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転生魔法兵ラダルは魔力が少ない!だから俺に魔力を分けてくれ!!  作者: 鬼戸アキラ
第三章 ラダルと武商旅団
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改造による十三の強化

ドワーフに改造された十三の出来上がりです。

十三(じゅうぞう)』の改造を頼んで一週間はドワーフの街で過ごす事になった。俺はドワーフの街で見つけた魔導具の専門店で俺愛用のランドセルを魔導鞄に改造を施してもらう。残りのミスリルを全部渡してやってくれた。

後、ローレシアの魔導具屋から丸ごと持って来て、最後まで何の魔導具か分からなかったヤツが三つほどあったのだが、遂に正体が判明した。一つは皿の上のゴツゴツした玉が高速回転する物だったが、コレは刃物を削る研ぎ石の様な魔導具だった。もう一つは壺の形をした簡易トイレで、もう一つは筒状の物に小さな穴が開いてる物だったが、コレは糸を出し入れ出来る言わば釣りのリールのような物だった。とりあえずリール以外の二つは料理用スライサーの魔導具とミキサーの魔導具と交換した。リールは船に乗った時に釣りをしようと取って置きした。

そして一週間後にリメックからウロボロスの背骨を加工した武具を手に入れた。そして『十三(じゅうぞう)』の改造も終わっていた。何か色も形も少し変わってるぞ……。


「そのオートマタの改造は骨格と外装と動力系の部品をウロボロスの背骨を加工した物に交換したぞ。硬度と耐久性に優れ、かなり軽くなったから速度が格段に上がっている。後は目を調整してより見える様にしてある。動力系統の回路を少しいじったから力も上がってるぞ。後は色々と持ち歩ける様に腹の所に魔導袋の様な機能の箱を内蔵してる。大した容量じゃないが宿の部屋くらいは有るから魔石やその武器なら余裕で入るだろう」


ソイツは助かるなぁ。今まで魔法銃を背負って移動してたからね。そして今までは金属チックな鉛色のボディーだったが、クリーム色のボディーに変わって見た目からして軽そうだ。ウロボロスの背骨をどうやって加工したのか分からないが、かなりの硬度になってる様だ……リメックは更に話を続ける。


「後は外装が白いのは周囲の風景に溶け込む様に色が変わる機能を付けてるからだ。隠れてその武器を使うには良いだろう。その武器にもウロボロス製の外装を取り付けて同じ機能を持たせてるからな」


十三(じゅうぞう)』に試してもらうと前世の映画で見た凶暴で戦闘狂の宇宙人が使ってた光学迷彩の様な機能だったぜ……マジかよ……。コレで多分『十三(じゅうぞう)』はこの世界でもトップクラスのスナイパーに変貌したな。動きの速さは前の三倍から四倍ってトコかな。力も上がってるのでウロボロスの短刀を持たせる事にした。コレで近距離戦闘もこなせるだろう。まるで忍者だな……。そして魔法銃の外側にウロボロスの背骨の加工した物を貼り付けてくれてるのだね。コレで魔法銃も光学迷彩も可能って訳か……。


こうして俺達はドワーフの街を出る事になった。リメックに次は樹龍国に行くと言ったらビックリした顔をしてたぞ。「なら、向こうにいるドワーフにも会ってこい」と札の様な物を出して来た……コレが理の護符だという。

最後にリメックは改めてウロボロスの背骨を譲ってくれた事を感謝してくれた。

俺は残りの酒を全部リメックに渡して「最高の仕事をした皆で飲むように」と言うと小躍りして喜んでいた。ホントに酒好きだな!


霧の里を出た俺達は直接土龍国に向かって移動をした。途中で盗賊やら魔物やらに出会ったが俺が出るまでもなく傭兵団が片付けていた。彼らもドワーフの街で良い武具を購入していたからだ。

こんな感じで2ヶ月ほど移動すると、炎龍国を抜けていよいよ問題の土龍国に入って行く。


土龍国は黄龍国との不可侵条約を破棄し敵対する強硬派と今までの不可侵条約維持する穏健派とで内乱状態になっていた。俺達は強硬派とやり合ってるから穏健派を手助けしながら樹龍国まで行かないとダメなのだが、レディスン師匠の話では強硬派の方が勢いが有るらしく穏健派の勢力は段々と小さくなっているらしい。ザルスにその話をすると「また情勢は変わりつつある」と言った。


