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転生魔法兵ラダルは魔力が少ない!だから俺に魔力を分けてくれ!!  作者: 鬼戸アキラ
第三章 ラダルと武商旅団
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レディスン師匠の修行【其ノ二】

レディスン師匠の厳しい修行です。

レディスン師匠に連れられてやって来たのは無舞から一時間ほど離れた西方にある小さな山だ。その山は岩石だらけのハゲ山で森の様な鬱蒼さは皆無である。


「此処ではひたすら魔物を狩って貰う。期間は二週間、勿論休み無しだ。使える魔法は闇魔法以外だよ」


「それなら合成魔法を使っても良いですか?」


「なるほど……君は合成魔法の使い手だったね。良いでしょう」


俺はひたすら魔物を『溶岩弾(マグマバレット)』や『溶岩砲(マグマキャノン)』で倒して行った。しかし、この山はどうなってるのか……次から次へと魔物が湧いてくる。魔物はどういう訳なのか俺にしか寄ってこない。レディスン師匠は涼しい顔をしながら俺の事を見守っている。何でや??


「フフフ……私に魔物が寄って来ないのが不思議ですか?」


「そりゃあオカシイでしょ!!」


「それはね、魔物は私をそこら辺の岩や空気だと思ってるからだよ」


「は?」


「コレが心力の【無】になるという事だよ」


オイオイ……ウソだろ?こりゃあ仙人の修行じゃねぇかよ……俺は斉天大聖にでもなるんか??つか、レディスン師匠って何者なん??

それからも魔物の群れはどんどん増えるばかりで一向に減る様子も無い。この山も何かおかしいぞ!それでもどんどんと倒していく内にある事に気付く……俺の連射数が伸びてる……。そうだよ!連射数が倍以上に伸びてるじゃないか!!


「どうやら五行の魔力が増えた事を実感した様だね。そうだよ、君の魔力は魔力移譲を通して着実に上がっているのさ。だからいつもの連射しても大丈夫なんだ」


「修行の成果は出てるんですね!!やっほーう!!」


テンションの上がった俺はその後二日目、三日目とぶっ通しで魔物を倒して行った。何かすごく楽しく倒していた。

だが、四日目から流石に疲労と眠気で動きが鈍くなって来た。戦いながらパンや水を飲み食いしてるので何とか頑張ってられるが、流石にキツくなって来た。更に驚いたのはレディスン師匠だ。何も飲まず食わずで俺の修行に付き合っているのだ……マジで霞でも食ってんのか??本物の仙人なのか??


「どうしました?動きが鈍ってますよ。魔物は待ってはくれませんよ」


「いや……かなり……キツいっす……」


「おやおや……まだ一週間経ってないですよ?それでこの体たらくでは器を真円に近づける事などはとても出来ませんよ」


クッソー!!やってやる!!こうなりゃ意地でもやり抜いたるわ!!

昼も夜も出てくる魔物を倒しまくっていると段々と動きか機械的になって来た。その時だった……火と水と土の属性が跳ね上がった感じがした。その瞬間に時計の歯車が動き出した様な……何が変わった気がしたのだ。すると今までの『溶岩弾(マグマバレット)』や『溶岩砲(マグマキャノン)』が何か別物の様に洗練された感じになって来た。何だこりゃ??


「ほうほう、思ったよりも早くに段階が上がった様だね。君は才能の塊だよ……素晴らしいね!」


「じゃあ……」


「もう一段階上がれば闇属性に追い付くはずだよ。もう一息だ、頑張りたまえ」


かー!!まだ終わらないのかよ!!鬼かよっ!!

