表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SOLEIL  作者: 紫苑れんな
8/21

告白の返事①

 思いがけない告白から三日過ぎた。

あの日から、永人の言葉が頭から離れずにいる。


そして、距離を取ってしまっている自分がいる。

最低だ……。


 勇気を出してくれた、永人の気持ちを踏み躙っている事は、自分でもよく分かっている。

自分自身、整理が付いていないから、どう話して良いのか分からない。

男から、告白を受ける事なんて今までの人生で一度も考えなかったし、これからもないと思っていた。


 「好きだ、純斗。」

 「えっと……。それは、メンバーとして好きって事だよね?」


 いつになく真剣な表情で純斗を見る永人で、確信した。

 恋愛感情で純斗の事が好きなんだと。


 「ごめん、すぐには応えられない。少し、時間をくれないか?」


 そう言ってしまって、変な期待をさせてしまっただろうか。


 すぐに、気持ちには応えられないと返事をしても良かった。

ただ、メンバーだから。

普通の友達とは違う。

小さい頃から何をするにも一緒。

長い時間、共に過ごしてきた仲間であり、家族のような存在。

それだけに、そう簡単には無理だと言えない。


 「どうしたの?ボーッとして。」

 「あ、いや。すみません、少し考え事してて。」


 車のバックミラー越しに、桜田マネージャーが心配そうに見る。


 ボーッとしていても、仕方ない。

変な期待は、何の優しさでもない。

自分の気持ちは告白された時から決まっている。

異性が好きだし、もちろん付き合うとなったら女性だ。

今まで純斗自身同性に恋愛感情を抱いた事はない。

それに万が一、付き合うとなっても自分達の置かれている立場を考えなければならない。

今、スキャンダルを起こせば、色んな所に迷惑をかける事は間違いない。

今や大人気アイドルまで成長を成し遂げたSOLEILにとっては、マイナスでしかない。


今日は、永人と番組の収録で一緒だ。

はっきり言おう、気持ちには応えられないと。


 「おはようございます!」


 楽屋に案内され、用意されているアンケートに目を通す。


3rdシングルのリリース告知で番組のゲストとして呼ばれた。

ひな壇に座って、VTRを観るだけの番組だが、結果を残すために頑張ろう。


 「おはよう。」

 「あ、お、お、おはよう。」


 心の準備していなかったから、めちゃくちゃ動揺して挨拶をしてしまった。

三日間、話す内容も仕事での確認事項のみ。

まともに会話をする事なくこの日が来てしまっていたのを今更後悔している。

何を話せば良い、いや、まずあの事をしっかり伝えなければ。


 「永人。」

 「何?」


 めちゃくちゃ機嫌悪いじゃん。

そりゃそうか、ほとんど目も合わす事なく過ごしてきたんだから。


 「あのさ……、この前の事なんだけど。」

 「今、話すの?本番前に?」

 「ごめん。収録が終わったら少し時間もらえない?」

 「分かった。」


 それから、一言も話す事なく収録が始まってしまった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