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第一話 思い出した女子高生

今回が初投稿となります。拙い文章ですがお楽しみいただければ幸いです!

書く事に慣れていないため不定期更新となります…

頑張って早く慣れようと思っておりますので、よろしくお願いします。

 起立! 礼! 「「お願いしまーす」」


 今は眠気を誘う穏やかな昼下がり。今年度から転任してきた福ちゃんによる世界史の授業中だ。

 福ちゃんと呼ばれるこの女性教師は、三十路を超えながらも良い意味で子供心を忘れていない大人だ。


 授業を受ける生徒の間では、「授業を受けることが楽しくなった」「おもしろいから頭に入って来やすい」などと絶大な人気を誇る。さらに、得てして話が分かる教師というものは生徒との距離が近い。生徒の授業に対する悩みや何気ない話がダイレクトに伝わりやすく、その分生徒の話が授業内容に活用されて分かりやすい授業の根本おおもとを作っていた。



 ……そんな福ちゃんの楽しい授業を受けていたとしても私は世界史が苦手だ。なぜかは分からないが世界史を習っているとこれは何かがちがう、という思いが出てきて覚える気が全くなくなるのだ。違っていても良いじゃないの!なんで出来ないのよわたし!



 ……本当になぜ、今なのだろうか…?



 …何度も言うが、今は私が苦手な世界史を学習している最中。

 たとえ福ちゃんの分かりやすい絵と解説があったとしても手強い私の記憶が拒否を続ける。ほら、もうすでに同士なかまが夢の世界へと旅立っている…

 そして長年頭を悩ませてきた世界史が苦手な理由がやっと…やっと解った。



 なぜなら余計な知識が邪魔をするのだ。勉強するには非常に必要のない記憶モノが…

 そしてなぜ今思い出したんだ!?()必要ないじゃないか!引っ込んでろ!!と、とても言いたい。いや、言いたかった…



 ……異世界での、記憶なんて。




 …突然、何を言い出すのだろう…こいつ。と思った人、私は正常です。

 おかしいのは私の死亡率だ。やはり前世での出来事(   し が ら み)が後を引いて私に生きることを許さない。泣ける…

 おかーさま…わたし、そろそろこの無理ゲーから抜けたいよぅ…

 後少しで全部集まりそうだから前回までのように一方的に殺られる、なんてことはないだろうけど……



 …心配だ、とてつもなく。

 前世のように不穏な空気は感じない。………が、それでも9割油断すればしただけ後で手痛いしっぺ返しが待っている。ちなみに後の1割は油断しなくてもジ・エンドルートだ。注意しすぎて困るということはないだろう。



 今回の身体では一切魔力を使ったことがないから、今のうちに慣れる為に魔力回路を開通させておかないと…それからこの世界でもどの程度の魔法が使えるかもさっそく確認しなきゃだし、魔法陣の補助に使う魔鉱石に変わるものがないか探さないといけない。

 あぁ、やるべきことが多すぎる……



 ……後は薬草か。他にも準備が足りないものが多すぎる。出来ることからコツコツやっていこう…



 ”わたし ”の人生の数が増えていく分だけ自衛の手段は毎回驚くほど増えていった。

 やりたいことと、必要に駆られてやったことがちょうどその人生の中での趣味にあてはまったからだ。

 とある国では薬魔術やくまじゅつの母とまで呼ばれるようになった私だ。

 …ただ、少し油断したところをつかれて死んでしまったが……



 今度こそ生き抜いていこうと決意をすると共に、自分の身体の現状を顧みたら危険な状態だった。



 あ、やば… 悪寒がするし、頭痛もなんだかひどくなってきた。それになんだか熱っぽ……おなか痛い。

 昔から落ち着いているとは言われていたものの17歳の女子高生、しかもここの所戦争なんて物騒なものに全くと言っていいほど関わらない平和な国の日本人に過激な昔の記憶を詰め込むのはダメだよねぇ…

 そんなことを考えている間にだんだんと意識が遠のいていった。



◆◇◆◇◆


 結果的に知恵熱を出して倒れた私を幼馴染が保健室に運んでくれたらしい。母さんがすっ飛んで迎えに来た。


「あんた何やったら頭痛と腹痛と熱が同時にでるのよ!?」

 


いきなり叱られた。いや、大丈夫だって…一過性のものだから明日には治るよ! …たぶん。

 こんなことになった記憶の連なりに大きな溜息ためいきをつき現状の理解をするために思いを巡らせる。



 


 事の始まりはそう、エルゴーラ王国の辺境伯の両親の元に生まれたことから始まった……



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