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転生魔法兵ラダルは魔力が少ない!だから俺に魔力を分けてくれ!!  作者: 鬼戸アキラ
第三章 ラダルと武商旅団
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レディスン師匠との別れ

レディスン師匠との別れです

無舞の魔導塾に戻るとアシュのおっちゃんがレディスン師匠に教えて貰ったやり方……浮き上がりながら禅を組んていた。

アシュのおっちゃんは間違いなくレベルが上がっていた。前は中級魔導師くらいのレベルだったが今は上級魔導師のレベルを超えるくらいの魔力を持ち合わせている。正にあの四帥の最上宮廷魔導師にもう少しで手が届くほどの魔力だと言える。


「アシュのおっちゃんは凄いなぁ〜、最上宮廷魔導師くらいの魔力持ちになっちゃうね!」


「ん?ラダル……戻ったのか。どうやら修行は終わった様だな。それで、何だ?その最上宮廷魔導師と言うのは?」


「王国最強の魔導師の事だよ。俺の知ってる宮廷魔導師に『爆炎のアストレラ』と言う凄い人がいてね……」


「ち、ちょっとラダル君!ア、アストレラって!!??まさか、アストレラ=エルメス=リットバウムの事か??」


レディスン師匠が驚いた様な顔で俺に聞いて来た!まさか……アストレラ様の知り合いなのか??コイツは驚いたなあ!


「ええ、そうですよ。炎師魔導師団の隊長で【四帥】の一人ですよ。レディスン師匠はお知り合いですか?」


「ああ、王立魔導学院の同級生だよ!うわぁ、懐かしいなぁ〜。そうか彼女が炎師になったのか。まあ、彼女の実力ならそうなってもおかしくは無いな。アレから更に研鑽も積んだのだろうし……」


「へぇ〜、アストレラ様は学院ではやはり一番の実力だったんですか?」


「うむ、そうだなぁ……あの当時の学院では私の次くらいの実力だったよ。その頃の魔力量は私より多かったかな……当時の彼女は膨大な魔力に振り回されてる感じだったかなぁ。でも天賦の才が有りながらもコツコツと頑張る努力家でね、実家が近くで幼なじみだった事もあって学院にいた頃には色々と議論を尽くしたものさ」


ま、マジか……学生時代とは言えあの爆炎のアストレラの上の実力って……この師匠は相当な人物なんじゃね??


《レディスンは光魔法の使い手としてはロザリアより上なの》


「マジか??ロザリアより上って……」


「うむ、まあロザリアではレディスンには足元にも及ばないぞ。オレが全力で向かっても歯が立たないだろう」


アシュのおっちゃんが全力でも敵わない……怪物かよ!!


「ロザリアという子はそれほどの実力なのかい?」


「まあ、天才って言うのはロザリアみたいなのを指すのでしょうねぇ」


「ほう……私にはラダル君も相当な天才だと思うのだがなぁ〜」


「いやいや、ロザリアはこんなもんじゃないですよ。凄い子でしたよ」


「うむ、そうだな。ロザリアが天才なのは間違いない。オレが教えた事は全て一回で覚えたからな」


「へぇ〜、そうか。そんな才能の子がいるなら一度会ってみたいね」


「そうか!レディスン師匠に教えて貰ったらロザリアも更に強くなるだろうね!」


「そうだな。間違いなく強くなるだろう。同じ光魔法の使い手だからロザリアには願っても無い師匠になるだろう」


その日は色々な昔話やアマモ洞窟までの行き方などを話した。どうやらレディスン師匠は太陽国ギスダルを目指す事を決めた様だ。


「ところでレディスン師匠、霧の里にドワーフが居ると聞いたのですけど……」


「ああ、居るとも。まあ凶暴な奴らでね……いきなり襲いかかるから気をつけた方が良い。私は【無】の状態で街の真ん中まで行ってしまってね……説き伏せるまで何十人気絶させたか……」


イヤイヤ師匠……それって完全に喧嘩売ってますよね!!


「まあ、その後は酒を飲んで和解したのだが……そうだ、コレを持って行くといい」


レディスン師匠は小さなペンダントヘッドを俺に手渡した。


「ドワーフの長でリメックと言うのがいる。彼から貰った物で信頼の証だと言っていた。これを見せれば大丈夫……かも知れないよ」


「結構自信無さげですね!!師匠!!」


レディスン師匠は笑っていたが言ってる事は良く分かる気がする……あのドワーフだからね!!


