表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔法兵ラダルは魔力が少ない!だから俺に魔力を分けてくれ!!  作者: 鬼戸アキラ
第三章 ラダルと武商旅団
107/160

土龍国での日々

土龍国に入ってからの日々の物語です。

土龍国に入ってから2ヶ月程は本当に戦闘に明け暮れた。とにかくこの地は魔物が多過ぎる……。オークやコボルト辺りならまだ大した事は無いが、オーガの群れやサイクロプスの群れとかマジで勘弁して欲しいわ……。一体どこから湧いて出て来るんだってくらい。そう言えば炎龍国で修行した山もアホほど魔物が出てきたな……何か魔物やらが住むダンジョン的なものでも有るのだろうか?

それに強硬派の連中の攻撃である。何処からともなく現れては攻撃をして来るのだ。『眼』に監視させてるので奇襲を食らう事は無いのだが、四方八方から現れる。マジでウザい。

ただし、襲われる事は悪い事ばかりでは無い。襲って来た奴らを実験台に使って合成魔法の訓練が出来るからだ。覚えたての炎魔法、氷魔法、地魔法を使った合成魔法である。今頑張ってモノにしようとしているのは『溶岩波(マグマウェイブ)』である。コレは地魔法のクエイクに火魔法と水魔法を合成させてやっているのだが中々上手く行かない。

後は『火山爆弾(ボルケーノボム)』である。コレは『溶岩砲(マグマキャノン)』の広範囲系の位置付けで炎魔法と水魔法と地魔法を使い、デカい溶岩の塊を発射して地に落ちると爆発すると言う結構凶悪な合成魔法である。コレも飛距離が中々出ずに自分も巻き込まれそうになると言う致命的な欠点が有り現在絶賛改良中である。

やはり合成魔法に上位魔法を入れ込む事の難しさを痛感している。

しかしながら、『フレアクエイク』と『アイスクエイク』と言う合成魔法には既に成功しており、『フレアクエイク』は地割れから炎が噴き出して敵を焼き尽くすというかなりエグい魔法で、『アイスクエイク』は地割れから氷柱が飛び出して刺殺したり凍らせたりすると言うコチラも結構エグい魔法であったりする。2種類だと何とか出来るのは解っているのでもう少しの研鑽が必要なのだろうね。

ザルスには「お前の目指してるのが何なのか良く分からない」と言われた。はぁ……全く嘆かわしい限りだよ。魔法に美学を持たない者はコレだから困る。魔法は無限だ……イメージさえ有れば何でも出来るはずなのだ。それがどうして理解出来ないのだろう?


アシュのおっちゃんはと言うと、宮廷魔導師に近い程の魔力を持っているのにもかかわらず相変わらず魔法を使う事にはかなり消極的だ。前に『武商旅団』がサイクロプスの群れに囲まれてマジでやばかった時に、一度だけ雷魔法の『ライトニングブラスター』を詠唱して撃ち込んだが、あのデカいサイクロプス5体が一瞬で爆発して焼き焦げていたよ……。アシュのおっちゃんは「呪文を詠唱するのが非常に面倒臭い……」などと言って嫌がっていたが、俺からすれば羨ましい限りだ。何なら俺にその才能と魔力をくれと言いたいね……。という事なので相変わらず『首狩りの大剣』での魔法剣の修行に明け暮れている。そのうちマジで大剣豪になっちまうんじゃないか??


そしてキラなのだが……明らかに強くなっている。ブレスの範囲も大きくなったし威力も上がっている。そしてスピードもパワーも一段上がっているので敵にとっては極めて厄介な存在である。『眼』によると俺の器が真円に近づき、魔力が多くなった為に眷属であるキラの魔力も上がっているのだという。なるほどね、コレが相乗効果って奴かな……頼もしい限りだ。また、キラも闇魔法を使える様になったので、『隠密』や『陽炎』を使ってエグい攻撃をするようになったし、追加の付与効果がほとんど100%で相手に入る……俺より優秀じゃねぇ?ちなみに俺はほとんどが70%くらいの確率だ。超再生能力も上がっているらしく、以前よりも再生時間が間違いなく速くなっている……サイクロプスの群れとの戦いででっかい斧で足を斬られた時もほとんど瞬間再生の様だったよ。また、尻尾の蛇が長くなって毒の霧を吐くようになったので、前以上のかなり危険な存在になっている。飛行能力も向上した様で前は浮き上がる程度だったが、今では自由自在に飛び回れるので更に戦闘力がアップしている。


