新たな敵 2
「凱――――――!お客さん!!」
私が叫ぶと、ずいぶん間を空けてゆっくりと凱が玄関口に出てきた。
「ジェームス――――――」
凱は珍しいお客様に困惑した表情をしていた。
凱のこんな顔、珍しい――――――
「凱、久しぶり」
ジェームスが笑顔を漏らすと、凱はようやく普段の穏やかな表情を取り戻した。
「胡桃ちゃん、悪いけどお茶入れてきてくれるかな?」
「あっ、うん」
私は凱がジェームスを中に招き入れている間に台所に行った。
戸棚を除いて、あぁ――――――失敗した。
茶っぱを切らしている。
ティーバックの紅茶はあるけど、本場イギリスにいた人にティーバックってありかな?
それでも買いに行くのも時間かかるから、仕方なくティーバックの紅茶を入れた。
かたかたとお盆に茶器を乗せて運ぶ。
客間のドアを開けると、不自然に二人が黙った。
「――――――どうかしたの?」
私が首を傾げると、凱はにこにこ笑った。
「なんでもないよ」
彼は立ち上がると、私の手からお盆を受け取った。
「ジェームスは今日、うちに泊まるから用意してくれるかな?今日一日だから」
「えっ?でも、しばらく滞在するって――――――」
凱は意味ありげにジェームスを見た。
ジェームスと凱の間にどんなアイコンタクトが交わされたのかわからないが、ジェームスは一瞬顔をしかめた。
でも顔をあげて、胡桃を見た時には紳士な笑みだった。
「明日、帰りますよ……彼の言う通り」
思いっ切り、何かを含んでる。
「私はいつまで居てもらっても構わないよ。いつも凱の世話しているから、二人に増えてもたいして変わらないし」
私の言葉を聞いた瞬間、ぶっと吹き出してジェームスが笑いだした。
凱は冷ややかにジェームスを見下ろして、くるみには笑んだ。
「あいつは明日帰るよ」
凱の言葉は有無を言わさない雰囲気があった。
私は見慣れない彼の姿に多少の困惑を残しながら頷いた。
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部屋を出て後ろ手にドアを閉めてから私は呟いた。
「――――――やっぱり友達は対等なのかな」
はっきり思った。
私はやっぱり凱の義娘なのかもしれない。




