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2.〜異世界転生を告げられる〜

 前回までのあらすじ

 俺、田ノ原竜二。現実からクールに去って、子供の声を聞く。そして意識がなくなる。



 真っ暗な空間から目を覚ますと、部屋の中だった。

 俺はベットに寝かされ、ご丁寧にもタオルケットがかけられている。

 体を起こし、部屋を見渡す。壁が汚れており、少しさびれた雰囲気のする部屋だ。しかし、棚には植木鉢に花が植えられていたりテーブルや床は綺麗で、誰かが生活していたことが何となく分かる。

 当然、俺のしらない部屋だ。


 そこで俺はピンときた。

 花があるいう事は女性が住んでいる可能性がある。次にテーブルを見る。高さはやや低め。これはこの部屋の使用者の身長が低いことを表す。

 ・・・・という事は、この部屋の使用者は子供で、女性と共に暮らしている。または、女の子が誰かと暮らしている。

 見知らぬ空間でも冷静で沈着に推察する自分が恐ろしい。ふふふと己の出来に興奮していると、


「おや、起きたのか」


 あの謎空間で聞いた、女の子の声。

 扉のほうに目を向けるとそこには。

「やれやれ、中々のお寝坊さんじゃな」

  女の子はニヤリと笑う。


 声の通り、彼女は子供だった。10歳くらいだろうか。意思の強そうな大きな瞳にハーフツインテール。子供らしかぬ綺麗な顔立ちに少し驚く。普通なら、可愛い!と感想を思い浮かべるだろう。


 ただ、気になる問題点が2つ。


「ふふ。驚いて声も出ないと言ったところじゃな。わかる、わかるぞ」

 少女は楽しそうに言う。

「…いや、かみが」

「ん?何じゃ」

「だから、髪」

「髪?」

 少女は自分の髪を見る。ゴミがついているのでは無いかと髪を触る。

「いやいや、髪、赤いでしょ」


 そう、少女は驚くほど、それこそ目が覚める程の赤髪だった。


 俺の指摘に少女は不思議そうな顔をする。

 俺は続けて指摘する。

「あと洋服!子供がリアルでして良い格好じゃないから!」


 少女の着ている洋服を説明しよう。

 金の装飾のついた赤の長めの手袋に、同じような金と赤の長いブーツ。

 黒のノースリーブと、黒のかなり短い短パン。

 いや、短パンの周りにはヒラヒラしたものが付いているからスカートか?分からん。分からんが、


「それは何かのコスプレか?タイトルは?」

「だからといって子供にその格好されるのはヤバいわ。親はどんな思考の持ち主だよ…」

「というか、ここどこ?親御さんは?」

 質問に思わず沢山言葉が溢れてしまう。

 本当に、見たことないコスプレだ。見た目の雰囲気からして冒険ものっぽい。

 カツラじゃなさそうだし、服の完成度もかなり高い。

 服飾の少なさからしてアニメか何かか?ここ最近のアニメじゃないのは分かるが、昔のアニメは追えてないからな…

 くそっ、美少女もの好きな竹原なら分かるかもしれない。


「くっ。己の無力さが憎い…」

「?よく分からぬが、混乱してそうじゃな」

 少女はやや不審げに俺を見る。


「まぁ、良い。」

 少女はこほんと咳をする。

 持っていたコップをテーブルに置き、こちらを振り向く。嬉しそうにこちらを見ながら。

「ほれ、アレがあるじゃろ。言わんのか?」

 わくわくといった面持ちで俺に尋ねる。


 そういえば、忘れていた事がある。


「俺、トラックに轢かれてどうなったんだ⁉︎体は全然痛くないんだけど、何で死んでないんだ⁉病院は⁉︎︎」


 俺はトラックに正面衝突した。あの状況だと絶対に助からないはず。しかし手足を見ても特に怪我はないし、思考も正常だ。こんなこと、ありえない。これは夢か?


 混乱しだす俺に

「あー、そっちじゃなくてな」

 少女は少しばつが悪そうに目を泳がせた。

そして近くの椅子を引き寄せ俺の目の前に座る。

「先にそっちを説明するのが道理じゃな」

 少女は足を組み、俺の顔をしっかり見てニヒルな笑みを浮かべる。

「リュウジ、お主はあの時死んだのじゃ。トラックに、どかーんとな」

「やっぱりな。じゃあ、ここは何だ?夢か?あの世か?」

「いやいや、違うのじゃ」

 俺の言葉にゆっくりと首を振り楽しそうに言う。



「ここは、君たちの大好きな異世界じゃ。

リュウジ、君は晴れて異世界に転生した。

私の部下として存分に楽しむと良いぞ」

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