テンプレな異世界生活1日目(前半)
俺が目を開けるとそこは西洋風の柱が立っている部屋だった。
(来たぜ異世界!!)
周りを見渡すとクラスの皆がある一方向を見ながら騒いでいる。
俺もその方向も見ると、そこにはいかにも王様という格好をした人と何人かの黒装束をきた人がこちらを見ていた。
王様のような人が口を開く。
「勇者たちよよく召喚に応じてくれた!!」
王様がそういうとクラスの全員が固まる。
(事前に異世界転移を聞いていた俺は固まらんがな。この様子を見ると、神に会ったのは俺だけのようだな)
俺がそんなことを思っていると
「どういうことですか?」
いち早く回復した誰かが言葉を発する。
(あれは、先ほどまで授業をしていた先生か。さすが大人だ)
「そなたらは我が国の勇者として召喚された。今この世界は魔王が復活しかつてない危機に瀕している」
王様がそういうと生徒も回復したようで
「勇者?」
「どういうこと?」
「ここはどこ?」
「わたしはだれ?」
など口々にする。
(最後のは言いたかっただけだろ・・・)
「詳しい話は玉座でしたい。ついてきてくれ」
王様はそういうと、後ろを向き玉座につながるであろう通路を歩き始める。
「とりあえずついて行ってみましょう」
先生がそういうと生徒たちは王様について行った。
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玉座に着くと王様の側近であろう初老の男性が話し始める。
「勇者たちよよくぞ参った。さっそくだが今の状況を説明する。今、この世界は魔王が復活し危機に瀕している。この国は魔王領と一番近い国のため、早急に対処する必要があった。そこでかつて魔王が復活したときの文献に書かれていた勇者召喚をすることにした。そして召喚されたのがそなた達というわけだ」
男性の説明が終わった後、先生が周りの生徒達と相談し始める。
しばらく経つと、相談が終わったようで先生が話し始める。
「何故ここにいるのかは理解しました。それで私たちは元の世界へ帰れるのでしょうか?」
「・・・すみませんが、あなたたちを元の世界に返すほうほうはわかりません」
そう男性が申し訳なさそうに言うと、皆が騒ぎ始める。
(そういえばあの少女に聞くのを忘れてたな・・・。スキルのことでテンションが上がって失念していた)
俺がそう思っていると、一人の生徒―竹中誠が話し始める。
「では、私たちは無理やりあなたたちに魔王と戦わされるんですか?」
誠がそういうと男性は焦ったような仕草をしながら
「そ、そんな無理やり戦わせるようなことはいたしません。戦わない人たちはこちらで出来る限り不自由な生活をされないよう援助します。しかし、召喚された勇者達はこの世界の一般男性の3倍ほどの能力があると聞いていますので、こちらとしては戦っていただけるとうれしいです」
男性がそういうと再度先生と誠を中心に話し始める。
「先生はお前たちが戦うことは賛成できない、死ぬ可能性があるからな」
「先生、僕は戦おうと思います。僕たちはこの世界の人間より強いみたいですし、ほうっては置けません」
先生は戦うことに反対しているが正義感の強い誠は戦うことに賛成のようだ。
「部屋に案内しますのでそこで一晩考えてはいかがでしょう?一人一部屋用意してありますので」
先生と誠の会話が聞こえていたようで男性はそう提案してくる。
「お願いします」
先生は誠と話した後そういった。
そして、生徒たちをみわたすと
「先生は反対だが、どうするかは自分たちできめなさい」
と言った。
「では、案内します」
こうして案内が始まり、今日は解散となった。