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1.〜次期魔王になると豪語するちびっ子の臣下となる〜

はじめてのおつかいが終わるエピソードまでは学生の頃に書いたんです。

そういう事なんです。頑張って読んで欲しいです。

お願いします。

設定画に二人の載せていますのでご確認ください。

俺の名前は田ノ原竜二。

どこにでもいる普通の中学二年生だ。


そう、どこにでもいるーー学年に、いやクラスに一人か二人はいるであろう冴えない生徒だ。

ヒエラルキーの底辺から数えた方が早い地味なグループに所属し、ヒエラルキーの頂点である華やかなグループからのしょうもない冷やかしに極めて冷静に対処する。

そして心の中でそんな奴らを下らないと見下げるーーこれを読んでいる人間にも心当たりがあるであろう、どこにでもいる男子学生だ。


そんな俺の分岐点、人生の終着点、人間としての一生の幕切れは突然やってきた。




それはよく晴れた日だった。

秋から冬へと移り変わる冷たい風を身に感じ、肩を震わせながら本屋からの帰路に着く道中のことだ。俺は大通りを歩いていた。人々は足早に歩いており、皆この寒さが身に応えているんだと思った。

ちょっと詩的な表現だなと心の中で北叟笑む。

信号で止まった時だ。


俺は感じた。異変を。後ろにいる存在を。

どこかで聞いたことのある声。背筋の毛がぞくりと逆立つのを感じる。


朗らかに楽しげに語る雰囲気。

爽やかで余りある自信が、テンションに、オーラにすら溢れている。そのオーラが俺たち陰キャには毒なのだ。クラスのヒエラルキーの頂点に属する奴特有のアレだ。

俺の中で警鐘が鳴り響く。


声が聞こえるということは会話をしている。

そうなると複数でいる可能性が極めて高い。

対してこちらは一人。

不利だ。

見つかったら詰む。

どうして独りでいるのかと声をかけられるだろう。

話しかけられたら詰む。

何していたのか聞かれるだろう。

囲まれたら詰む。

彼ら目線のファッションチェックをが始まるだろう。

耳をダ◯ボにして聞く限り、こちらには気づいてない。話に夢中で周りが見えてない様だ。常に周りに警戒を怠らない様にしている俺とは違う。浅はかなり。

俺は瞬時に作戦を建てる。

内容はこうだ。

極限まで気配を消し、信号が変わると同時に周りの人間より心持ち早いスピード且つ素知らぬふりをして歩く。

ここで走ったり慌てると奴らの注目はこちらに集まりすぐにバレる。こういう危機的状況に経験が生きるのだ。

仮にバレたとしても奴らの呼び声には聞こえないフリをする。間に人がいるからすぐには追ってこれないだろう。


やれやれ。

俺にかかれば危機的状況でも冷静で沈着で明晰な頭脳で万事解決だな。


あゝ、さやうなら。

さやうならリア充諸君。

脳内で二指の敬礼をし、颯爽と俺は歩き出した。


「あっ!!」

後ろから声がする。今頃気づいても遅いわ。

田ノ原竜二はクールに去るぜ!

俺はしっかりと前を見据え、驚いた。

なぜか、トラックがこちらに突進していた。



ドッッッ!!!



重い鉛が体に叩きつけられ体が潰されていく感覚が、不思議とゆっくりと感じられた。

ーーーそして、目の前が真っ暗になった。



とまぁ。俺の人生の終わりはこんなもんだった。

ココからクールに去るどころか、人生からもクールに去ってしまった。笑えるか?ははは。人の不幸を笑うとは軽蔑する。死ね。


現在の俺はというと、真っ暗な空間にただ一人。暗過ぎて自分の体さえ見えない。

これから、天国に行くのだろうか。

「おーい」

どこからか声がする。女の子の声だ。

「……誰だ?」

俺は声の主に聞く。

あたりを見回すが、当然真っ暗だ。

「ああ、おったおった。探したぞ。

今すくい上げるからな。良い子にしておれ」

上から降り注ぐ様な、後ろから話しかけられる様な、正面から声をかけられる様な感覚。


やがて、暖かな感覚に包まれた。視界も段々と暗くなる。



これからどうなるのか。行く先は天国なのか。それとも地獄か。

声の主も謎だが、不思議と怖くはない。



「やれやれ、手間のかかる奴じゃな。

これから楽しくなりそうじゃ」

楽しそうな声を最後に俺の意識は途絶えた。

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