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今日から学校と仕事、始まります。②莞

ミニカエル

作者: 孤独

あ、これは夢だ。そう思う事が目の前で起きた。


「私は天使、ミニカエルです。あなたのお腹周りの脂肪を燃焼させるため、あなたにお仕えします」


まさにその言葉通りの事を1週間前から、弟と一緒に取り組んでいるのだが。まったく上手くいっていない状況。全然、ダイエットが捗らない。


「それではランニングに行きましょう。毎日、地道な努力が寛容です」


まだ頭がボーっとしている、早朝の時間だ。

しかし、この天使、ミニカエルの言葉の後、すぐに奇妙な事に。というより夢だと言い切れることが起こった。素早い早着替えだけでなく、テレポートといって差し支えない事。


「寒っ!!」

「準備運動をした後、家に向かって走りましょう」

「いや、寒いんだけど!!なんで私、急に外に放り出されてるわけ!?」

「さぁ、走りましょう!あなたの力で!……あ、準備運動を忘れないでください。お体ビックリしますから」

「いや、聞けよ!!」


仕方なく、天使の言う通り準備運動をした後にスタートを切る。というか、家はどっちの方向か?サッパリ分からないほど知らない土地に放り込まれたようだ。

しかし、天使は


「ご安心を。私は天使、ミニカエル。毎日、4kmのランニングコースをご提供します。背景は魔法です」

「そ、そうなの?じゃあ、4km走れば、勝手に家に帰れるわけね」

「はい。初心者4kmコースから、上級者42kmコースまでご用意しています」

「天使とか言ってるけど、やってる事ってそこらへんのトレーニング用品と変わらないじゃない」


それが天使にとって、悪口だったのか。違うところを見せたかったのかは知らないが。

天使の身体に異変が起こる。


パラッ


「きゃーー、服が汗で溶けていきますわ~」

「はい?そ、そういえば。めっちゃ私走ってるけど、汗が全然出ない」

「その通り。あなたの汗を私が肩代わりし、私の服は汗が出る度に服が溶け出していくんです」

「いや!なにその仕様!?」

「このままでは私は寒さで凍え死にそうです!早く、家まで走ってください!朝食のご用意もしますから!」


誰か服を貸してやれって周りを見たけど。よく見たら、私達しかない。

人助けならぬ、天使助けをするために、家に向かって猛ダッシュ。


「いいペースです!維持していきましょう!あと1km!」


服がどんどん溶けている天使が冷静に言っている。


「ちょっと!あんた!なんで落ち着いてるのよ!」

「私、太ったオタクさんのダイエットを補助するためにいる天使だからです」

「私は女だーーーー!!ちょっとオタクだけど!!」


なんだこの天使。

そう思いながら、家まで走り切った。

翌日、1週間、2週間と。この天使は毎朝現れ、色んな理由をつけて私を走らせる。

おかげ様か知らないが、体重は4キロほど落ちて、ダイエットには成功した。にも関わらず、天使はほとんど毎日やってくる。



◇       ◇



「現実の進歩って奴ですかね」


少し未来の話か。それとも今、それができるのか分からないが。


「脳に運動の情報を与えると、身体はそれに応じて、汗をかいたり、筋肉を無意識でも運動させる」


科学者達が取り組んでいたのは、人間の身体を一切動かさず、人間に運動の負荷を与える事であった。

寝ながら夢で走る夢を見ることはあるだろう。ならば、寝ながら走ってしまう現実に変えてやろうという面白いものだ。

まだ研究の成果は乏しいが、将来的には人間も機械のように、ほぼ永続的な行動をとれるようにするため。脳内にその情報を送り込むだけで達成されるのならば、日常の時間短縮は素晴らしく改善されるだろう。実用化に向け、今はそーいう現象を起こせる、アイマスク型の手軽な装置にして開発中。


「酉さん。実用化した時、どーいう名で売り出します」

「そうねー……んじゃー、天使とかけて、”ミニカエル”って装置にしましょ!」


脳が作った天使の指示で、眠った人間でも行動をとれる。

素晴らしい世界のための基盤にもなるだろうが、使い方によって危険過ぎること。今はその危険部分も調べていることだ。

”ミニカエル”は今、試作段階で色んなところで試験中。



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