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パーティー結成

不合格宣言から10分後………

ギルドの隅の丸テーブルに2人の男女がいた。

頭を抱えている男 ーーシンイチと

それを慰めている少女 ーーアイシスである。


「はぁ……、これからどうしよ………」


あの後、なんとかならないか聞いてみたが「規則ですから」とバッサリ断られてしまった。


「そんなに気を落とさないでくださいシンイチさん、私も一緒に考えますから」

「あ、ああ……ありがと…」

「でも私、別の意味でも驚いてますよ」

「え?」

「ギガースと戦っていたシンイチさんを見ていて、てっきり強力な身体強化魔法の使い手だと思ってましたから。ギルドの魔法玉が光らなかったということは、あの時も魔法は使っていなかったということですよね?」

「ああ、オレは魔法は1度も使ったことはないから……」

「それが信じられないぐらいすごいことなんですよ。武器も魔法も無しでギガースと正面から互角以上に戦えるなんてSランク冒険者でも多分不可能ですよ」

「そんなもんなのかな……」

「そうですよ!」

「でもギルドに登録して依頼をこなしていかないと今後の生活費が……。しばらくは大丈夫なんだけど…」

「う~~ん……」


アイシスも考えてくれている、今日出会ったばかりなのに、良い娘だなぁ。


そんなことを考えていると、おもむろにアイシスが手をポンと叩いた。


「そうです!良いことを思いつきました。私とパーティーを組むというのはどうでしょうか?」

「はい?」

「冒険者はよくパーティーを組んで依頼を受けるんですよ。だから私達もパーティーを組みましょう」

「?いや、オレは冒険者になれなかったんだけど……」

「そこは私が依頼を受けて、私が依頼の完了報告をすれば良いんですよ」

「…………ああ、そうか!つまりアイシスが依頼を受けて、2人で依頼内容を達成して、アイシスが完了報告をするっていうこと………かな?」

「はい、そうです」

「こっちとしてはありがたいんだけど迷惑じゃないのか?そもそも今日会ったばかりだぞ?オレ達」

「いえ、ちっとも迷惑じゃないですよ。それに私にとっても意味のあることですし……」

「アイシスにとっても?」

「……今はまだ内緒です。シンイチさんが私の思った通りの人ならそのうち話すことになると思いますから……」

「……………………」


2人の間に微妙な空気が流れる。


「それでパーティーの件、どうしますか?」


先に口を開いたのはアイシスだった。

アイシスにとっても意味があるというのは少し気になるけど、そのうち話してくれるというのならまあいいか……。


「じゃあ、お願いしようかな」


アイシスの顔がパアッと明るくなった。


「はい!こちらこそよろしくお願いします!」

「じゃあ改めて自己紹介を………。拳闘士のシンイチ。これからよろしくお願いします」


そう言ってペコリと頭を下げた。


「では私も…。私の名前はアイシス、Dランクの冒険者です。こちらこそよろしくお願いします」


アイシスもペコリと頭を下げた。


「とりあえずこれからどうしようか?」

「まずは拠点となる宿を決めないと。私と同じ宿でいいですか?」

「ん?…ああ、それでいいよ」

「じゃあ、今から行きましょう」


オレはアイシスに連れられてギルドをあとにした。


5分ほど歩いたところにその宿はあった。

結構大きいな…。名前は……『風花亭』…か。


「行きますよ。シンイチさん」

「ああ」


「いらっしゃ……おや、おかえりアイシスちゃん」

「ただいま、女将さん」


宿にはいったオレ達を出迎えたのは、40歳くらいの恰幅の良い女将さんだった。


「おやおや…。そっちの人はアイシスちゃんの良い人かい?」

「ちっ、違いますよ!」


アイシスが顔を赤くしてあたふたしている。


「こちらは今度私とパーティーを組むことになったシンイチさんです。別にそういう関係じゃありません」

「そうなのかい?」

「ええ、まあ…」

「だから、同じ宿に泊まってもらうことにしたんです」

「そうかい」

「はい、お世話になります」

「じゃあ、うちの宿の説明をしようかね。うちは朝晩食事付きで1泊銅貨50枚になるよ。食堂と風呂は1階。食堂は6時から8時と18時から21時、風呂は19時から22時の間しかやってないから気をつけとくれよ」

「はい、わかりました」


風呂あるんだ……良かった…。異世界ものだと風呂が無いっていうパターンが多いからなぁ…。


「女将さん、確か私の隣の部屋が空いてたはずですからそこにしてもらえますか?」

「え~っと、それだと31号室だね。ほらこれが鍵だよ」


オレは部屋の鍵を受け取った。


「部屋には私が案内しますね」

「悪いね、アイシスちゃん」

「いえ、いいんですよ」


アイシスについていく。部屋は3階にあるようだ。


「ここですよ」

「ああ、ありがとう」

「それじゃあ、私はこっちですから」


アイシスは隣の部屋に入っていった。

オレも鍵を開けて部屋に入る。

部屋は十畳くらいはありそうな縦長のワンルームだった。クローゼットにベッド、机と椅子が1つずつ置いてある。

結構いい部屋だな。

オレは荷物を置いてベッドに寝転がった。


はぁ……疲れた………。


ボーッと天井を見る。


……にしても、冒険者になれないとかありなのか?アイシスのおかげで当面の間は大丈夫だけど、前途多難だなぁ。


ゴロゴロ…ゴロゴロ……。ベッドの上を転がってみる。


そんなことをしていると、ドアがノックされる音が聞こえた。




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