平凡にして異常
ーーー彼、山岡真一を一言で表現するならば、平凡にして異常、そんな言葉が相応しいのだろう。
17歳 身長175㎝ 体重70kg 趣味は漫画とゲーム
平凡な体格
顔は100人に聞けば、10人くらいは「ぎりぎりイケメンじゃね?」という程度には整っているが、あまり印象には残らない顔だろう。
成績も平均点の少し上をキープしている程度であり、決して目立つようなものではない。
人付き合いもほどほどであり、友達もそれなりにはいるが、その人にとって1番の友達といえる程の深い付き合いはしていない。
いてもいなくても、物事の大勢には何の影響も及ぼさない、そんな存在であった。
ーーーー何故か?
それは彼自身が、自らの異常性をはっきりと理解していたからである。
すなわち、極力目立たないようにしていたのだ。
異変は5歳の頃から始まった。その頃から、特になにかをしている訳でもないのに身体能力が異常なまでに向上し始めたのだった。腕力、脚力、体力、握力、瞬発力、動体視力などである。
8歳の時、好奇心から全力でコンクリートブロックを殴ったら、いとも容易く破壊してしまった。幸い誰にも見られなかったが、子供心にも『この力』は人に知られてはいけないものだと感じた。
それからは、自身の力をコントロール出来るように一生懸命努力し、半年程で上手く力を加減できるようになった。
10歳になっても、彼の身体能力の向上は止まらなかった。しかし、力のコントロールは既にほぼ100パーセント出来るようになっていたので、目立つようなことは無かった。だが、見た目がほとんど変化しないことが不思議でならなかった。
11歳の時、男の子なら誰もが通る道である『バトル漫画の登場人物の技真似』に目覚めてしまった。当然ながら、手からエネルギー波のようなものをだしたり、空を飛んだりすることはできるはずもなかった。しかし、体術や武器を使った技なら出来るのではないか?と考えてしまった。
それからは、今までとは逆に如何にして自分自身の力をひきだすか?ということに没頭するようになっていった。
特にお気に入りにバトル漫画の登場人物のセリフで
『人は裸で生まれてくる。武器も鎧も身につけずに生まれてくるのであるならば、裸の業を練るのが理だ』
にはとても感銘を受け、自身も素手で闘う道を良しと考えるようになった。
普通の人であるならば、漫画の技真似など、あっ、という間に気持ちが冷めてしまうものだが、彼は身体能力が常人のそれを遥かに超えてしまっていたために不完全ながらもそれを可能にしてしまい、気持ちが落ち着くまで2年もかかってしまった。
……技のレパートリーも確実にふえてしまったが。
彼が15歳になった年、1つの悲劇がおこった。
自動車で行った家族旅行の帰り、大型トラックと正面衝突するという交通事故に巻き込まれた。
両親は即死し、帰らぬ人となった。しかし、彼は全治3週間程度の怪我で済むという異常な頑丈さを見せた。
ーーーそして、さらに2年の月日が流れ、物語はここからはじまるのだった。