しかし、こんなにも変わる物なのか??と言うくらいに3属性の洗練度が変わった。コレが高位の魔法に近づくって事なのかもしれないね。

俺はその後も機械的に……それこそ食うのも忘れて魔物を倒しまくって行く……そして四日目、遂にまた3属性全てが上がった感じがする。するとやはり合成魔法が更に洗練された事に気付いた。


「うむ、良く辛抱しましたね。ようやく3属性全てが闇属性に並びました。ここからは4属性全てを引き上げます。4属性の合成魔法は使えますか?」


「も、もちろん……出来ますよ……」


「では、それで魔物を今まで通り倒して下さい。さあ!後もう一息ですよ!」


俺は『隠密溶岩弾(ステルスマグマバレット)』と『隠密溶岩砲(ステルスマグマキャノン)』を使って魔物を倒して行った。前より起動が速くなってるのを実感した。


「ほう……4属性の合成魔法でも無詠唱か……起動も速い。コレはとんでも無い事になるかも知れんなぁ……」


レディスン師匠の独り言を尻目にどんどんと湧いて出る魔物を倒して行った。やはり、この後も機械的にどんどんと魔物を倒して行く。

それから二日目……遂に全ての属性のランクが上がった……その時にハッキリと分かった事がある……俺は魔法兵から中級魔導兵にランクアップした事である。

俺の中に使える魔法が湯水の如く現れた!炎魔法、氷魔法、地魔法……そして闇魔法は……ん?血魔法は相変わらず発動しない??どういう訳だ??


「闇魔法の中位が湧き上がって来ない……ち、血魔法だけ使えないんですけど……」


「光や闇魔法の中級は他の属性と違って誰かから教えてもらわないと扱えないよ。血魔法は上位だからまだまだ無理だね」


「くっ……まだ血魔法は無理か……」


「でもその腕輪が有れば大丈夫なのだろう?それに中級魔導師になったんだ、再度使えるまでの時間は短縮されてるんじゃないかな?」


「そ、そうか……一ヶ月から短縮される可能性があるのか……」


「さて、折角だから炎魔法など色々と撃ってごらんよ」


「は、はい!『フレア!!』」


すると広範囲の魔物に炎魔法が炸裂して倒す事が出来た!やったぜ!!


「『アイスランス!!』」


氷の槍が魔物を射抜いた!!コレが氷魔法かぁ〜。


「『クエイク!!』」


地面が広範囲に割れて魔物達を飲み込む!!

あっという間に魔物を倒した。


「うん、どうやら精神力の修行は大丈夫の様だね。なら君の外の闇属性とを繋げてあげよう」


レディスン師匠がなにやら呪文を唱えると俺の中から光の玉が飛び出して消えた。

すると【ザ・コア】と俺のパスが繋がり、魔力玉と生命玉の活動が再開した。すると俺の中に流れてくる魔力が増大している。器が中級になった事で魔力玉からの供給魔力が増えたのだ。


「ほうほう……君は面白いなぁ。私の予想よりもかなりの進歩をしているよ。これなら三ヶ月……もしかしたら何とかなるかも知れないね」


「じ、じゃあ……早速次に……」


その瞬間俺はぶっ倒れて意識を手放した。


「ああ……全く、仕方の無いお弟子さんですねぇ〜。慌てても何も得るものは有りませんよ」


倒れた俺に襲いかかって来る魔物達!!

レディスン師匠は俺の前に突然現れて印を結ぶ。

するとレディスン師匠から周りにいた魔物達に光魔法が炸裂した!!レディスン師匠から放射された光の輪は一瞬にして広がって周りにいた魔物達を切り刻んでしまったのだ。俺はその状況を『眼』を通して後々見る事となった。


「まあ、ここら辺が限界でしょう。と言うか良く中位の魔法を三つも撃ちましたねぇ。中々見所のあるお弟子さんですねぇ〜フフフ……」


《主は大丈夫なの?》


「もちろんですよ。貴方なら見えて居るのでは?」


《これ以上は危険ではないの?》


「大丈夫ですよ。その為に最後の心力修行があるのですから……但し、本当の事を言いますともう少し時間は欲しいですねぇ。そうすれば“変な者”に付け入られる隙は無くなるはずですがね」


『眼』はそれを聞いてふわふわと上空に上がって行った。


「フフフ……お目付け役も大変ですねぇ〜」


そして俺はレディスン師匠に担がれて無舞の魔導塾に戻って来たのである。


お読み頂きありがとうございます。

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