「穏健派が盛り返して来たの?」


「と言うより強硬派が黄龍と青龍の両方からやられてヤバいらしい」


「まあ、そうなるよねぇ……つか、そんな事も分からなかったのかな?」


「うむ……強硬派のやる事はどうもおかしい。どう考えても不利になるように動いてるとしか思えない……」


「ふ〜ん……だとすると強硬派の中に黄龍国か青龍国に繋がってる奴が居そうだけどね」


「ほう……それはあるかも知れんな。では少し突っついてみるかな」


「突っつくって……?」


「穏健派に情報を流させる。裏切り者が居るかもしれんぞと強硬派にな。そうすれば炙り出せるかも知れん」


「なるほどね。ソイツは面白いかも」


「コレで強硬派が大人しくなれば樹龍国に行きやすくなる……まあ、行ってもまた問題は山積みだがな」


「亜人の国だから?」


「そうだ。あの国は本当にやりにくい。我々が商人なのを知っていても毛嫌いする連中も多い。平気で襲って来る連中も居るからな」


土龍国の穏健派の連中とコンタクトを取ったのはそれから5日後の事だった。俺が話した強硬派の中に黄龍か青龍に繋がってる裏切り者が居るんじゃないかと言う推測は、穏健派の使者には概ね好意的に受け取って貰えた様だ。直ちに報告して揺さぶりをかけたいと言っていたらしい。そして、穏健派の拠点に物資を運ぶ事を許されて、拠点の場所と商売の時の割符を貰ったという。


それからは物資……と言っても食料品と塩がメインだが、それらを運び金を受け取る。そして大きな街でまた商売をするのだが、強硬派の街では物資を一切売らすにその地の特産物を買うのみであった。何故かと言うと物資を売れば強硬派に物資が渡る事になるが、買うのみだと金しか残らない。金では腹は膨れないという事らしい。そして、穏健派の街では物資を売れば穏健派に物資が回る。このやり方で穏健派に食料品や塩をどんどんと売り捌いて、こちらは特産物へと変えて行った。特産物は次の樹龍国で売る事が出来るからである。


「旦那ぁ〜!結構な稼ぎになりやしたぜ!」


タヒドは偉く喜んでいた。炎龍国でも良い塩をかなり仕入れていた様でコチラでもかなりの高値が付いているからだ。


「向こうで売る品も集まってる?」


「そりゃあもちろんでさぁ!主に鉱物や材料が主ですがね!」


「香辛料が有ると良いのだけどな……ここら辺は流石に無いか……」


「へっ?香辛料ですかい?」


「エルフは香辛料を買うはずなんだよなぁ」


「エ、エルフですかい?ソイツは無理ってもんですぜ!アイツら縄張りに入った奴は生かしておかないって有名な話ですぜ!」


「うん、まあそれは知ってるけどね……話が通じれば……コイツを見せてね」


俺が取り出したのはエルフの里で香辛料と交換で手に入れたエルフが作った弓や小物類である。実は彼らの品は青龍国で中々の高値で売れたので結構儲かっていた。その中から彼らが作った物だと一目で分かる物を残しておいたのだ。もう一度彼らの作る品を仕入れたいからね。もし仕入れれば闇龍国でも必ず高値で売れるはずだ。


「他のエルフと商売の実績が有ると知ればそう邪険にはしないだろう?」


「へぇ〜あのエルフが商売をねぇ……ソイツはスゲェや!流石は旦那でさぁ!」


「まあ、出たとこ勝負の感も拭えないけどね。試してみるのも悪くないだろう。ダメなら諦めるさ」


「イヤイヤ、是非エルフの連中と商売しましょうぜ!香辛料かぁ……有るとすれば樹龍国に入ってからですかね……」


「へぇー樹龍国に香辛料を栽培出来る場所が有るのかい?」


「栽培してるんじゃなくて船で交易してる場所が有るんでさぁ。ソコと取引してる島で栽培されてるらしいですぜ!」


「なるほど……それならそこで買い叩くか」


「それはちょいと難しいですぜ……ヤツらはかなり残忍な連中なんでさぁ……」


「残忍?」


「リザードマンって知ってますかい?アイツらはもうヤバいですぜ!」


「じゃあ高値で買うってか?ふざけんなよ!」


「まあまあ……ソコはホレ……色々と……まあある程度は安くなりやすぜ。任しておいて下せぇ」


「まあ、金額次第だな」


しかし、樹龍国には色々な種別の亜人が居る様だね。向こうに行くまでに全部の亜人の事を覚えておくとしよう。敵を知り己を知る者は百戦危うからずと言うからね。


お読み頂きありがとうございます。

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