十三(じゅうぞう)』はリメックの改造によるパワーアップが思っていた以上のモノであった。まず、スピードが恐ろしく上がっているので狙撃の速さが半端ない。また、移動しながら狙撃するのだが、スピードが速いから一発一発が飛んでもなく離れた場所から撃ち込まれる為に、まるで何人もの狙撃手が居るような錯覚に陥るのだ。しかも例の光学迷彩で全く姿が見えないので、敵が動きを把握するのはほぼ不可能である。まあ、コレはやはり光学迷彩的な技を持つキラにも当てはまる事なのだけど、キラの場合は魔力感知で何とか位置を大まかに割り出せるが、『十三(じゅうぞう)』はほとんど魔力を持たない為に全く位置が掴めないのだ。しかも最近はザルス相手に接近戦の訓練もやっているので段々とアサシンぽくもなって来ている。俺も何度か手合わせしてるけど本気を出さないと確実に殺られるくらいの実力を持っている。しかもウロボロスの外装はかなり硬く、俺の金槌で吹き飛ばしても全く壊れるどころか傷も付かないのだ。軽くて頑丈なので俺の本気の一撃食らっても上手く力を受け流して、直ぐに反撃体勢を整えて来る……全く侮れないよ。


俺達がこんな感じなので2ヶ月以上も経つと、強硬派の連中からかなり危険な存在として認識されてしまった。最近ではキラの姿が見えただけで逃げ出す奴らも多くなって来た。全く……骨の無い連中である。こんなんでよく黄龍国と青龍国を両方相手にしようと考えたな?首謀者は馬鹿なのかな?

そのうち滅多に襲わなくなって来たのでシウハからコチラから襲って来るように頼まれる様になって来た。コレって本末転倒だろ!!


まあ、こんな感じで4ヶ月も土龍国を回っているからザルスに「何か思っていたより土龍国を回るのって楽だよね」と言うと、「癪に障るがお前達2人のおかけと言わざるおえない」と苦虫を噛み潰したような顔で言われた。もう少し嬉しそうに言えばいいのに!


しばらくして俺は13歳になっていたのをすっかり失念していた事に気が付いた……ホントにバタバタしてたからなぁ……ソコは切り替えてあまり気にしてないけどさ。お誕生日会の出来るような状況でも無いしねぇ……。

そんな頃にようやく土龍国の首都である『盟葛』にやって来た。


「ようやく首都に着いたのか……」


「旦那ぁ〜、どうしやすか?市場に行きやすか?」


タヒドはもう商売の事を考えてる様だ。ドワーフの街で新しい魔導袋を仕入れたらしく、着実に売り上げも上がっているらしい。コイツも進化したって事なのかねぇ……。


「ちょっと行ってみるかな。アシュのおっちゃんはどうするの?」


「俺はもちろん修行だ」


「分かった。それじゃあ俺達は市場に行ってくるね」


市場では塩の残りを高値で売り付けて、ココの名産であるヒイロカネを沢山買い付けた。オリハルコンと同じ物なのかと思っていたけど全然違うのな……。タヒドは市場で仕入れが終わったら防具を買いたいと言い出した。


「やっぱり次は樹龍国に行きやすからね!命大事にでさぁ!」


「そうなの?じゃあ俺の持ってるウロボロスの奴売ってやろうか?」


「いやぁ……流石にそこまでの稼ぎは……」


「いくら出すのさ?」


「……コレくらいでさぁ……」


まあ、出して来た金は確かに全然少ないが……仕方ねぇな。俺はリュックの中に仕舞ってた魔導袋を取り出して、中からウロボロスの背骨から作ったボーンチェストを出してやる。コイツは簡易的な物ではあるが、軽いし精霊のローブの下に着けるならコレの方が良いだろう。


「それならコイツを売ってやるよ。転売は無しな?やったらキラに……」


「し、しませんしません!!つか、マジでアッシに売ってくれるんですかい??」


「まあな。特別にお知り合い価格だよ」


「ありがてぇ!!旦那ぁ〜この御恩は一生忘れませんぜ!!」


「ハイハイ。後、ブーツは良いのを買っておけよ。ローブから足は出ちまうからな」


「了解でさぁ!」


タヒドは早速、精霊のローブの下にボーンチェストを着ていたよ……まあ、気に入ってるみたいならそれで良いかな。その後、武具屋でミスリル製のブーツを買ったみたいだ。チッ……あの野郎、まだ金持ってやがったぜ。


お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