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転生魔法兵ラダルは魔力が少ない!だから俺に魔力を分けてくれ!!  作者: 鬼戸アキラ
第三章 ラダルと武商旅団
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ドワーフ再び

コチラのドワーフ達に会いに行く物語です。

待ち合わせ場所に俺達が着くとシウハ直々に出迎えてくれた。珍しい事もあるもんだ。


「へぇ〜、どうやら本当に強くなって来た様だね」


「何とか約束通りに3ヶ月で終わらせたよ。後は地道に自主訓練だね」


「はぁ?まだ強くなるのかい?」


「時間が必要らしいんだよ。だから毎日練習をしなきゃいけないんだよね」


「ふ〜ん……そうなのかい。しかしあの男がそれほどの者だったとは……見る目が無かったって事かねぇ……さあ、出掛けるよ!!」


ん?あの男?……シウハはレディスン師匠を知っているのかな??そう言えばレディスン師匠もシウハの名前に反応してたな……人違いとか言ってたけど……。


俺は馬車に乗り込み、アシュのおっちゃんは預けていた軍馬に乗って移動する。もう、品物は集め終わったらしいからこのままドワーフの居るという霧の里に直接向かう様である。

馬車の中で俺が浮き上がりながら座禅を組んでいると、傭兵団の連中は驚いた様に俺を見ている。


「お、おい!コイツ浮いてるぞ!」


「魔法か??」


俺は全く意に介さず、そのまま集中していると、俺の前で手を振ったり、棒でツンツンしてくる者もいて中々鍛える為には良い環境だな。そのうち興味が無くなったのか、あるいは俺を石ころの様な認識になったのか、俺にちょっかいを出さなくなった。

ちなみにアシュのおっちゃんは軍馬に乗りながら座禅を組むと言う荒業をやってのけている……嘘だろ??

俺は更に修行に没頭して、2日後に盗賊が現れた時も全く気が付かずに座禅をしていた。『眼』が強制的に意識下に働きかけなければそのまま座禅を組んだままだったろう。

修行の邪魔をしてくれた盗賊の連中は俺の『隠密溶岩弾ステルスマグマバレット』を瞬時にロックオンして一気にぶち込み倒して行く。それを移動しながら何度かやったので直ぐに片付いた。傭兵団の連中は最初、何が起こったか分からない様だったが、ザルスだけは直ぐに俺の仕業だと分かったようだ。


「おいおい……あんな化け物になって帰ってきやがったのか……」


「短時間で何十人ぶっ倒したんだ?……」


傭兵団の連中が驚いているのを尻目に、俺は用が済んだので再び馬車に戻って座禅を組んだ。ちなみにアシュのおっちゃんは終始軍馬の上で座禅をしたままだったよ……。


そして3日も過ぎた頃に霧に覆われた不思議な谷にやって来た。どうやらココがドワーフの居るという霧の里らしい。


「とりあえず俺とアシュのおっちゃんとでドワーフに話をしてくるよ。話がつくまで待っててね」


「二人で大丈夫なのか?」


「二人の方が良いと思う。レディスン師匠から教えて貰った【無】を使ってみるからさ」


「うむ、丁度良い練習相手かも知れぬな」


「タヒド、頼んだのは買って置いてくれた?」


「もちろんでさぁ!コッチのにたんまりと入ってますぜ!」


「上出来だ。それじゃあ行って来るよ」


「ニャアア……」


「今回キラはお留守番頼むよ」


俺はガッカリしているキラの頭を撫でて慰める。キラを連れて行くとキラの魔力でバレてしまうからだ。

俺達は霧の中に入って行った。

しばらく歩くとポツポツとドワーフのものらしい魔力を感知した。しかし俺達には気づいて居ない様だ。そのまま歩いていくと木にもたれて寝てるドワーフが居た。全く気が付かずに寝ているのでそのまま通り過ぎる。

しばらくすると大きな門が見えて来る……コレがドワーフの街なのかな?俺達が門の前まで行くと門番のドワーフ達がビックリした様な顔で俺達を見てる……ってか俺だけを見てる……。


「キ、キサマ!!何者じゃあ!!」


いきなり襲いかかって来る門番を俺はスルリと避けて金槌でポカリと頭を叩く。


「落ち着け門番!レディスンの弟子がドワーフの長に会いに来たぞ!」


「レディスン??そんな奴は知らん!!」


コイツら……やっぱり駄目か……ならば仕方ないな。


「アシュのおっちゃん……こりゃあひと暴れしないとダメそうだね……」


「うむ……仕方ないな」


いきなり現れたように見えたアシュのおっちゃんに驚愕したドワーフ達が慌てている。俺達はドワーフ達を殺さない様に手加減をしながらホイホイと倒して行く。俺は『千仞』を多用してドワーフを沈めては魔法を消して土に閉じ込める。アシュのおっちゃんは首狩りの大剣の側面で峰打ちにしてた。あら方片付くと門が開いて大勢のドワーフが一気に押し寄せて来たので、門の大きさで深さの低い『千仞』を発動して押し寄せてくるドワーフ達を沼に嵌める。そして、ほとんどが沼にハマった時点で俺は氷魔法を沼に放つ。コレでドワーフ達の動きを止めた。

そして、そいつらの頭の上を超えて街の中に入って行く。すると四方八方から矢が放たれたので俺は【血魔法】を発動した。すると全ての矢は血魔法の赤い霧に阻まれて俺達の目の前でポトリと落ちてしまう。俺はそのまま魔力に乗せた大声で叫んでやる。


