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都合の良い言葉

あたしの名前は古屋胡桃。

実はかなりかわいそうな子で、赤ん坊の頃実の親に協会の前に捨てられたの。


でも運の良いことに協会の牧師夫婦に拾われた。


ほんと、私って運の良い子だと思う!


だけど、養い親が数年後になくなってしまい、牧師夫婦の一人息子の凱があたしの唯一の家族になった。


実は、このたった一人の家族 凱が問題なのよ。


凱には秘密がある。


誰にも言えない――――――言ってもきっと信じて貰えないそんな秘密――――――


それは、彼が吸血鬼だってこと。

吸血鬼なんて物語の中だけの話かと思ってたけど、ほんとにいるんだよね。


彼はあたしの血を吸って生きてる。


「胡桃ちゃ〜〜ん、血をちょうだい♪」


ほら、また甘ったるい声で叫んで走ってきた。


「凱、あたし以外にそんな声出さないほうがいいよ?」


あたしの言葉に凱がきょとんとした。



「だって、普通の女の子だったら凱が自分のこと好きなのかなって誤解しちゃうもん」


凱はなんとも言えない表情で首を傾げた。


「胡桃ちゃんは?」


「えっ?」


「胡桃ちゃんは誤解しないの?」


あたしは、声をあげて笑った。


「だって、あたしたち家族だよ?」


凱は黙ってあたしを見つめ、ぼそっと呟いた。


「都合の良い言葉――――――」


あたしはその意味を今は、問い返さない。


黙って聞かなかったフリをするの。


だってききかえしてしまったら、二人の関係が壊れてしまいそうだから――――――

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