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夜空の月が笑う時  作者: ぶちょう
地獄編
6/63

パーティー開幕

ハロウィンパーティー初日。パーティーは二日間に分けて行われる。そこではたくさんの人が集まり、城の庭には一般の人も来た。

「よく集まるもんだなぁ」

「そりゃ年に一度のお祭りだもん」

オレとロットは今、庭の見回りをしている。屋台を見て回っていると、ロゼとシオンが居た。

「よお、お二人さん!相変わらず忙しそうやなぁ」

「そっちは相変わらず暇そうで」

「そんなことないわよ。今だってほら…」

「ほら?」

シオンが手に持っているのは二本の串。

「……」

「ほら?」

「…ごめんなさい、暇してるわね」

「そ、そうだグラン」

ロゼがこちらに話しかけて来た。なぜだか少し顔が赤い。

「ん、なんだ?」

「その…明日のことなんやけど…」

「明日?オレたちなにかする事あったか?」

「あ、知らないならいいねん。ほな、お城にはいろ」

「??ああ…」


「皆様!よくぞ来てくださいました!!」

大臣が観客のテンションを上げるべく、大きな声で話をしている。

「それでは!魔王エルカージュ・リル・ゲルヴリッチ様のご登場です!!」

わああっ

歓声が上がり、拍手が起こる。玉座の中央に煙が舞い上がり、その中から出てきたのは…

「あいつが…」

照明のせいで青くも見える真っ黒な髪。彼の透明な紅い目は、すべてを見透かし、絶望したような目だった。

なによりも目を引いたのは、彼の翼だ。彼の翼は悪魔のような形をしているものの、半透明で骨が入っているようには見えなかった。そう、まるで玩具のような…。

「流石、グランは気づいたみたいやな」

ロゼがオレの疑問に答えるように話しかける。

「まさか…」

「そのまさかや。魔王様は生粋の地獄の住民やない。人間や」

改めて魔王を見る。よく見ると、彼の角もよくできているが偽物だ。

「まあここの約八割ぐらいはこのこと知ってると思うで。暗黙の了解っちゅうやつやな」

「…へえ」

正直驚いた。この地獄を仕切っているのが、オレと同じ人間だったとは…。

「グラン!おいグラン!!」

「?」

振り向くとジオが居た。

「もうそろそろ準備しないと間に合わないぞー!」

「あ、ああ」

「頑張ってきいや。うちもここから見とるで」

「ああ。まあ頑張って来るさ」






「それでは最初の演目、使用人のカヱデの登場です!どうぞ!!」

微かに後ろから大臣の声と喚声が聞こえた。



「いいじゃん似合ってるじゃん!」

控え室代わりに使っている小さな空き部屋には、出番を待っているオレとジオと、そんなオレたちを応援しに来たロットとメリアがいる。

「…かっこいい」

オレたちが着ているのは今日のためにわざわざロットが作ってくれた、式典用にも近いがそれよりも動き易い衣装だ。

「ほらメリア様もこう仰っているんだし」

「………」

「なぜお前は顔を赤くする」

「あー緊張してきたー」

「大丈夫だって!練習でも完璧だったし。あ、そろそろ出番だよ」

「…がんばって」

「おう」

「いっちょ、やりますか!」




「次は、使用人のグランとジオによる剣舞のパフォーマンスです!どうぞ!!」


いよいよ開幕です。

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