「ドワーフの長のリメックは居るか!!レディスン師匠の弟子が会いに来たぞ!!」


すると奥の方からドワーフの長らしい毛むくじゃらの男がやって来た。


「レディスンの弟子だと??」


「コレをレディスン師匠から預かって来た。君らと商売がしたいのでね!」


俺はレディスン師匠から預かって来たペンダントヘッドを手渡した。


「おお!!コレは我が友レディスンに渡した物だ!!お前達は本当に弟子なのか??ならば何故襲って来た!?」


「門番のドワーフにレディスン師匠の弟子だと言ったら知らんと言われて襲って来たからだ。不可抗力だな」


「何と!!それは済まなかったな!だが、コレはやり過ぎであろうよ?」


「まあ、こんな事になるんじゃ無いかと酒を持って来た。皆で飲んでくれ。俺のおごりだよ!」


俺はタヒドに仕入れさせた酒樽をどんどん出してドワーフ達に振舞った。すると手のひらを返したように皆が俺達に礼を言いながら酒を飲み始めた。


「おおおいいい!俺達にも飲ませてくれええええ!!」


氷魔法で動けなくされたり、千仞で埋められた連中が騒いで居たので魔法を解いてあげる。すると皆酒の方にフラフラと向かって行く……酒はドワーフホイホイかよ!!


持って来た酒樽の半分の50樽を全て飲み干したドワーフ達はエラくご機嫌である。コイツらさっき襲って来た連中なのか??


「レディスンの弟子よ。お前達の気持ちは受け取った。それで商売と言ったが何を持って来た?」


「まずはコレを見てくれよ」


と俺が取り出したのは精霊から貰った鉢から生えて来るミスリルである。ここに来るまでに溜め込んでいた分の半分を出した。するとしばらく見ていたリメックは段々と顔が赤くなって来た。


「こ、こんなミスリルを何処で手に入れたんだ?!」


「ソイツは言えないが、今ある分なら売ってもいいよ」


「ぐぬぬ……とにかくそれは全部貰おう!」


「どうかな?他の連中の品物も買ってくれるかい?」


「うーん……」


中々しぶとさだな……じゃあ仕方ない。例の物を出すとするか……。


「仕方ないな。認めてくれたらコレも売ってやろうと思ってたんだが……」


と言いながら俺はウロボロスの背骨を出してやる。するとドワーフ達が腰を抜かしたようにビックリしている。


「ここここれはあああ!!!」


「残念だけど帰るとするかな……」


「ちょちょちょっと待ってくれ!!いや!待って下さいいいい!!」


「どうする?」


「商売は許可する!するからソレをををを!!!」


それからシウハ達を『眼』に呼びに行かせて商売を開始した。何だかんだと日用品やら雑貨、色々と買えてドワーフ達も喜んでたよ。樹龍国に持って行くつもりだった鉱物や材料などもかなり物々交換出来てしまった。これ鉱物とかはまた買い直しじゃねーの?


そして、俺はリメックの屋敷……と言うか城だろコレ……に連れて行かれてウロボロスの背骨を売ってやる事にした。と言っても物々交換なので何にするかと聞かれて困ってしまった。すると『眼』が俺に話しかけて来た。


《それなら『十三(じゅうぞう)』の改造を頼むと良いの》


なるほど……同じドワーフならもっと高性能に出来るかもね!


「じゃあ、コイツを改造して欲しいんだ。ウロボロスの背骨を使ってさ」


と俺は魔導鞄から『十三(じゅうぞう)』を取り出した。するとリメックは驚いた様な顔で『十三(じゅうぞう)』を眺め始めた。


「……コレは……我らと同じドワーフが造り出した物だな?コレはかつて黄龍に居た者達の手による物だな。コレを何処で手に入れたのだ?」


「山脈の向こう側に居たドワーフ達から譲り受けたものだよ。彼らは黄龍国から逃げ出して来たと言ってたよ」


「何と……そうか、ヤツらは生きておったのか……」


「元気にしてるよ。アマモ洞窟をぶち壊すくらいにね。俺達は偉い迷惑掛けられたんだからね!」


「そ、そうなのか?山脈の向こう側から人が来なくなったと聞いていたが……」


「それ、アンタらの同胞のせいだから。まあ何とか俺達がウロボロスも倒したから、数年後には向こうからも人がやって来れるだろう。ただしアマモの試練を通らなきゃだけどね」


「それは理の護符があれば大丈夫だ。我らが作れる」


「はあ??マジかよ!!」


「本来は黄龍国に住んで居たドワーフが作る物であったが、我らも作れるぞ」


「マジかよ……レディスン師匠に渡してやりたかったなぁ……」


「レディスンじゃと?フハハハ!彼奴には必要無かろうよ。あの男ならアマモも試練をせずとも通らせるじゃろうて……」


「えっ?どうして?」


「アマモの試練は理の力を試すものだ。レディスンは理の力の達人じゃぞ。理を極めているあの者に試練は必要無かろうよ」


ああ、確かにレディスン師匠なら必要無いかもしれない……。


「とにかくコイツの改造は引き受けよう。だからウロボロスの背骨を……」


「分かったよ。半分をやるからさ、改造と武具をもう半分で作ってくれ。それでどうかな?」


「よし、任せておけ!一週間も貰えば出来るじゃろう!おい!野郎共!ウロボロスの背骨で武具を作るぞ!!」


「うおおおおぉ!!!」


こうして俺達はドワーフ達にウロボロスの背骨を使った武具と『十三(じゅうぞう)』の改造を頼んだのだった。

お読み頂きありがとうございます。

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