話しが終わった後、俺はデュラハンスレイヤーの名で枢機卿のローディアス=リストリアへレディスン師匠にロザリアを師事させる様にと手紙を書いた。この事はロザリアが光の御子として覚醒する事の手助けとなるのだが……それはまだ先のお話。


そして、浮きながら禅を組む修行をしながら一週間……遂に『武商旅団』の連中が俺達を迎えにやって来た。

俺達を迎えに来たザルスは一目俺達を見て、あの怖い顔がビックリしてるのが分かるほどに目を見開いていた。


「こ、これほどとは……オレも残って修行した方が良かったかも知れんな……」


「残念だったね。レディスン師匠は山脈の向こうを目指すみたいだからさ」


「そうか……」


本気で残念がっているのでレディスン師匠に頼んで視てもらうと、ザルスは魔力と精神力と心力を鍛え上げると良いとアドバイスを貰っていた。五行については俺達が道中説明すれば良いだろう。修行の成果は『眼』に見させれば分かるだろうし。


「それではレディスン師匠、そろそろ行きますね。本当にありがとうございました。師匠の教えは忘れません」


「オレも世話になった。これほど魔力が上がるとは思っていなかったよ。感謝する」


「結果が出たのは君たちの頑張りと資質があったからだよ。私は大した事はしていないさ。それよりも君たちから教えて貰った事の方が私にとっては素晴らしいものだったよ。本当にありがとう」


俺はレディスン師匠に枢機卿宛の手紙とこちらと向こうのお金の路銀とミスリル銀を入れた袋を持たせた。これだけ渡せば向こう側に行っても何とかなるだろう。


「済まないな……向こうの金まで。それにコレがミスリルの鉢から生えるヤツか?凄いな」


「途中で寄れたら精霊の所に寄ってみて下さい。俺が感謝してたと」


「うむ、立ち寄るとしよう。この手紙は枢機卿に渡せば良いのかな?」


「恐らく洞窟内にはウロボロスの骨を発掘している者たちが居るはずですから、デュラハンスレイヤーに枢機卿宛の手紙を預かって居ると言えば直ぐに対応してくれるはずですよ。もし揉めたらロザリアかブリジッタの名前を出すと良いです」


「何から何までありがとう。君たちの旅が無事に終わる事を祈っているよ」


「こちらこそ。師匠の旅の無事を祈っております」


「さらばだレディスン。元気でな」


「アシュトレイ、くれぐれもラダル君の事を頼むよ」


アシュのおっちゃんは大きく頷いた。ん?一体何の話や??


「それじゃあ出発するぞ。シウハはこの先の場所で皆と待っている」


「ん?シウハ?」


「うん、俺達が契約してる『武商旅団』の頭目『女狐のシウハ』だよ。レディスン師匠はシウハを知ってるの?」


「……いや、人違いの様だな。では二人共、気を付けてな」


「レディスン師匠も……もし帰れたらアストレラ様に伝言は有りますか?」


「ああ……そうだな……彼女に会ったら『レディスンは魔力の真理に近づいている』と伝えてくれ。それだけで彼女は分かるよ」


「分かりました!それではお元気で!ロザリアとブリジッタさんに会えたら俺達二人共元気にやっていると伝えて下さいね!」


「うんうん、わかったよ」


俺達はレディスン師匠の元を離れた。

俺はレディスン師匠のおかげで昔から目指していた魔導兵になる事が出来た。本当に感謝しかない。




◆◆◆◆◆◆◆◆




「行ってしまったなぁ……少し寂しくなるなぁ」


アシュトレイとラダル君が居なくなって始めて寂しさを感じた。やはり同郷の者と向こうの言葉で話しながらの生活はやはり自然な事だったのかもしれないね。

それにしても久しぶりにいい弟子に恵まれたなぁ。時間が無かったのは本当に残念だよ……あの二人なら器に関しての私の跡目も継げたのに。

それにラダル君はあのままでは少し危険だからね……『眼』とアシュトレイには色々と伝えておいたが……とにかく【闇の扉】を開けさせない様にする事それに尽きる。それさえ気をつけて彼がそのまま真っ直ぐ進めばきっと私の域にまで到達出来るだろうからね。


それにしてもラダル君からアストレラの名前が出てきたのには驚いたなぁ。まさか彼女が最上宮廷魔導師になっていたとは……私は彼女が実家に帰ったものだとばかり思っていたからねぇ。相当頑張ったのだろうね……本当に尊敬するよ。もう会う事もないだろうが……息災でいて欲しいものだ。


さて、そろそろ私も太陽国ギスダルに向かう準備をするか。ロザリア……と言ったか?あの二人が揃って天才と呼ぶのだがら相当な光魔法の使い手なのだろうね。今から会うのが楽しみだよ。もし私の御眼鏡に適う実力の持ち主なら私の持つ光魔法全てを教えても良いだろう。

先ずは精霊に会いに行ってからアマモ洞窟に向かうとしよう。さて、理の力の試練とやらはどの程度の物なのかな?


そう言えばシウハと言っていたな……まさか……私の知っているあのシウハなら闇龍国はひと騒動起きるかもしれんな。


お読み頂きありがとうございます。

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