうからだ。

オレは使いたくなかった魔法を使う事にした。広範囲を焼き切る為の炎と土と水の合成魔法を発動する。オレの前方に巨大な魔法陣が出現する。


溶岩大津波(マグマビッグウェーブ)


広範囲に立ち上った大きな溶岩の大津波が一気に戦場の死体を飲み込んで行った!!


その場には巨大な溶岩の跡が残っただけである。


オレはその場で祈りを捧げで軍馬に跨った。

すると『眼』がオレに話しかけて来た。


《アシュトレイ、やっとチャージが完了したの》


「チャージ??何の?」


《転移眼のチャージが終わったの》


「そうか!ならば……」


《主の元に転移するの》


オレが返事をすると『眼』は『十三(じゅうぞう)』を乗せた軍馬ごとオレたちを転移させた。


お読み頂きありがとうございます。

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